歯のフロスを使うと死亡率30%ダウン! 歯周病菌や歯垢を防ぐ理想の歯磨き方法を歯科医院長が指南

歯のフロスを使うと死亡率30%ダウン! 歯周病菌や歯垢を防ぐ理想の歯磨き方法を歯科医院長が指南

「歯は健康のバロメーター」とも言われ、全身の健康状態に影響します。
そして、そんな歯の健康に欠かせないのがマメなオーラルケアです。

歯磨きにプラスして、歯間ブラシやフロスを正しく使って清潔に保つことで、老化防止にもつながります。
今回は、TJ MOOK『決定版! 老化を食い止める名医のワザ』から、口腔ケアの効果と具体的なポイントをご紹介します!

TJ MOOK『決定版! 老化を食い止める名医のワザ』

監修(登場順):太田 博明、根来 秀行、長谷川 嘉哉、森永 宏喜、山口 康三、中川 雅文

世界一の超高齢大国となった日本。2025年には3人に1人が65歳以上の高齢者、4人に1人が75歳以上の後期高齢者となるとされています。その一方で、病気を発症して介護を要する期間は平均11年とされており、寿命が延びても介護を要するのはつらいものです。そこで本誌では、各ジャンルの名医に総力取材し、「筋肉」「骨」「血管・内臓」「脳」「口腔」「目」「耳」を中心に、高齢者の老化を食い止めるさまざまなワザを指南します。

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毎日フロスを使うと、死亡率が30%下がる!
ブラシ+フロスで5歳若返る

口の中を健康に保つことは、病気知らずの若々しい体を維持する近道です。
5611人の高齢者に対して行った平均9年間の追跡調査では、毎日就寝前に歯をみがく人に比べて、みがかない人は死亡率が20〜30%も高いという報告があります。

口内細菌は約8時間で歯の表面に定着してしまいます。最低でも1日2回は歯をみがき、細菌が増殖しにくい口腔内環境を保ちましょう。理想は、歯周病菌やその毒素を飲み込んでしまわないよう、朝起きたらまず歯をみがくこと。そして毎食後には必ず、就寝前には就寝中の細菌増殖を防ぐべく、念入りにみがきましょう。

ただし、これだけで安心してはいけません。自分では完璧に歯をみがいているつもりでも、歯ブラシだけでは、みがき残しが必ずあるからです。歯ブラシだけで落とせる歯垢は約6割。4割の汚れ、細菌は残ったままなのです。

デンタルフロスや歯間ブラシを使うと、歯垢の除去率は8~9割にアップします。
デンタルフロスをまったく使わない人は、毎日使う人と比べて死亡率が約30%も高いというデータもあります。ブラシ+フロスのケアは確実に老化防止につながるので、頑張ってトライしてみてください。

そして、できればかかりつけの歯科医院で「自分にあった歯のみがき方」を指導してもらいましょう。普段から歯科医院に行っている人は、そうでない人に比べて「死亡率が30〜50%も低く」、「年間医療費が3割も安い」という調査結果もあります。美容院で髪を切ってもらうのと同じ感覚で、歯科医院へも気軽に足を運び、口の中を整えてもらいましょう。心身の若さを保つ秘訣です。

 

歯みがきは最低でも1日2回は行う!

歯みがきは最低でも1日2回は行う!
起床直後:就寝中に増殖した口の中の細菌を飲み込まないよう、朝食前に歯をみがく。就寝前:念入りな歯みがきで口の中にある歯垢を減らし、細菌の増殖を抑える。

細菌は8時間で歯の表面に定着し、48時間後には薄い膜を張り、より増殖しやすい環境を作ってしまいます。食後48時間以内には、ブラシ+フロスの念入りな歯みがきを!

歯磨きの基本|歯ブラシの持ち方や磨き方など 歯茎から血が出てもOK?[歯科医 監修]

 

みがき残しをなくすためのブラッシングのコツ

歯の外側
みがき残しをなくすためのブラッシングのコツ 歯の外側

歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを45度の角度で当てるのが理想。
でこぼこした歯の側面は、歯ブラシを立ててみがくのもおすすめです。

 

前歯の内側

みがき残しをなくすためのブラッシングのコツ 前歯の内側

歯ブラシを立てて、歯の面と、歯と歯の境目をていねいにみがきます。

 

奥歯の内側

みがき残しをなくすためのブラッシングのコツ 奥歯の内側

奥歯の内側をみがくときは、歯ブラシの毛先部分を使って、細かくふるわせるようにして動かしましょう。

 

嚙み合わせ面

みがき残しをなくすためのブラッシングのコツ 嚙み合わせ面

歯ブラシの毛先を歯のくぼみに当てて、やさしくみがきます。

 

みがき方で差がつく歯垢の除去率

みがき方で差がつく歯垢の除去率

≪歯垢の除去率≫

  • ブラッシング(歯ブラシ)+ 歯間ブラシ→ 95%
  • ブラッシング+ デンタルフロス→ 86%
  • ブラッシング(歯ブラシ)のみ→ 58%

※ 出典/ 山本昇ほか、『日本歯周病学会誌』1975より

歯間ブラシ

歯間ブラシ
L型歯間ブラシ、I型歯間ブラシ

I型は前歯、L型は奥歯をみがくのに適しています。
奥歯にはL型が基本ですが、I型を少し折り曲げて使ってもよいでしょう。

 

デンタルフロス

デンタルフロス

歯と歯の隙間に糸を通してみがきます。
歯の側面にある虫歯や歯石、治療ずみの歯の不具合などを見つけやすいです。

賢い歯磨きで磨き残しゼロ! フロス・歯間ブラシの正しい使い方 [歯科医監修]

 

美容院感覚でかかりつけの歯科医院へ行こう!

歯みがきだけではどうしても落としきれない歯垢や歯石を、歯科医院で定期的に除去することはとても大切。美容院で髪をカットしてもらうのと同じ感覚で、歯科医院で口の中を整えてもらうことを習慣にしましょう。

 

歯科医院で定期的に行いたいこと

ブラシ+フロスで落とせる歯垢は最大で95%。
セルフケアでは限界があるので、歯科医院でのケアと合わせて、歯の健康を守りましょう。

  • 虫歯や歯周病のチェック
  • セルフケア技術のチェック
  • 歯垢をつきにくくするポリッシング(研磨、歯の清掃)
  • 歯石除去 など

 

監修 森永歯科医院院長 森永宏喜(もりなが ひろき)先生

【Profile】
1963年、千葉県生まれ。東北大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学口腔外科に勤務、口腔がんや顎変形症手術、歯科心身症など、一般歯科の範囲を超えた治療に取り組む医療チームの一員となる。総合病院勤務を経て、1992年より現職。開業医として一般歯科臨床に取り組みながら、「高齢化が進む地域で、歯科から生活習慣病を改善していく」ことを目指し国内外で研鑽、米国アンチエイジング医学会認定医となる(歯科医師として日本初)。「栄養を科学する歯科医療」を実践し、「健康寿命」を延ばすための歯科の重要性を一般市民・医療関係者へ発信することをミッションとして活動している。著書に『歯周病はすぐに治しなさい! 口腔から老化と心臓・腸・脳の大病がはじまる!』(さくら舎)など多数。

 

(抜粋)

TJ MOOK『決定版! 老化を食い止める名医のワザ』

監修(登場順):太田 博明、根来 秀行、長谷川 嘉哉、森永 宏喜、山口 康三、中川 雅文

世界一の超高齢大国となった日本。2025年には3人に1人が65歳以上の高齢者、4人に1人が75歳以上の後期高齢者となるとされています。その一方で、病気を発症して介護を要する期間は平均11年とされており、寿命が延びても介護を要するのはつらいものです。そこで本誌では、各ジャンルの名医に総力取材し、「筋肉」「骨」「血管・内臓」「脳」「口腔」「目」「耳」を中心に、高齢者の老化を食い止めるさまざまなワザを指南します。

 

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歯周病は認知症や子宮内膜症のリスクを高める! 老化を止める口腔内ケアを歯科医院長が解説

 

[編集・執筆]株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子、石野宏幸
[執筆協力]常井宏平
[イラスト]桜井葉子、仲西 太、麻柴朋貴
[写真・イラスト協力]shutterstock、photolibrary

 

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[WEB編集]FASHION BOX

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