しょうがは薬味として使う程度で、たくさんは食べないという人も多いはず。しかし、しょうがには内臓の働きをよくして体を温め、体内の余分な水分を取り除いてくれるパワーがあります。そんな冷え取り食材と合わせたいのが味噌。味噌にもまた、臓器の働きを活性化させるなど、さまざまな健康効果があります。これらの食材を合わせてつくる「しょうが味噌」は、体熱を上げ、病気を予防してくれる完全健康食なんです。
このコンテンツの監修者は……
石原結實 (いしはら ゆうみ)さん
【Profile】
1948年、長崎市生まれ。長崎大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科博士課程修了。現在、イシハラクリニック院長として漢方薬と食事指導による治療法を実践。メディアへの出演や書籍の出版、講演会などの実施に加え、伊豆の保養所「ヒポクラティック・サナトリウム」の運営を通じて、これまでに5万人近くの患者の健康増進、体調改善・回復を実現したカリスマ医師。著書は『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、『生姜力』(主婦と生活社)、『「医者いらず」の食べ物事典』(PHP研究所)など、300冊を超える。
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しょうが味噌基本のつくり方
しょうが味噌の材料はたったこれだけ!
・味噌:100g
・しょうが:20g
・みりん:大さじ2
STEP 1:しょうがをすりおろして……
STEP 2:すべての材料を混ぜる!
冷蔵庫で約1ヵ月保存可能
・長期保存する場合は、保存容器の消毒を忘れずに
・フリーザーバッグでつくっても◎!
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しょうが味噌の効果
1:便秘解消
味噌の乳酸菌が腸内環境を整える
便秘とは、大腸など、排泄を担う腸が十分に活動しないことによって排便が滞る状態のことをいいます。便秘が続くと、腹痛や肌荒れなど、さまざまな不調が起こります。
大腸や直腸といった臓器は、熱によって動いています。そのため、大腸や直腸の冷えは機能の低下を引き起こし、便秘につながります。それを解消するには、冷え取り食材であるしょうが味噌が有効。味噌には乳酸菌をはじめとした腸を整える成分も含まれます。食べ物以外でも、腹筋を鍛え、お腹で熱を生み出しやすくする工夫も大切です。
2:痛み緩和
陽性食品のしょうが・味噌が体を温めて痛みを取る
頭痛、腰痛、腹痛、生理痛などのつらい「痛み」は、多くの場合、「冷え」と「水」が原因で起こります。雨の日に関節が痛くなったり、寒い冬の日にお腹が痛くなったりするのもそのためです。
寝冷えをすると下痢をするのは、冷えによって体の中の余分な水を出そうとするから。このように冷え、水、痛みは密接に関わっています。
しょうがも味噌も、体の冷えを取り、不要な水を排出する力をもっています。また、しょうが湿布を痛む部分に当てるのも効果的です。
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3:風邪予防
ジンゲロール&ショウガオールが発汗を促して風邪を撃退
風邪をひくと熱が出て、せきやたんといった症状が現れます。これらはすべて、「血液の汚れ」を浄化するための反応であると漢方医学では考えられています。
熱が出ると、血液の汚れを浄化する白血球の働きが活性化します。老廃物を体外に出すために大量の汗をかくのです。また、たんは血液内の老廃物が肺に排泄されたもの。せきをすることで、たんを体外に出そうとします。
しょうがの強力な発汗作用は老廃物排泄のための強い味方。風邪のときにも摂るとよいのです。
4:胃腸不調改善
しょうがの辛み成分が胃潰瘍を予防する
胃や十二指腸の壁が傷ついて痛む胃潰瘍・十二指腸潰瘍の大敵はストレスです。ストレスがかかると副腎髄質(ふくじんずいしつ)からアドレナリンが分泌され、血管が縮んで胃腸の粘膜の血行が悪くなってしまいます。
しょうがには胃腸の壁の血行をよくして胃腸の働きを促進したり、胃潰瘍などの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を殺菌する作用があります。
また、胸やけにもしょうがは有効。胸やけは、強い酸性の胃液が食道に逆流することによって起きます。しょうがで胃を温めて蠕動(ぜんどう)運動を促せば解消します。
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5:むくみ解消
しょうが+味噌の温め効果で水分を出してむくみ解消
むくみは、体の中に余分な水分が大量にたまっている状態です。むくみが気になる人は、色白で筋肉が少なく、下半身が太い場合が多いです。これらの特徴をもつ人は、「水太り」の状態であるといえます。
水太りになると、体内の水が大量に滞った状態が続き、体が冷え、代謝が下がる。その結果、余計に痩せにくい体になるという悪循環が生じます。
むくみも水太りも、体を温めて汗をかき、余分な水分を体外に排出することで改善します。しょうが味噌なら体を温め、体内で熱を産出してくれます。
6:めまい解消
しょうがの血流アップ作用で耳にたまった水を排出
漢方医学において、めまいや耳鳴りは耳の「内耳」という部分のリンパ液が多くなっている状態と考えられています。内耳のリンパ液が増え、平衡感覚の調節がうまくいかないとめまいが起こります。しょうがで内耳の血流をよくすると改善が期待できます。
めまいは貧血や脳貧血などでも起こります。貧血とは赤血球が少なくなっている状態で、脳貧血は脳への血流が悪い状態です。どちらも赤や黒の、濃い色の食材を摂るようにするのがおすすめ。軽い運動で筋肉を鍛えることも大切です。
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7:がん予防
しょうがの抗酸化作用でがん予防が期待できる
しょうがと味噌は、どちらもがんを予防する驚きのパワーをもっていることもわかってきました。
マウスにがん細胞を植えつけた実験で、しょうがの辛み成分である「6–ジンゲロン」を与えたマウスは、与えなかったマウスよりも腫瘍の数が少なかったと報告されています。これはしょうがのもつ強い抗酸化作用によるものだと考えられます。
さらに、味噌汁を毎日飲む人の胃がん死亡率は、ほとんど飲まない人の約50%であったという報告があり、注目されています。
(抜粋)
TJ MOOK『体を温める! しょうが味噌でずっと健康!』
監修:石原結實
編集:野村枝里奈(EYEBOX)
文:mao
撮影:柴田佳彦、萩原一秀(EYEBOX)
イラスト:中村千尋(EYEBOX)
WEB編集:FASHION BOX
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