長生きのためのスポーツとは
テニスが健康寿命を延ばす!
さまざまなスポーツのなかで、長生きしたい人におすすめなのがテニスです。神戸大学医学部客員教授の寺尾啓二先生がスポーツに関する興味深い研究結果とともに、テニスで寿命が延びる理由を教えてくれました。
書籍『最新科学で証明された 超効率的に筋肉をつける最高の食事術』を購入する!
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
おならのニオイで腸の健康状態がわかる! 良いおならと悪いおならの違いは?
プロテインで肌荒れ&腎機能低下の危険性も! 新型コロナ感染につながりかねない注意点
テニスで長生きできる!?
「運動」と「スポーツ」は同じ意味のように使われていますが、実際には異なる言葉です。運動は体を動かすことで、この運動という枠の中に、他人や自分、または自然と競うスポーツが含まれています。運動は有酸素運動と無酸素運動に分けられますが、スポーツには数えきれないほどの種類があります。その数あるスポーツの中でも、特にテニスが健康寿命を延ばし、長生きできるスポーツであることがわかりました。
ここで紹介するのは、2017年5月に、オーストラリアと英国の研究グループによるスポーツに関する研究報告です(下の「種目別の死亡率の違い」参照)。
スポーツによって心血管の働きがよくなることは広く知られています。中高年や高齢者でスポーツをする人は死亡率が低いことも、エビデンスレベルの高い研究で明らかとなっています。しかし、どのようなスポーツにその効果があるかについては、これまではっきりとはわかっていませんでした。
この研究では、死亡率低減のために有効なスポーツについて、調査しています。
プロテインの摂り過ぎで体のニオイがきつくなるのはなぜ? 専門家が解説
テニスをする人は死亡率が低く、寿命が長い
種目別の死亡率の違い
サイクリング……15%減
水泳……28%減
ランニング
フットボール……18%減
テニス(ラケットスポーツ)……47%減
エアロビクス……27%減
テニスなどのラケットスポーツをする人は、まったく運動しない人と比較して、すべての死因における死亡率が47%少なく、死亡リスクがもっとも低いことが判明しました。
種目別の平均寿命の違い
運動習慣のない人と各種スポーツをする人の平均寿命の差
ヘルスクラブでの活動……1.5年
美容健康体操……3.1年
ジョギング……3.2年
水泳……3.4年
サイクリング……3.7年
サッカー……4.7年
バドミントン……6.2年
テニス……9.7年
コペンハーゲン市の8577名を対象に行われた25年間にわたる調査で、運動習慣のない人と運動習慣のある人を比較したところ、平均寿命に差があり、運動をする人は平均寿命の延長が見られました。中でも、テニスが9.7年ともっとも長いことが明らかになりました。
すべての死因における死亡率が47%減少
まず、スポーツをサイクリング、水泳、エアロビクス(エアロビクス、体操、ダンス)、ランニング(ランニング、ジョギング)、フットボール(サッカー、ラグビー)、ラケットスポーツ(テニス、バドミントン、スカッシュ)のグループに分けました。
そして、それぞれのグループと死亡率の関連性を、イングランド人とスコットランド人の総勢8万306名のコホート研究(分析疫学の手法の一つ)として1994年から2008年にわたって調べています。調査対象者の年齢は30歳から98歳までで、幅広い年齢層を対象としています。
この調査の結果、テニスなどのラケットスポーツをする人とまったく運動しない人を比較すると、前者の死亡率は47%も減少しており、他のスポーツに比べて死亡リスクがもっとも低いことが判明しました。
テニスで長生きできる理由 1:脳が鍛えられる
では、テニスをするとなぜ長生きにつながるのでしょうか?
1つ目の理由として、テニスは1対1もしくは2対2で絶え間なく打ち合うスポーツであるからです。常に相手やボールの動きを見て、瞬時に状況判断するため、脳が鍛えられていると推察できます。
2002年にカナダのトロント大学が行った調査では、ベテランテニスプレイヤーの試合前と試合後の脳の動きを測定したところ、テニスを行った後の脳はストレスに対応する部分の動きが向上していることがわかりました。脳がストレスに強くなって脳機能が改善すると、認知症にもなりにくくなり、健康寿命を延ばすことにつながっていると考えられます。
テニスで長生きできる理由 2:全身をバランスよく鍛えられる
2つ目の理由として、テニスは無酸素運動と有酸素運動の両方を交互に行うため、全身の機能がバランスよく鍛えられることが考えられます。
無酸素運動は瞬発的な動きにより筋力を強化するもので、テニスのボールを打つ瞬間やボールを追いダッシュする瞬間に行われているのが無酸素運動です。一方、有酸素運動は心肺機能を強化するもので、相手の返球を待っている間は有酸素運動を行っています。
テニスは有酸素運動に加えて、高齢者がやらなくなりがちな無酸素運動を無理なく取り入れることができるからこそ、高齢者も健康を保てて、世界各国での競技人口が多いスポーツとなっているようです。
状況判断を瞬時に行うためテニスは脳も鍛えられる
テニスをする人の健康成果
(アメリカではBMIが30kg/平方メートル以上を肥満とする)
調査への参加者は国際テニス連盟に所属する142名の成人であり、年齢は21歳から72歳までの平均47.6歳で、そのうち、89名が45歳以上。サンプル全体は、参加者の75%以上が、過去10年間、定期的にテニスに参加(週2回以上)。
免疫力「衛気」を養う食材ほか 健康になる食生活のヒント9選
「ストレッチでやせない」はウソ!? 食事制限や筋トレの前に柔軟性を上げるべき理由
教えてくれたのは……寺尾啓二 (てらお・けいじ)さん
【PROFILE】
1957年、岡山県生まれ。86年、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。ドイツのワッカーケミー社勤務を経て、2002年に株式会社シクロケムを設立。環状オリゴ糖に関する数々の研究成果は、グループの販売会社である株式会社コサナのヒット商品にも活かされており、11年からは株式会社コサナの代表取締役社長も兼任。06年、東京農工大学客員教授。12年4月から神戸大学医学部客員教授、神戸女子大学健康福祉学部客員教授。19年10月からモンゴル国立大学応用科学工学部客員教授。
お口の臭いはキウイを食べるとやわらぐ!? 気になる舌苔も除去する成分を専門家が解説
(抜粋)
書籍『最新科学で証明された 超効率的に筋肉をつける最高の食事術』
著者/寺尾 啓二
書籍『最新科学で証明された 超効率的に筋肉をつける最高の食事術』を購入する!
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
その体の臭いや肌荒れ、プロテインが原因かも!? 驚きの落とし穴を専門家が解説
プロテインの摂り過ぎで腸に穴が開く!? 予防するならキウイ&◎◎◎◎◎◎[専門家が解説]
イラスト/田中 斉
構成・編集/石川夏子(グレイル)、宮座美帆
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集/FASHION BOX