話題沸騰の音楽映画『アリー/スター誕生』で、初めて長編映画の主役を飾った歌姫レディー・ガガ。「女優、レディー・ガガ誕生!」と各メディアで絶賛され、アカデミー賞の有力候補にもなりそうな勢い。かねてより「女優になりたかった」というガガ様だけに、映画出演は時間の問題ではあったけど、なぜこの作品で?ガガ様に直撃インタビュー!
役になりきるため、スッピンで勝負
「監督であり、共演してくれたブラッドリー(・クーパー)のおかげよ。彼だから、出演したかったの。彼が、私の家に来たとき、私達には特別なコネクションを感じたわ。そして、彼が一緒に“Midnight Special”を歌わない?と言ったので、私はあわててピアノを弾きだして、彼の魂のこもった歌い方にビックリして……。とにかく、彼と一緒にいられたこと、仕事ができたことをこの上なく光栄に思っているの」
演じるのは、ルックスには自信がないものの、抜群の歌唱力を持つアリー。そんな彼女の才能を見いだしてスターへの扉を開くのがロックスターのジャクソン。ブラッドリーは監督として、個性的なファッションとメイクでも定評のある“ガガ様”イメージからの脱却を試み、スッピンでカメラの前に立つことを要求した。
「カメラテストのときに、ノーメイクに見えるようなメイクをしていたら、彼にバレて(笑)。その場で“完全にノーメイクでいこう”って言われちゃった(笑)。そのあとは、髪も地毛の色に染め直したわ。キャラクターになりきりたかったからね。そして、それは私にとって試練でもあったけれど、同時に自由を感じた瞬間でもあったの。出演を決めたとき、私の全てを注ぎ込みたいと思っていたから。私の持つ恐れ、羞恥心、愛、優しさ。私の最後の一滴までこの映画に捧げようと思ったわ」
スターになってからのアリーが披露するパフォーマンスは“歌姫レディー・ガガ”を彷彿とさせる。が、それ以前の売れない時代、特に、初めて大観衆を前に歌う姿の初々しさは衝撃的。スター=アリー誕生の予感を感じさせる名シーンだ。
「ブラッドリーと一緒にステージに初めて上がるシーンで、彼は“俺のことを信頼してくれればいいから”って言ってくれていたから、私は“もう少し横を向いたほうがいいかしら?”とか“うつむいたほうがいい?”なんてことを考える必要もなかった。シーンを撮影した3日間、ひたすらアリーになりきってブラッドリーの手を握ったまま引きずり回されていた感覚。事実、彼の手を離したら、転んでしまったこともあったのよ」
それぞれ違った分野でキャリアを築いてきたレディー・ガガとブラッドリー・クーパー。持てる才能を全て吐き出し、融合させて素晴らしい音楽映画として昇華させたお手並みは素晴らしい。
「“芸術的な意味において最も満足いく経験”というブラッドリーの意見に私も同感!演技はまたやりたいけれど……。最初からこんな経験をしてしまって、贅沢慣れしちゃったから。これ以上の体験ができなければ、やりたくはないわ」
『アリー/スター誕生』
story:歌手を夢見るアリー(L・ガガ)は、昼はウェイトレスとして働き、夜は小さなクラブで歌う毎日。彼女がパフォーマンスするクラブにひょっこり現れたのは、世界的ロックスターのジャクソン(B・クーパー)。彼はアリーの歌に圧倒され、コンサートへの出演を持ちかける。
監督・出演:ブラッドリー・クーパー
出演:レディー・ガガ、サム・エリオットほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:12月21日より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
Lady GAGA
1986年3月28日、ニューヨーク生まれ。クラブでダンサーをしながら、ソングライターの活動を始め、プロデューサーのエイコンに才能を見いだされる。08年に発売したアルバム『ザ・フェイム』で商業的大成功を収めた。以後、グラミー賞など受賞し、世界中で3100万枚超のアルバムと、1億7100万枚超のシングルセールスをマーク。
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© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
構成・文_金子裕子
写真_Peter Lindbergh/Warner Bros.
編集_石川聡子[vivace], FASHION BOX