「防災食は非常時だけ食べるもの」「おいしくない」と思っていませんか。そんな固定観念を覆す、“普段から食べられるおいしい防災食”を紹介します。管理栄養士、防災士、災害食専門員の今泉マユ子さんに教えていただきました。
《目次》●ライフラインが使えない災害時の調理法
●ポリ袋でもむだけ。即食レシピ(R)
○トマコンビーフ
○ツナと切り干し大根のイタリアンサラダ
○切り干し大根の塩昆布お茶和え
●教えてくれたのは……今泉マユ子さん プロフィール
ライフラインが使えない災害時の調理法
災害時は水もガスも電気も、すべてが貴重。食器などを洗う水も限られています。最小限の水やガスで調理する方法を紹介します。
■使う道具
【ポリ袋】
「高密度ポリエチレン」と書かれた半透明タイプを。高密度でなければ二重にして。
【ガスコンロ】
ボンベ式のガスコンロは大活躍。災害時、ガスは1日1本くらい使うと考えて備蓄を。
***即食***
災害発生から3日目までの、すべてのライフラインが止まっているときにおすすめの調理法。
ポリ袋に具と調味料を入れ、味がなじむように混ぜれば完成!
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ポリ袋でもむだけ。即食レシピ(R)
すぐ作れてすぐ食べられる「即食レシピ」。調理器具不要、ポリ袋に材料を入れてもむだけです。そのまま食べても十分おいしいけれど、さらに食卓が華やぐアレンジも紹介。分量は目安なので、気軽に作ってみましょう。
トマコンビーフ
材料〔2人分〕
コンビーフ……1つ(80g)
トマトジュース………50ml
コーンドライパックレトルトパウチ……1袋(55g)
黒こしょう……適量
1.ポリ袋に材料をすべて入れて混ぜる。食べるときに黒こしょうをかける。
※お好みでクミンパウダー、タバスコ、カレー粉を入れてもおいしい。
↓
+春巻きの皮でスティック春巻き
2.春巻きの皮を対角線状に半分にカットし、長いほうを手前にして、1と1/4に切ったスライスチーズをのせて、左右の皮を折り込んでクルクルと巻き、巻き終わりに水をぬって留める。
3.フライパンにサラダ油を熱し、2を揚げ焼きにする。コンビーフの水分で油が跳ねることがあるので、注意して。
ツナと切り干し大根のイタリアンサラダ
材料〔2人分〕
ツナ(食塩、油入り)……1缶(70g)
切り干し大根……30g
トマトジュース……100mL
(お好みで)オリーブ油やおろしにんにく……少々
1.ポリ袋に缶汁ごとツナと、そのほかの材料をすべて入れて混ぜて完成。
↓
+キャベツでロールキャベツ
2.ゆでるか、電子レンジでやわらかくしたキャベツに、短くカットした1をのせて、左右を折り込みクルクル巻く。
3.小さい鍋に2を並べ、ひたひたの水とコンソメを入れて火にかける。塩、こしょうで味を調える。
切り干し大根の塩昆布お茶和え
材料〔2人分〕
切り干し大根……30g
塩昆布……大さじ1(5g)
お茶(緑茶、麦茶、ウーロン茶など)……100mL
1.ポリ袋に材料をすべて入れて混ぜてできあがり。
※切り干し大根は水で戻さなくてOK。硬いのが苦手な人は、切り干し大根をキッチンバサミで切ったり、ポリ袋のまま置いておくとなじむ。
↓
+油揚げでいなり焼き
2.1を短くカットし、半分に切った油揚げに詰める。切り口をようじで留めて、オーブントースターで焼き色がつくまで焼く。
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教えてくれたのは……
今泉マユ子さん プロフィール
管理栄養士、防災士、災害食専門員。防災食アドバイザーとして講演や講座を行い、テレビ、ラジオなど各メディアで活躍中。著書に『災害時でもおいしく食べたい! 簡単「みそ汁」&「スープ」レシピ もしもごはん2』(清流出版)ほか多数。
※「即食レシピ(R)」は、オフィスRMの登録商標です
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photograph_Junichi Harano
text_Keiko Nakayama
(大人のおしゃれ手帖 2020年8月号)
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