料理の旨みを引き出してくれる出汁はとても便利ですが、実は素材の本来の旨みを引き出せば、出汁がなくてもおいしいおかずが作れます。料理研究家の瀬尾幸子さんが素材を生かす料理のコツを教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
瀬尾幸子さん
料理研究家。気張らない家庭のごはんと、その料理哲学にファン多数。食べる人も作る人も、どちらの立場でも、誰もがホッとできる料理を提案。作りやすくおいしい、ずっと作り続けたいレシピを数多く紹介している。近著に『つまみでおかず』(家の光協会)など。
「出汁を入れると料理がおいしくなる」は思い込み
出汁が出る食材を使っているのに、むやみに出汁を入れると味がぼやけます。
食材の持つエネルギッシュな味わいが、一番のごちそうです。
出汁を入れないことで、手間と時間が省けるのに、おいしさは格別に。
年末年始の忙しい時期。いつもの家庭料理を、引き算でおいしくブラッシュアップしませんか。
かぼちゃ煮のレシピ
材料(2 〜3 人分)
かぼちゃ … ¼個(350g)
しょうゆ … 大さじ2弱
砂糖 … 大さじ1強
作り方
1:かぼちゃは、ひと口大に切る。
2:鍋に入れ、かぶるくらいの水としょうゆ、砂糖を加え強火にかける。
3:煮立ったら落とし蓋をして、中火で柔らかくなるまで煮る。皮が煮汁に浸っていないと柔らかくならないので、途中、煮汁に浸っているように注意する。
4:煮汁が鍋底から3㎝位(少し残る程度)になったら火を止め、5分ほど置き、かぼちゃに煮汁を吸わせる。
「出汁を入れないからこそ野菜の味が引き立ちます」
「スーパーで売られているかぼちゃは、ほとんどが西洋かぼちゃ。甘みと旨みが強くて、過熱しただけでも濃い味わいがおいしいのが特徴です。だからかつお出汁は合いません。煮崩れるものは“弱火でコトコト”ではなく一気に煮上げるのが正解です」(瀬尾さん)
(大人のおしゃれ手帖編集部)
photograph: Taku Kimura(tokyo ryori shasin)
styling: Masami Kishi
edit:FASHION BOX
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