妊活にはセルフケアが大切! 産婦人科医が生める体づくりを伝授

妊活にはセルフケアが大切! 産婦人科医が産める体づくりを伝授

体調の変化を感じやすい30代。いつか出産したいと考えているなら、今のうちから体を整えておくことが大切です。まずはライフスタイルを見直し、簡単にできるセルフケアも取り入れながら、妊活の準備を始めていきましょう。

自分の体を知ることが産みやすい体に導く!

近年、女性の生き方は多様化していて、30代で出産することは当たり前になっています。今すぐ妊娠を考えていなくても、いつか産みたいと思っている人も多いはず。そこで、産婦人科医の陣内彦良先生に、30代の妊娠について話を聞きました。

「一般的には、35歳を越えると妊娠しにくくなると思われていますが、妊娠率は20代後半から徐々に下がり始めています。30代以降も、不妊治療に取り組めばすぐに授かる、というのは幻想です。年齢が上がるにつれ、妊娠・出産のハードルが高くなることは事実。自分の年齢を過信せず、子どもがほしいと思ったら、1日でも早く妊活に取り組んでほしいです。今すぐでなくても、いつか出産したいと考えているなら、まずは自分の体の状態を知っておきましょう。クリニックで婦人科の病気や性感染症の検査、ホルモンのバランス、卵巣年齢などを調べておくと安心です。自分の体の状態を知ることで、日頃の生活習慣を見直し、体調を整えていけば、将来的に不妊になりにくくなったり、いざ妊活を始めた時に、スムーズに妊娠しやすくなったりします。病気の有無もわかるので、出産を考えていない人もぜひ受診してください」

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生活習慣を整えて、いつでも産める体づくり

生理・おりものの状態を確認する

「毎月の生理の状態を確認しておきましょう。生理の周期は28~30日が一般的。周期が短すぎても、長すぎても、ホルモン分泌異常や無排卵など何らかの異常があるケースが考えられます。ひどい生理痛は、子宮内膜症や子宮筋腫のサインかもしれません。子宮や膣にトラブルがあると、おりものに異常が出てくることもあるので見逃さないようにしましょう。今は生理の状態を記録できるアプリも登場しているので、活用してみてもよいでしょう」

【セルフチェックをしてみよう:生理】
□生理と生理の間が20日未満
□生理と生理の間が40日以上
□生理痛がひどい
□経血の量が異常に多いまたは少ない
□生理が8日以上続く

周期の乱れは異変のサイン。ひどい生理痛は子宮内膜症、子宮筋腫のリスクあり。経血量が多いと子宮筋腫、少ないとホルモンバランスの乱れ、生理が続くと無排卵月経の可能性もある。

【セルフチェックをしてみよう:おりもの】
□おりものが黄色、または泡が混ざっていて、強いかゆみがある
□おりものが白くカッテージチーズのようで、強いかゆみがある
□おりものの量が急激に増えた

おりものが黄色、カッテージチーズ状で、強いかゆみが伴う場合、トリコモナス膣炎やカンジダ症の恐れあり。量の急激な増加は、子宮や膣の炎症・子宮膣部びらん・筋腫などが懸念される。

ストレスを減らす

「妊娠力にかかわる女性ホルモンの分泌量は年齢だけでなく、自律神経の乱れも影響します。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立っていて、女性ホルモンは副交感神経が優位になっている時に正常に分泌されます。しかし、ストレスを感じると交感神経が優位になるため分泌量がセーブされ、排卵障害、ホルモンバランスや生理周期の乱れなどを引き起こします。ストレスを減らし、自律神経を整えましょう」

お風呂に入って冷えをとり、体温を36.5度以上に保つ

「体の冷えは妊活の大敵です。体が冷えると子宮に血液が行き届かず、生殖機能の低下、生理不順、生理痛、月経前症候群(PMS)など、さまざまなトラブルの原因となります。体を芯から温めるために、毎日入浴することがとても大切。お風呂に入ると、血流がよくなり、冷えが解消されます。特に39~40度のぬるめのお湯につかることで副交感神経が優位になり、心身がリラックスした状態になるため、入浴後に良質の睡眠をもたらしてくれます」

体を温める入浴のキホン1:食後すぐの入浴は避ける
食後は胃など消化器官に血液が集まって消化を促す。しかし、入浴すると血液が全身を巡るため、消化活動が鈍って、胃もたれや消化不良の原因になりやすい。食後30分以上経ってから入浴しよう。

体を温める入浴のキホン2:39〜40度で15分程つかる
お湯は熱すぎないぬるま湯が理想。夏は39度、冬は40度を基準としよう。血液は約1分間で全身を巡るため、15分お湯につかると末端の毛細血管まで血液が流れ込み、体が芯から温まる。

体を温める入浴のキホン3:水分補給をしっかりする
入浴中は250~500mLの汗が出るため、水分補給をしないと脱水症に陥る可能性がある。入浴前後に最低でもコップ1杯分の水分をとる。糖度を控えたイオン飲料は体に吸収されやすい。

体を温める入浴のキホン4:なるべく夜につかる
睡眠の質を上げる意味でも、夜の入浴で体温を上げ、ゆっくり下げて眠るのがベスト。時間がない日は、ぬるめのお湯に10分ほどつかれば、上がった体温が1時間程で下がるので、すぐに眠れる。

妊活にはセルフケアが大切! 産婦人科医が生める体づくりを伝授
出典: FASHION BOX

睡眠の質を上げる

「睡眠中は体の機能を維持するため、さまざまなホルモンが分泌されています。自律神経のバランスを整えるためにも、睡眠はとても大切。本当は早寝早起き、7時間以上の睡眠が理想ですが、そう簡単にはいかないのも現実。まずは睡眠の質を上げましょう。寝る前のスマホの操作は、目から入るブルーライトによって寝付きが悪く、眠りが浅くなってしまいます。寝る前は読書をするなど、自然に目を疲れさせ、深い眠りに入る準備をしましょう」

食事にはもちろん油脂にもこだわる

「食生活に気を使うことはもちろん重要ですが、日々摂取している油にもこだわりましょう。油脂は種類によって、老化を加速させるものから防ぐものまでさまざまなので、体によいものを選ぶことが大切。亜麻仁油やえごま油などに含まれるα-リノレン酸は、オメガ3脂肪酸と呼ばれ、注目が高まっています。炎症を鎮める必須脂肪酸なので、女性に最もとってほしい油です。良質な油脂を選ぶことで、卵子の質を改善し、排卵障害のリスク回避にもつながります」

出典: FASHION BOX
有機アマニ油 190g ¥1,800(プロスペリティ)

不足しがちな栄養素を補う

「生活習慣や体質によっては、不足しやすい栄養素があります。日頃からUVケアをしている女性はビタミンDが不足しがち。免疫力を高めるなど、ビタミンDにはさまざまな効能があります。日光を浴びることで生成され、魚類に多く含まれます。また、抗酸化作用のあるビタミンEは、血流の流れをよくして、子宮内膜の状態を整えます。これらの栄養素を食事でバランスよく摂取するのが理想ですが、サプリメントで効果的に補給してもよいです」

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教えてくれたのは……

陣内ウィメンズクリニック 院長
陣内彦良先生

【Profile】
リラックスして取り組む“ハッピー妊活”を提唱。独身でも受診できる“妊活ドック”を実施。『妊活―治療と生活アドバイス』(主婦の友社)監修。

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取材・文=白石梨沙
写真協力=ゲッティイメージズ
InRed 2020年2月号
WEB編集=FASHION BOX
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