目に見えないダニや気づかない場所のカビは、この季節、健康被害につながるほど増加してしまうことも。とはいえ、面倒なことはしたくない!というあなたにぴったりな対策法を紹介します。ダニの発生源の第1位は寝具。滞在時間の長い寝室で睡眠中に吸い込むため、健康被害がいちばん大きい場所です。住まいアドバイザーの藤原千秋さんに詳しくうかがいました。
≪目次≫
●カビ・ダニはなにがいけない?
●寝具に潜んでいるダニのふんや卵を撃退!
〇対策1:布団を干すor布団乾燥機をかける
〇対策2:布団にも掃除機をかけ、部屋の掃除機をかける頻度を2倍に
〇対策3:ダニとりグッズを設置
〇実は盲点!? エアコンの掃除とカビを発生させない使い方
●教えてくれたのは……
カビ・ダニはなにがいけない?
アレルゲンを知らないうちに吸い続けることで不定愁訴の原因にも!
「ダニはほとんど目に見えませんが、きれいに見える家の中にも数億匹が潜んでいるといわれています」と、住まいのライター&アドバイザーの藤原千秋さん。ダニの死骸やふんは代表的なアレルゲンで、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息の原因に。カビの胞子も体内に入るとアレルゲンになったり、肺の病気を起こしたりします。いままで問題なくても、加齢による免疫力の低下で急に症状が出ることもあります。なんとなく調子が悪いという不定愁訴の原因が、実はカビやダニだったなんてことも!
「ダニとカビが好むのは、室温20~30℃、湿度60~80%の間。外が高温になる夏の時期は、家の中がダニにとっていちばん快適な場所になってしまいます。湿度のコントロールを意識して、ダニ、カビが増殖しない環境を作りましょう」
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寝具に潜んでいるダニのふんや卵を撃退!
「家の中で、ダニの多い場所の筆頭が、布団やまくらなどの寝具。それに続いて、ソファ、畳の上に敷いたカーペットです。特に布団についたダニのふんや死骸は、1日のうち6〜8時間もある睡眠時間中にどんどん吸い込んでしまうので、ほかの場所よりも危険が高いといえます」
ダニの寿命はおよそ3カ月。すでに発生しているダニを完全に駆除することは難しいですが、乾燥を徹底することで、アレルゲンになるふんを減らし、新たに卵を産んで増えないように対策します。まずは換気をし、布団をこまめに干すこと。それと同時に、寝室の掃除機がけを増やして。ホコリ1gの中には、200~300匹のダニがいるともいわれているので、ホコリを少なくすることが、ダニ対策になります。
喘息発作の原因にも……カビ・ダニを撃退するために必要な基本の知識
対策1:布団を干すor布団乾燥機をかける
ダニを減らすには、布団を中まで乾燥させること。天気のよい日に干すか、難しい場合は、換気をしながらイスの上などに広げて風を通します。布団乾燥機を使う場合も部屋の換気は必須。布団乾燥機を使うと室内の湿度が高まるため、乾燥させた布団に水分が戻るのを防ぎましょう。
高温風でダニ対策も。
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対策2:布団にも掃除機をかけ、部屋の掃除機をかける頻度を2倍に
布団専用クリーナーを使うか、掃除機にアタッチメントをつけて、布団から直接ダニを吸い込むのも有効。また、寝室内にホコリが多いと、そこでもダニが増えていくので、寝室内の掃除機をかける頻度をいままでの2倍に増やすのがおすすめです。
対策3:ダニとりグッズを設置
マットレスの上やカーペットの下に置き、ダニをおびき寄せるダニとりグッズを使うのもおすすめ。掃除機で吸いきれない部分のダニを捕獲します。
効果は3カ月、家中どこででも使える。
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実は盲点!? エアコンの掃除とカビを発生させない使い方
使い方1:内部クリーン機能や送風運転でエアコン内部を乾燥させる
冷房や除湿運転の後は、エアコンの内部は結露した状態に。これをいったん乾燥させるために、エアコンについている「内部クリーン運転」などを使うか、「送風」で1時間ほど運転するのが有効。
使い方2:定期的にフィルターを掃除
フィルターにホコリが詰まるとダニが繁殖し、そこに結露がつくと、カビがはえます。そのままでは冷風とともにカビの胞子やダニが吹き出してきてしまうので、こまめなフィルター掃除で対策を。
ホコリ取りには……中性洗剤
うっすらしたホコリなら掃除機だけで取れますが、油などねばついている場合は、中性洗剤をつけて、スポンジでやさしく洗いよく乾燥させます。
カビ掃除には……カビ取り剤
カビ臭いときは、フィルターをこすらずにカビ取り剤をかけしばらく放置してから、洗い流してしっかり乾燥を。エアコン内部にカビ取り剤はNGなので注意。
<カビ臭い!となったらまずは業者さんへ>
フィルター掃除をしてもカビ臭い場合、原因はエアコン内部。自分で掃除をしようとすると、エアコンを傷つけたり故障の原因になることも。専門業者なら、手の届かない部分まできれいにしてくれるので、2年に1回を目安に依頼して。
業者さんに頼めないときの応急処置
どうしてもカビ臭い!と感じたら、家中の窓を開けた状態で、冷房16℃の強風運転に設定し、1時間ほど運転させます。これである程度カビの胞子が飛んでいくはず。あくまでも応急処置なので、本来は業者によるクリーニングがベターです。
教えてくれたのは……
住まいアドバイザー
藤原千秋さん
【Profile】
大手住宅メーカー勤務を経て、All Aboutの『住まいを考える』ガイドに。家事サービスや商品開発にも携わる。
カビや細菌、ウイルス、ダニを防ぐ! 病原菌を寄せつけない健康部屋のつくり方
取材・文/田中絵真
イラスト/小迎裕美子
(素敵なあの人 2020年9月号)
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WEB編集/FASHION BOX