最近は、男性も女性も多くの人が筋トレに取り組むようになりました。「見栄えのよいマッチョな肉体を作りたい！」「筋力を維持して、何歳になっても元気に過ごしたい！」など理由もさまざま。正しい筋トレと“筋肉肥大”の仕組みを理解して理想的なボディを目指しましょう。これまで延べ6万人に肉体づくりを指導してきた、理学療法士・トレーナーの庵野拓将先生にお話を伺いました。
≪目次≫
●“筋肥大のしくみ”を知ろう
●大切なのは栄養摂取と正しい筋トレ
●教えてくれたのは……
“筋肥大のしくみ”を知ろう
まずは、筋肥大のしくみについて簡単に説明しましょう。
筋肉は、数千から数十万本という筋線維が束になって形作られていて、筋肥大は、その筋線維の一本一本を太くさせていくことで生じます。筋線維は1つの筋細胞が細長くなったもので、アクチンとミオシンといった筋タンパク質で形成されています。そして、筋線維の肥大は、筋タンパク質の合成によってもたらされます。
筋タンパク質は24時間、常に「合成」と「分解」を繰り返しています。
私たちは毎日、食事をします。そこで十分な栄養を摂取することで、筋タンパク質の合成と分解のバランスを保ち、筋肉量が維持されているのです。
ここで言う合成とは、筋肉量を増加させること。分解は、筋肉量を減少させることです。つまり、筋タンパク質の合成が分解を上回ることによって筋線維は肥大していくのです。
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大切なのは栄養摂取と正しい筋トレ
では、どうすれば、筋タンパク質の合成が分解を上回るのでしょうか。
ここで必要なのが、筋力トレーニングなのです。
栄養を摂取するだけでは、筋肉量の維持が精一杯でしょう。もしくは、筋肉量を徐々に減少させてしまう可能性が高いのです。よって、筋肥大を望むのであれば、栄養摂取に加えてトレーニングを行うことが不可欠となります。だからこそ、多くの人が筋トレに取り組んでいるのですが、実はここに大きな「落とし穴」があります。
それは、正しいやり方で筋トレを行えているかどうかです。これまでのトレーニング指導はほとんどの場合、トレーナーの経験値に基づいて行われてきました。経験値を頭ごなしに否定するつもりはありませんが、そこに科学的根拠があるのか否かは、正しいやり方を考えるうえでの大きなポイントとなります。
果たして、あなたがやっているトレーニングは正しいのでしょうか？
あなたのカラダに効率よく筋肥大をもたらしているでしょうか？
トレーニング科学は日々、進歩しています。特に「筋トレビッグ3」と言われるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトのフォームに関しては近年、エビデンスの構築が目覚ましいのです。せっかく筋トレを行うならば、最大限の効果を得るために、またケガなくトレーニングを続けるためにも、「筋肥大のしくみ」を知り、「正しいトレーニング方法」を身につけていきましょう。
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●教えてくれたのは……
理学療法士・トレーナー、博士（医学）
庵野拓将（あんの・たくまさ）先生
【Profile】
大学院修了後、大学病院のリハビリセンターに勤務。怪我や病気を患った人々からアスリートに至るまで、これまで延べ6万人に肉体づくりを指導してきた。大学病院においては、世界最先端の研究成果をトレーニング現場にフィードバックすべく、研究発表、論文執筆にも精力的に取り組んでいる。筋トレ、スポーツ栄養学をはじめとする最新の研究報告を紹介するブログ「リハビリmemo」主宰。著書に『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』（KADOKAWA）がある。
ブログ ：「リハビリmemo」
ツイッター：「庵野拓将 ＠takumasa39」
（抜粋）
書籍『これが世界標準！ 科学が証明した最強の筋トレ』
監修：庵野拓将
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構成：近藤隆夫
写真：真崎貴夫
編集協力：SLAM JAM、廣井章乃、村中崇
モデル：小林靖
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WEB編集：FASHION BOX、株式会社エクスライト
