ビフィズス菌と乳酸菌を増やす7つの食習慣|ヨーグルトを摂るなら食後が◎・おすすめの食品など農学博士が伝授

腸活にヨーグルトは食前or食後どっち? ビフィズス菌と乳酸菌を増やす7つの食習慣を農学博士が伝授

「ビフィズス菌」と「乳酸菌」の役割分担/食習慣

“腸活”ブームで耳にすることが多くなったビフィズス菌と乳酸菌。それぞれの菌は食事で増やすことができるのだとか。どんな食生活を送ればいいのか、東北大学名誉教授の齋藤忠夫先生にくわしくお聞きしました。

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ビフィズス菌&乳酸菌を増やす食習慣

ふたつの菌のどちらも増やすのが理想的ですが、それぞれの性質に合った増やし方を知っておけば効率のいい腸活が叶います。そのヒントは、日々の食事のとり方に。

加齢にともなって体内の善玉菌は減少。増やすための食習慣を

ビフィズス菌と乳酸菌を増やす7つの食習慣|ヨーグルトを摂るなら食後が◎・おすすめの食品など農学博士が伝授
腸内細菌に占める善玉・悪玉菌の割合(%)
光岡知足編「腸内フローラとプロバイオティクス」より改変して引用

上のグラフにもあるように、加齢とともに体内の善玉菌は減っていき、逆に悪玉菌が増えていきます。
「老化とともに蠕動(ぜんどう)運動(腸の筋肉が便を押し出す運動)が弱くなること、胃酸や胆汁の量の減少や小腸での酵素活性の低下、そして日常生活でのあらゆるストレスなどがその原因です」と齋藤先生。

ビフィズス菌と乳酸菌を増やす食習慣を積極的に取り入れることで、悪玉菌も減っていき、体のあらゆるリスク回避に役立ちます。

習慣1:乳酸菌を含む食品を摂る【乳酸菌】

ビフィズス菌と乳酸菌を増やす7つの食習慣|ヨーグルトを摂るなら食後が◎・おすすめの食品など農学博士が伝授

乳酸菌を含む食品を摂ることで、腸内に元々いる乳酸菌も増やすことができます。代表的なものが、発酵食品。納豆やみそ、ぬか漬け、キムチ、チーズ、ヨーグルト、塩麹、酒粕、甘酒などを毎日の食事に取り入れてみて。

習慣2:オリゴ糖や食物繊維を含む食品を摂る【ビフィズス菌】

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ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を摂ることが、体内のビフィズス菌を増やす近道です。オリゴ糖はバナナ、キャベツ、玉ねぎ、豆類など、食物繊維は水溶性なら海藻や果物類、大麦、不溶性ならきのこ類やいも類、レタスなどに多く含まれています。

Q:これらの食品をたくさん食べるほどいいの?

A:塩分過多や便秘につながるので食べ過ぎはNG
乳酸菌やビフィズス菌自体は摂り過ぎて悪いということはありませんが、発酵食品には塩分が多いものもあり、不溶性食物繊維は摂り過ぎると便秘、オリゴ糖は摂り過ぎると下痢を引き起こすので適量にとどめて。

習慣3:偏りなくバランスよく食べる【乳酸菌・ビフィズス菌】

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菌の多様性も、腸内環境の改善のためにはとても大切です。菌の種類を増やすために、決まったものばかり食べるのではなく、幅広い食材をバランスよく摂るよう心がけましょう。

習慣4:よく噛んでゆっくり食べる【ビフィズス菌】

食べるのが早い人は、飲み込む空気の量が多いといわれています。それにより大腸下部の酸素量が増え、酸素に弱いビフィズス菌の減少につながります。これを避けるためには時間をかけてゆっくり食べるようにしましょう。

習慣5:ヨーグルトは食後や就寝前に【乳酸菌・ビフィズス菌】

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整腸作用を期待するならば、善玉菌を生きたまま腸に届けるのが◎。なので、ヨーグルトを摂るのは胃酸の殺菌力が弱まる食後がおすすめです。また、小腸の機能は就寝中に活発になるため、免疫力アップのためには夕食後〜就寝2時間くらい前までに摂るのがいいでしょう。

習慣6:間食はほどほどにする【乳酸菌】

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頻繁に間食をすることで小腸が空になる時間が短くなります。それにより腸内で異常発酵が起こりやすくなり、おなかの張りやガス産生の原因となります。これを防いで小腸での乳酸菌を増やすには、食事間の時間を空け、小腸をしっかりと休ませてあげましょう。

習慣7:「一度にたくさん」より「毎日少しずつ」

ビフィズス菌と乳酸菌を増やす7つの食習慣|ヨーグルトを摂るなら食後が◎・おすすめの食品など農学博士が伝授

これらの習慣は継続するのが吉。習慣1や2で紹介した食品も毎日少しずつ摂るのが理想的です。またヨーグルトは同じ種類を1〜2週間摂り続けることで、その菌が自分と相性がいいかどうか判断しやすくなります。

Q:菌が「生きたまま腸に届く」とは?

A:胃酸や胆汁で死滅することなく腸に到達すること
胃酸や胆汁は善玉菌をも死滅させます。ヨーグルトを食後に摂るほか、菌がカプセルに守られているタイプのヨーグルトを選ぶ、胃酸などに負けない強い菌種を選ぶなどすると、生きたまま腸に届く確率が上がり整腸作用が高まります。菌は加熱でも死滅するので注意。

Q:死んでしまった菌でも効果はあるの?

A:抗アレルギー効果や免疫力向上効果はあり

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死滅した善玉菌でも、花粉症やアトピー性皮膚炎の軽減や免疫力アップなどの効果が期待できます。たとえば加熱済みのホットヨーグルトは菌は死滅してしまっていますが、上記のような効果を期待する場合は問題ないでしょう。

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教えてくれたのは……齋藤忠夫先生

ビフィズス菌と乳酸菌を増やす7つの食習慣|ヨーグルトを摂るなら食後が◎・おすすめの食品など農学博士が伝授
齋藤忠夫先生

【PROFILE】
東北大学名誉教授。農学博士。食品科学・応用微生物学を専門とし、同大学大学院農学研究科教授を経て現職。乳業会社での製造および研究分野の経験を持つ。乳酸菌研究および機能性ヨーグルト研究の第一人者。

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取材・文/平井薫子
イラスト/加納徳博
(素敵なあの人 2022年11月号)

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WEB編集/FASHION BOX

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