お金を貯めるためには、家計簿をつけて生活費を管理することが必須。でも、わかっていてもできない人も多いはず。今回は、簡単にできる生活費の管理テクニックをファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生が紹介します。
<お悩み内容>お金を貯めるにはどうしたらいいですか? 簡単な方法を教えて
毎年思っていることですが、今年こそ少しでもお金を貯めたいです。収入が減っているなかで、お金を貯めるにはどうしたらいいでしょうか。難しいことはできないので、簡単にできる方法があったら教えてください。
(音楽関連勤務・30歳)
【PROFILE】
毎年、お金を貯めたいと思っているけど、結局貯まらない日々を過ごしている。家計簿はつけたことがなく、何となくどんぶり勘定で毎月を過ごしている。
<アドバイス>お金を貯めるためには支出を確認し予算の範囲内で生活費を管理する
残業カットやボーナスがなくなるなど、家計に不安を感じている人も多いでしょう。そんな中で、少しでもお金を貯めるためには、まず家計を把握することが大切。そのために役立つのが家計簿です。とりあえず1カ月、どんな支出があるのか、ノートに書いたり、アプリを使うなどして確認します。次に、支出の目標金額と比較してみましょう。たとえば、家賃は手取り収入の3割以内が目安なのに、上回っているようなら、引っ越しを考える。食費を使い過ぎていたら節約が必要です。生活費の管理方法は袋分けなどいろいろあるので、自分にあう方法を選択してみて。家計に不安を感じている今こそ、家計管理や予算管理が大切ですよ。
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簡単! 生活費の管理テクニック
やはり、生活費をしっかり管理することが大事です。お金を貯めるために、どのように生活費を管理すればよいのか、そのテクニックを紹介します。
STEP 1:まずは家計簿をつける!
自分が何にいくら使っているのか、現状を把握するためにも家計簿をつけましょう。アプリなどもあるので、意外と簡単かも。
【日記風にしっかり書きたい】ノートに書く
1日の出費と向き合える
1日の出費を、自分で計算してノートに手書きすることで、節約できた、ちょっと無駄遣いしたなど、今日あったことに思いをめぐらし、反省したり、達成感を味わいながら振り返ることができます。
メリット
・1日の出費とじっくり向き合える
・書くことで記憶に残りやすい
デメリット
・自分で計算する必要がある
・グラフ化が容易にできない
【簡単に出費を把握したい】アプリを使う
グラフなどで支出を見える化
レシートを撮影するだけで、簡単に金額を入力できる。銀行口座やクレジットカードと連動させたり、公共料金の金額などをグラフ化もできるので、お金の流れを把握しやすくなります。
メリット
・数字を簡単に入力できる
・銀行やクレジットカードと連動
デメリット
・データが消えてしまうことも
・アプリのサービスが終わることも
STEP 2:1カ月の生活費の目安を知ろう!
家計簿をつけることで、1カ月にいくら使っているか知ることができたはずです。その金額が適正かどうか確認していきましょう。
生活費は手取り収入の約4割が目標
1カ月の支出の目標を確認します。ひとり暮らしの場合、生活費は手取り収入の約4割、同様に家賃は3割以内、食費は約2割、貯蓄は約1割以上です。これを目安に、自分なりの予算を立てるようにしましょう。
1カ月の支出の目標
生活費(公共料金など含む):手取り収入の約4割
家賃:手取り収入の3割以内
食費:手取り収入の約2割
貯蓄:手取り収入の約1割以上
STEP 3:すぐできる! 生活費の管理法
生活費の目標額がわかったら、その範囲内に収めるためにどうすればいいのか、4つの管理方法を紹介します。自分にあう方法を選んで。
袋分けなどできそうなことにトライを
生活費の袋分けやレシートチェック、1日に使える金額を決めたり、1カ月を35日で予算分けするなど、できそうなことがきっとあるはずです。
生活費や食費を袋分けして管理
費目ごとに予算を袋分けする
予算管理の王道である袋分け。食費、日用品費、美容費など費目ごとに予算を決めて、給料日に予算分の現金を引き出し、それぞれの袋に分けて、その金額の範囲内で1カ月やりくりします。
レシートで無駄をチェック
レシートチェックで無駄を発見
買い物の際のレシートをチェック。レシートを見ながら、必要なもので安く買えたものに○、必要だけれど高かったなど節約できそうなものに△、買う必要がなかったものに×をつけて、合計金額を確認。
1日2,000円で暮らす
財布に1日分のお金だけ入れる
食費と生活費が月6万円の場合、1日2,000円以内で生活を。カレンダータイプのウォールポケットなどに1日の予算を入れて、その日の分だけお財布に。残ったお金は専用の封筒に入れておきましょう。
1カ月を35日で計算してやりくり
半年後に自分用のボーナスづくり
1カ月の生活費を35日、つまり5週間でやりくりすることで、数日分の予算がスライドして、約半年に1度、生活費がまるまる1カ月分残ることに。半年に1度の自分用のボーナスとして、買い物に回せるかも。
+αアドバイス
Advice 1:目標がないとお金を貯めることは難しい
お金を貯めるときには目標を立てることをおすすめします。ただ、何となくお金を貯めたいと思っていると、少し貯まったらすぐに引き出してしまいがち。たとえば、引っ越しのため、資格取得の学費のため、あるいは1年間で100万円貯めるなど、目標を持つことで貯蓄の意欲が高まることでしょう。
Advice 2:やりくりして余ったお金は好きに使ってOK
毎月の貯蓄以外でやりくりして余ったお金は、専用の封筒に入れておくことを紹介しました。このお金がある程度貯まったら自分の好きなことに使いましょう。欲しかったバッグや靴、コート、新しいゲームなど、何でもOK。好きに使えると思ったら、節約も苦手じゃなくなるかも。
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教えてくれたのは……丸山晴美先生
【PROFILE】
ファイナンシャルプランナー。節約アドバイザー。『steady.』の連載をまとめた『簡単! しっかり貯まる お金の基本』(宝島社)や、『驚くほど貯まる! ポイ活カードケース』(宝島社)、新刊『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します』(幻冬舎)、『シングルママのお金に困らない本』(徳間書店)が好評発売中。
取材・文/金野和子
イラスト/Nobby
(steady. 2021年2月号)
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WEB編集/FASHION BOX