同じものを食べても、ちょっとした食べ方の工夫で内臓脂肪を減らすことができます。最初は慣れなかったり、面倒だったりするかもしれませんが、習慣にしてしまえば、それだけでやせやすい食事が実践できます。内臓脂肪を落とす食べ方を医学博士の白澤卓二先生に伺いました。
食事は“野菜から食べる”を死守する
内臓脂肪を溜めないようにするには、糖質の吸収を緩やかにする食べ方がマスト。つまり、定食の場合なら、食物繊維の多い野菜や汁物から始め、次にたんぱく質の多いメインディッシュ、最後に糖質のご飯を食べるという順番。いわゆる「ベジファースト、カーボラスト」の食べ方を死守しましょう。外食で一品料理を頼む場合も、野菜→たんぱく質→糖質の順でオーダーを。ベジファーストは、ご飯、おかず、汁物を交互に食べる「三角食べ」を家庭や学校で躾けられてきた人には、少し抵抗があるかもしれません。しかし、正式な和食の懐石料理は出てきた順に食べますから、別にマナー違反ではありません。
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時間をかけてゆっくり噛んで食べる
多忙な現代生活では、つい早食いになりがち。ですが、早食いは満腹中枢が作動する前に食べ過ぎる危険性が。さらに、血糖値を急上昇させて糖化を起こし、内臓脂肪が蓄積しやすい体をつくります。よく嚙んでゆっくり食べれば、満腹中枢は適切に働き、料理をきちんと味わうことで満足度も高くなるため、食べる量も少なくなります。
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腹八分目を心がけて食べ過ぎ予防
胃は伸縮性に富んだ臓器です。成人の胃の容量は、空っぽのときには50mL程度なのに、最大に膨らますと2Lにもなります。毎食これだけの量を食べれば、太るのは当然です。ひと口ごとに箸をテーブルに置く、食べた量を写真で記録して適量を覚えるなど、腹八分目を守る自分なりのコツを見つけて食べ過ぎを予防しましょう。
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朝は野菜とフルーツのジュースでやせやすい体のスイッチを入れる
体は寝ている間にも代謝を行っているため、朝は血液中のブドウ糖濃度が下がっています。ここにご飯やパンなどで大量の糖質を入れると、血糖値は急激に上がります。かといって、朝食を抜けば体に負荷がかかり、老化を進めてしまいます。そこでおすすめなのが、血糖値を上げず体を目覚めさせてくれるフレッシュジュース。ビタミンやミネラルと一緒に酵素や食物繊維も摂りたいので、ジューサーではなくミキサーを使い、出来立てをすぐに飲むようにします。自分でつくるのが大変なら、ジューススタンドを利用してもいいでしょう。
昼はたんぱく質メインに。丼はNG!
昼食は、手軽に食べられるパンや麺類、丼物などを選びがちですが、糖質が多くなるので避けましょう。おすすめは、やはりバランスのいい定食。メインは肉、魚、大豆製品などのたんぱく質で、ご飯は抜くか小盛りに。食後に何か飲む場合は、無糖のお茶やコーヒー、ミネラルウォーターなどを。甘い清涼飲料や缶コーヒーはNGです。
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夕飯の主食は抜くorごく少量に
1日を終えて休息に入る夜は、活動エネルギーをつくる必要がないため、食事はしなくても問題ありません。逆に、寝る前の食事は消化活動で睡眠の質を低下させたり、消化で生まれたエネルギーが使われずに蓄積されて太りやすくなるなど、デメリットが多いのです。空腹で眠れないのであれば、糖質以外のものをごく少量だけ食べるようにしましょう。
アルコールと糖質
内臓脂肪を減らすには、アルコールも選ぶ必要があります。最も避けるべきはビール。中ジョッキ1杯で10g以上の糖質が。一方、飲んでいいのは、糖質ゼロの焼酎や、抗酸化成分のポリフェノールを多く含むワインなど。なお、アルコールは食欲を刺激するので、おつまみの食べ過ぎにも要注意です。
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このコンテンツの監修者は……
白澤卓二(しらさわ・たくじ)先生
【Profile】
白澤抗加齢医学研究所所長。医学博士。お茶の水健康長寿クリニック院長。1982年千葉大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。東京都老人総合研究所勤務、順天堂大学大学院教授を経て、現職。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。アンチエイジングや認知症などのわかりやすい解説、健康長寿を目指すための食生活啓蒙など、テレビ、書籍、講演などで積極的な活動を行う。著書に『100歳までボケない101の方法』(文春新書)、『1日1缶でやせる! さば缶で糖質オフの晩ごはんダイエット』(KADOKAWA)など。
(抜粋)
TJ MOOK『内臓脂肪が落ちる! 「30年間、体重が変わらない」Dr.白澤の食事術』
監修:白澤卓二
編集・ライティング:宇津井恵子
イラスト:藤田めぐみ
WEB編集:FASHION BOX
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