[長谷川京子]ランジェリーブランド「ESS by」を通して女性に伝えたい想いとは?|インタビュー

長谷川京子|浴衣を夏着物風に着こなした凛々しい姿にくぎ付け! 「ユーモアが大人の知性」[インタビュー]

綺麗の礎は品にあり 美と品格

『& ROSY』で連載中の「美と品格」。今回はさまざまな分野で活躍を続ける長谷川京子さんが登場です。自身のランジェリーブランドを立ち上げた理由などたくさんお話ししてくれました。

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starring 長谷川京子 “自分の世界を広げることでまわりの世界も広げる人”

[長谷川京子]ランジェリーブランド「ESS by」を通して女性に伝えたい想いとは?|インタビュー
波縞ゆかた ¥45,100※仕立て代込み、長襦袢 ¥37,400※仕立て代込み、夏名古屋帯 ¥141,900※仕立て代込み、魚 帯留 ¥19,800、緑の三分紐 ¥7,700、白の帯揚 ¥10,890、下駄 参考商品、足袋 ¥4,290、かんざし[赤珊瑚] ¥24,200 (全て、THE YARD/THE YARD)、パールイヤリング [18K WG×あこや真珠] ¥187,000、右手薬指リング [18K YG×あこや真珠] ¥203,500※共に発売日現在の価格(共にタサキ/タサキ)、木版うちわ瓢箪[青] ¥4,840(京うちわ 阿以波)
ランジェリー創りで見えた、自分の道筋

ゴージャスなドレスも、シンプルなランジェリーも、この上なくかっこよくセンシュアルに着こなす人。だからこそ余計に、長谷川京子さんの、着物姿にはっとさせられた人は少なくないだろう。華やかさと凜々しさ、伸びやかさと静けさ、あどけなさと艶やかさ……、たくさんの相反する側面が共存していて、表情や姿勢によって印象がくるくると変わる。奥行きのある魅力に、つい引き込まれて。
「着物って心が落ち着きますね。大好きなんですけど、プライベートでは、着る機会も余裕もない状態で。こうして、実際纏ってみると、若いときよりもしっくりくる感じがしました」

[長谷川京子]ランジェリーブランド「ESS by」を通して女性に伝えたい想いとは?|インタビュー

女優やモデルとしての活躍は、言わずもがな。一方で、長谷川さんは、自身のランジェリーブランド「ESS by(エス バイ)」を立ち上げた。テーマは「自愛」。「女性の解放」を目標に「女性が自由に自分を愛せるようになるきっかけになれば」と、一歩を踏み出したのだという。ローンチは1年前、構想と制作の期間をカウントすると、およそ2年前にまで遡る。
「実際、プロダクトが完成して走り出してから、それまで抱えていた思いがよりクリアに、より鮮やかになってきた気がします。女性にもっと元気になってほしい、もっと活躍してほしい。そうメッセージしたいと、ずっと思っていたんですよね。ダイバーシティの中で互いを認め合うためには、日本に限っていえば、何より女性の解放が先決だと思ったんです。女性だの男性だの、というのはもう古い?と思いつつも、そこが変わらないと何も始まらない気がして。古い概念を捨てなくちゃいけないのに、捨てられない場所があり、捨てられない人がいる。ならば、まず女性ひとりひとりが自分の内面を愛せるように導くこと。すると人に優しくできて、まわりもハッピーになる。そのムードが広がっていけば、やがて皆が元気になって、日本が変わる。大げさに聞こえるかもしれないけれど、私、本気でそう思っているんです」

ランジェリーを通じて、こんなにも共感してくれる人がいたのだと知り、背中を押された。自分が進む「道筋」が見えたと長谷川さんは言う。誰かを解放すること=自身を解放すること。誰かを愛すること=自身を愛すること。この人を起点に、自由がめぐり始めるのを目の当たりにして、ふと肩の力が抜けた。

[長谷川京子]ランジェリーブランド「ESS by」を通して女性に伝えたい想いとは?|インタビュー

ユーモアこそが、大人の知性

長谷川京子を長谷川京子たらしめた、大切な言葉があるのだという。
「幼稚園? 小学校? いつだったかははっきりしないんですけど、母に言われたんです。『あなたはダイヤモンドだから、磨けば磨くほど、光り輝くのよ』。姉、兄、私と3人を育てるのに必死だった母が、思うように手をかけてやれない末っ子の私に、とりあえずかけていた言葉だと思うんですけど……。このひと言によって、自分の可能性は無限大だと思い込んでた。いまもどこか、そう思っている節があります(笑)」

そんな長谷川さんにとっての、品格。
「そうですね……、『ユーモア』かな。年齢を重ねれば重ねるほど、大変なことって、増えますよね。自分ひとりじゃなくて、家族のこととか仕事のこととか、どんどんその要素が複雑になるというか。だからといって、大変、大変と愚痴ばかり言うのもどうかと思うし、『私、一生懸命頑張ります!』と声高に宣言する年齢でもない。どれだけユーモアを持って、軽やかに乗り切るか。それができる大人は、とても素敵だと思うんです。私のまわりには、少し年上の女性が多いのだけれど、皆、元気があって、才能があって、そして、ユーモアがあって。だから、ピンチに強い。追い詰められたときに、はぐらかすのでもごまかすのでもなく、ユーモアで『空気を入れ替える』というのかな? ユーモアって、知性。そう確信します」

[長谷川京子]ランジェリーブランド「ESS by」を通して女性に伝えたい想いとは?|インタビュー
有松絞りゆかた ¥71,500※仕立て代込み、長襦袢 ¥37,400※仕立て代込み、杢目 半巾帯 ¥42,900※お仕立て上がり品、真鍮かんざし ¥6,600 (全て、THE YARD/THE YARD)、イヤリング [18K YG×南洋真珠 黒蝶×ブラックスピネル] ¥254,100※共に発売日現在の価格 (共にタサキ/タサキ)
じつは長谷川さん、この連載に登場するのは、2度目。前回編集部から投げかけた同じ問いに、『究極は、胡坐をかいてもエレガントなこと』と語っている。同様に、ユーモアの価値に触れて。それは、ぶれない軸を持ちながら、軽やかに前に進んでいる証し。
「私自身、女優は女優であるべき、と思い込んでいたんですよね。もちろん、ひとつの道を究めるスペシャリストは尊敬に値すべきもの。ただ、私の場合は、『肩書』は何でもあり、なのかなって。もちろん、そのぶん、ぶれない自分を持たなくちゃいけないとも思う。ランジェリー創りで見えた自分が、女優やモデルである自分にも、いい影響を与える気がしていて。仕事もプライベートも責任を持って、いい意味で『わがまま』でいられたら、と」

いまが一番、「自分を動かせる気がする」と長谷川さん。自分の世界を広げることでまわりの世界も広げる人。この人の目線の先に広がるのは、明るい未来、いや、明るくする未来……。

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PROFILE/長谷川京子(はせがわ・きょうこ)

1978年、千葉県生まれ。モデルとしての活動を経て、2000年に女優デビュー。ドラマ、映画などで幅広く活躍。ランジェリーブランド「ESS by」を手がける。

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Direction & Photo:MAKOTO NAKAGAWA [CUBISM]
Text:CHITOSE MATSUMOTO
Styling:MIKA NAGASAWA
Hair:SHINGO SHIBATA [eight peace]
Make-up:MICHIRU for yin and yang
Kimono Dressing:MARI FUJIMOTO
Special Thanks:enso
(& ROSY 2022年8月号)

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Web Edit:FASHION BOX

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