運動能力を高めるための体と栄養の基礎知識/プロテインの働きとその落とし穴
運動する人が摂取したい栄養素のひとつがプロテイン。ただ、摂取方法などを間違うと健康リスクが高まってしまうのだとか。神戸大学医学部客員教授の寺尾啓二先生にプロテインの働きやリスク、そしてリスクを避けるために一緒に摂りたい栄養素を教えてもらいました。
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運動&美容に欠かせない! プロテインとコラーゲンの働き
どちらもタンパク質
運動に欠かせない栄養素としてよく知られるのがプロテインです。プロテインとあわせて摂取したいのが、同じくタンパク質でできているコラーゲンです。
筋肉の量を増やしたり、筋力を高めたりする目的でプロテインを飲む人も多いのですが、コラーゲンも一緒に摂取すると、コラーゲンが骨や軟骨の強度を高めて筋肉にもいい作用をすることがわかっています。
プロテインは筋肉量を増やす
プロテイン(Protein)とはタンパク質のことで、タンパク質は肉や魚、大豆製品に多く含まれている三大栄養素の一つです。タンパク質は普段の食事では不足しやすく、プロテイン専用のサプリメントや飲み物で補って必要量を摂取しているアスリートも多くいます。プロテインといえば筋肉をつけるものとイメージしがちですが、筋肉以外にも内臓、髪の毛、爪、ヘモグロビンなどに働きかけます。
コラーゲンは骨の強度を高める
コラーゲンもタンパク質の一種で、人間の体を形成しているタンパク質のうち約30%がコラーゲンとされます。皮膚、血管、じん帯、腱・軟骨などの組織構成に欠かせない成分で、40%は皮膚、20%は骨や軟骨に存在し、内臓など全身の組織にも広く分布しています。筋肉を鍛えるときにプロテインとともにコラーゲンを摂ることで、じん帯や腱、軟骨がしなやかになってけがをしにくくなります。
なお、コラーゲンは巨大分子なので体内には吸収されません。そこでコラーゲンを加水分解した低分子のコラーゲンペプチドを摂取する必要があります。コラーゲンはアミノ酸が鎖状につながったポリペプチド分子が3本集まったらせん構造をしているのですが、その構造体を形成するためにヒドロキシプロリンが重要な役割を担っています。
このヒドロキシプロリンは、ビタミンCによってアミノ酸のプロリンからつくられます。したがって、コラーゲンペプチドを摂取する際にはビタミンCも一緒に摂るようにしましょう。
≪コラーゲンの構造≫
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プロテインと一緒に摂取! α‒オリゴ糖とコラーゲンペプチド
プロテインの落とし穴
以前はトップアスリートやボディビルダーたちが特別に摂るものと思われていたプロテインですが、最近では「筋肉を維持しつつ健康を保ちたい」と、多くの人が摂取するようになってきました。
タンパク質であるプロテインは三大栄養素の一つであるため、摂取すること自体はとても大事なことです。しかし、その摂取方法や摂取量を間違えれば、体臭や肌荒れの原因になってしまうのです。
その原因の一つにプロテイン摂取による腸内環境の悪化が挙げられます。過剰に摂取した分のプロテインは小腸で分解されず、そのまま大腸に届きます。大腸に到達したプロテインは悪玉菌のエサとなり、さまざまな腐敗産物に変換されるのです。
この腐敗産物のp-クレゾールやフェノールは、体内に吸収されると肌の表皮に移行し、肌の新陳代謝を鈍らせて、肌質を悪化させてしまうのです。
プロテインの摂りすぎによる肌質の悪化を防ぐには、α-オリゴ糖とコラーゲンペプチドを一緒に摂りましょう。α-オリゴ糖は善玉菌のエサになって悪玉菌を減らし、大腸における腐敗産物の産生量を減少させてくれます。また、コラーゲンペプチドは、肌の真皮層のコラーゲン産生能力を高めるだけではなく、ヒアルロン酸生成にも効果がある、肌のうるおいには欠かせない成分です。
コラーゲンペプチドの中でもフィッシュコラーゲンペプチドがおすすめです。フィッシュコラーゲンペプチドは、ヒトなど動物のコラーゲンタンパク質を形成するアミノ酸組成に類似しており、体内への吸収率が高い成分です。
プロテインを飲むときに肌への影響が気になる方は、α-オリゴ糖とフィッシュコラーゲンペプチドもあわせて摂るようにしましょう。
年齢による体内のコラーゲン量の変化
1日のタンパク質摂取量の変化
教えてくれたのは……寺尾啓二 (てらお・けいじ)さん
【PROFILE】
1957年、岡山県生まれ。86年、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。ドイツのワッカーケミー社勤務を経て、2002年に株式会社シクロケムを設立。環状オリゴ糖に関する数々の研究成果は、グループの販売会社である株式会社コサナのヒット商品にも活かされており、11年からは株式会社コサナの代表取締役社長も兼任。06年、東京農工大学客員教授。12年4月から神戸大学医学部客員教授、神戸女子大学健康福祉学部客員教授。19年10月からモンゴル国立大学応用科学工学部客員教授。
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(抜粋)
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著者/寺尾 啓二
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構成・編集/石川夏子(グレイル)、宮座美帆
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