「近頃疲れが取れにくくなってきた」
「最近生理不順が気になる……」
まだ更年期(45~55歳頃)ではないにもかかわらず、このようなお悩みのある方は、もしかしたら「プレ更年期」かもしれません。
更年期前(30代後半~40代前半)の女性は、ストレスによってホルモンバランスや自律神経が乱れることで、更年期に似た状態(プレ更年期)になりやすいといわれています。
この記事では、プレ更年期の症状や対処法について、ご紹介します。からだの変化に上手に対応しながら、素敵に歳を重ねていきましょう。
プレ更年期は35歳から!? からだや女性ホルモンはどうなる? 上手なつき合い方を産婦人科専門医がアドバイス
プレ更年期とは? 症状をチェック
更年期になり卵巣機能が衰えると、女性ホルモンのバランスや自律神経に乱れが生じ、動悸や不安、ほてりなどの症状が頻繁に起こるようになります。これが更年期症状です。
一方、「プレ更年期」は、更年期前に更年期に似たような症状がみられることを指します。プレ更年期の場合、仕事や家庭などのストレスによって、女性ホルモンのバランスや自律神経に乱れが生じます。そのため、症状の程度や頻度は更年期ほどではないものの、似たような不調があらわれやすくなるといわれています。
プレ更年期チェックリスト
まずは、自分がプレ更年期に当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。
<プレ更年期チェックリスト>
・生理周期が乱れやすくなった
・生理前に肌が荒れやすく、治りにくくなった
・生理前や生理中に疲れやすくなった
・経血量にムラが出てきた
・疲れがとれにくくなった
・ぐっすり眠れない日がでてきた
・肩がこりやすくなった
・手足が冷えやすくなった
・ちょっとしたことでイライラしたり、落ちこみやすくなった
このような症状が多くみられるほど、プレ更年期の可能性が高いといえます。
更年期は予防できる? プレ更年期への対処法
更年期症状は、健康だからこそ起こる、正常な加齢変化です。そのため、更年期症状を完全に予防したり治したりすることは困難です。
しかし、プレ更年期のうちに正しい対処法を身につけておけば、更年期症状の軽減や悪化防止が期待できます。
プレ更年期を乗り切るポイントは「ストレスをためないこと」です。次のような方法で、ストレスをこまめに、早めに解消する習慣を身につけましょう。
ストレスに負けないからだづくり
次のような生活習慣を心がけて、ストレスに負けないからだをつくりましょう。
・7~8時間程度の十分な睡眠をとる
・バランスのいい食事をとる
・1日30分程度、適度な運動をする
・リラックスタイムをつくる
質のいい睡眠をとるためには、朝日を浴びたり、湯船にゆっくりと浸かったり、就寝前には早めにスマホやパソコンをOFFにしたりすることが大切です。
また、こまめにリラックスタイムをつくり、ストレッチや音楽鑑賞など、自分に合った方法でゆったりと過ごすことを心がけてみてください。
ストレスに負けない心づくり
次のような、心の習慣を身につけておくこともおすすめです。
・考えすぎない
・自分やまわりの人を評価しない
・完璧主義にならない
・たくさん笑う
・心から打ち込める勉強や趣味を見つけておく
気分が沈んでいるときでも、笑うと楽しくなってくるものです。笑うことは、ストレスホルモン(コルチゾール)の減少や、脳のリラックスにつながるといわれています。
なかなか笑うことが難しい場合は、口角を上げるだけでも表情がぐっと明るくなり、気持ちが上向きになってきますよ。
ストレスをためない環境づくり
ストレスをためないようにするには、次のような方法でまわりの環境を整えておくことも効果的です。
・掃除や不要なものは捨て、生活環境や気持ちをスッキリさせる
・自分が心地いいと感じる環境をつくる
・信頼できる相談相手を見つけておく
職場のデスクなど、自分が過ごす場所にお気に入りのものを置いたり、植物を飾ったりしてみましょう。心地いいと感じられる環境をつくると、仕事がはかどるなどの効果も期待できますよ。
プレ更年期の諸症状には漢方薬も効果的
プレ更年期の症状を体質から根本改善したい場合には、漢方薬をおすすめします。
プレ更年期や更年期の不調改善は、漢方の得意分野です。実際に、多くの産婦人科で、漢方薬はプレ更年期の治療に使われています。
漢方では、体質そのものに働きかけるとともに、気の流れを整え自律神経を安定させ、心もからだも健やかな状態を目指します。
漢方薬は自然の生薬を組み合わせているため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれ、体質に合えば高い効果を得られます。
また、「健康のために規則正しい生活や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合うものを毎日飲み続けるだけなので、継続しやすいこともメリットです。
<プレ更年期の気になる症状におすすめの漢方薬>
更年期やプレ更年期では、「気(き/生命エネルギー)・血(けつ/血液)・水(すい/血液以外の体液)」のバランスが崩れることで、不調があらわれると考えられています。プレ更年期におすすめの「気・血・水」のバランスを改善する漢方薬をご紹介します。
加味逍遙散(かみしょうようさん):肩こり、頭痛、不安、イライラなどが気になる方
気・血の巡りを整えるので、イライラやヒステリーなどの精神症状に効果的です。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせや足の冷え、肩こり、頭痛などが気になる方
血の巡りをよくしたり、血の滞りを取り除いたりするので、のぼせや足の冷えなどを感じる方の月経トラブルに効果的です。
ただし、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントです。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
最近では、オンライン上で症状と体質に合った漢方薬を選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」というサービスも登場しています。漢方薬局よりも手軽に相談できるので、利用してみるのもいいでしょう。
スマホから、漢方に精通した薬剤師への個別相談を気軽に申し込むことができますよ。
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プレ更年期を上手に乗り切って快適に過ごしましょう
プレ更年期は、更年期ほど重い症状ではないものの、不快でつらいものです。
プレ更年期には、生活習慣や環境の改善などによって、からだや心を整えて、ストレスをためないようにすることが大切です。専門家に相談して、不調に効果的な漢方薬を取り入れるのもいいですね。
ぜひ、自分に合った対処法を身につけて、プレ更年期を楽しく快適に過ごしていきましょう!
教えてくれたのは……あんしん漢方 西里美咲
【Profile】
薬剤師 西里美咲
大学時代は生薬学研究室に所属し、美容成分の研究を行う。卒業後は製薬会社勤務、調剤薬局勤務を経て、現在は3人の子供の育児に奮闘しながら執筆活動中。
自身の妊娠中や産後の不調を、漢方の服用と生活習慣の見直しにより改善できた経験から、漢方やセルフケアの効果を実感し、同じように不調に悩む女性をサポートしたいと考えている。
パーソナルリンパケアリスト資格所有。
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