脳にゴミがたまるともの忘れの原因に!? 脳をおそうじして健康意識を高めるスープレシピを医師が直伝

もの忘れの原因は”脳のゴミ”! 脳をおそうじして健康意識を高めるスープレシピを医師が直伝

脳をおそうじする食習慣

もの忘れが気になる人は、脳に“ゴミ”がたまっているのかもしれません。脳のゴミを取り除くには、食生活の見直しが大切。そこで、金町駅前脳神経内科院長の内野勝行先生が手軽に美味しく脳をおそうじできるスープを紹介します。

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Part 1:脳にゴミがたまるってどういうこと?

脳のゴミって一体なに? なぜたまるの? たまるとどうなるの? 対策を始める前に、脳のゴミの正体について知っておきましょう。

アミロイドβがたまると脳細胞に悪影響を及ぼします

「あのドラマに出ている俳優さん、名前はなんだったかしら」「あの人ね! 名前が出てこないわね。あのCMにも出ていた人よね」なんていう会話を繰り広げたことはありませんか? ほかにも、買う予定のものを買わずにスーパーから帰ってきてしまったり、なにかの手続きを忘れたりなど、年齢とともに、もの忘れが増えてくるものです。

こうした脳の衰えに対してなにかよい手立てはないのか、脳神経の専門医である内野勝行先生に話をお聞きしました。
「まず、もの忘れがひどくなる主な原因は、加齢とともに、脳の“ゴミ”ともいえる物質がたまることです。この物質はアミロイドβといい、脳内に蓄積すると、脳細胞に悪影響を及ぼすことがわかっています。治療が必要な病気などの一部の例外を除いて、一般的に加齢によって起こるもの忘れの原因は、アミロイドβだと考えられています」

脳にゴミがたまる、というのは衝撃的な話ですが、いつごろからたまってしまうのでしょうか。
「脳内のアミロイドβは30代から徐々にたまり始めて、40代~50代で脳の衰えが進み、60代以降になると“名前が出てこない”などの症状を自覚する人が増えてきます」

なんと30代からすでにたまり始めているとは! それでは、60代以降の人はあきらめるしかないのでしょうか。
「もともと脳にはアミロイドβを排出する機能が備わっていますが、加齢や生活習慣によって排出が追いつかなくなると、どんどん蓄積していきます。すると、認知能力が低下してしまうのです。加齢は避けられませんが、60代以降の方でも、生活習慣を改善することで脳にアミロイドβをためにくくすることはできます。あきらめるのは早いです」

脳のゴミ アミロイドβがたまる原因は?
アミロイドβは、脳内で作られるタンパク質の一種。通常は短時間で分解されて排出されますが、その一部の毒性の強いものは排出されずに蓄積していきます。

上手くゴミが排出できないと?
排出されなかったアミロイドβは、糸くずのような繊維状のアミロイド繊維となり、脳神経細胞のまわりに沈着します。

認知能力が低下する可能性が高くなる
アミロイドβは思考や記憶や、知覚などを司る大脳皮質にたまりやすいため、蓄積量が増えると、認知機能の低下が起こりやすくなります。

Part 2:脳のゴミを排出する栄養素をとって、脳をおそうじ!

脳にゴミをためないためにできること、それは栄養素の補給をはじめとする生活習慣の見直しです。内野先生考案の“脳のおそうじスープ”も紹介!

脳によいスープを作って飲むことで、健康的な生活習慣が身につきます

脳の衰えを引き起こす“ゴミ”をためないためには、どうしたらよいのでしょうか。
「まずは食事の見直しが大事ですね。脳に限らず、体を健康に保つためには、栄養が偏りなく足りていることが基本です。そのうえで、脳の衰え対策としては、アミロイドβの排出を促す栄養素や機能性成分を摂取するようにします。どんな成分がよいかはわかっていて、例えば、ビタミンB群や抗酸化作用のあるアスタキサンチンなどが挙げられます。そこで私は、これらの脳によい成分を一度にとれるスープを考えました。食材は手軽に買えるものばかりですし、料理が苦手な人でも作れるので、おすすめです」と、内野先生。

内野先生が考案した“脳のおそうじスープ”は、毎日1杯飲み続けることが大事だそう。内野先生のクリニックで、2週間以上スープを飲み続けた方々に認知機能テストを行ったところ、多くの人が2週間前よりも得点が上がったといいます。
「もの忘れが減った、という声も聞きますね。ただし、スープさえ飲んでいれば不摂生をしていてもよいわけではありません。スープのいちばんの効果は、作って飲むことで栄養素や食材に意識が向くようになるなど、健康意識が高まることだと思います。すると、散歩してみようとか、ストレッチしてみようとか、自然と体によい生活を送れるようになるのです」

食事も運動も、脳の機能を保つためには大切なこと。新生活習慣の第一歩として、早速スープを試してみましょう!

脳のゴミを排出し、栄養を与える食事が大切!

いい栄養素を詰め込んだ、スープがおすすめ
一杯のスープで、これらの栄養素と機能性成分を摂取できます。

●DHA、EPA ツナ/青魚に多い脂質で、血液をサラサラにします。脳の神経系の発達も促進。
●αリノレン酸 大豆、くるみ/脳の血流をアップし、アミロイドβの排出を促します。
●抗酸化物質 トマト、桜えび/トマトのリコペン、桜えびのアスタキサンチンなどの抗酸化作用を持つ物質が、アミロイドβを増やす活性酸素を除去します。
●レシチン 大豆/脳神経の材料になります。記憶力や集中力を高める作用も。
●γオリザノール こめ油/脳の働きを活性化。血流をよくし、アミロイドβの排出を促します。
●セサミン ごま/抗酸化作用と悪玉コレステロールを減らす作用があります。
●たんぱく質 ツナ、大豆 、リン 大豆、くるみ/人体に欠かせない栄養素&ミネラル。脳細胞や脳神経の材料に。
●ビタミンB群 ツナ/脳の働きを高め、アミロイドβを排出しやすくします。

内野先生がおすすめするスープの作り方を紹介します。

Part 3:実践 脳のゴミをおそうじするスープの作り方

簡単でおいしい基本のスープを日々の定番に!

脳にいい栄養が大集合 基本のスープ

脳にゴミがたまるともの忘れの原因に!? 脳をおそうじして健康意識を高めるスープレシピを医師が直伝

材料(約8杯分)

トマト……大1個(200g)
蒸し大豆・くるみ……各50g
桜えび……10g
すりごま……大さじ3(18g)
ツナ缶(ノンオイル)……2缶(140g)
塩……小さじ1(6g)
中濃ソース……大さじ1(6g)
こめ油……少々

作り方

1:トマトをおろし金ですりおろす。フードプロセッサーやミキサーを使ってもOK。
2:冷凍用保存袋に蒸し大豆とくるみを入れて、くるみを砕きながらもむ。めん棒でたたくと砕きやすい。
3:2の袋に、1のトマトと残りの材料をすべて入れる。
4:もみながらよく混ぜて、平らにのばし、そのまま冷凍保存する。

冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ

脳にゴミがたまるともの忘れの原因に!? 脳をおそうじして健康意識を高めるスープレシピを医師が直伝

食べ方

冷凍保存した基本のスープを60gほど器に入れて、熱湯150mLを注ぐだけ。お好みでこめ油を少々たらしてもOK。

作ってくれた方……吉沼弓美子先生

【PROFILE】
管理栄養士、イタリア料理家。企業で管理栄養士を務めた後、イタリア留学を経て、料理家に。イタリア料理教室Cucina del Cielo主宰。

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教えてくれたのは……金町駅前脳神経内科院長 内野勝行先生

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金町駅前脳神経内科院長
内野勝行先生

【PROFILE】
帝京大学医学部医学科卒業。脳神経内科の専門医として多くの患者さんを診てきた経験を基に「脳のおそうじスープ」を開発。

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撮影/安彦幸枝
取材・文/中山恵子
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WEB編集/FASHION BOX

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