Hello Femtech
R-45からのセクシャル・エイジングケア
R-45、今こそセクシャル・ウェルネスと向き合う時!
セクシャル・ウェルネスの話題は、関心度は高いのに、同性同士でもなかなか話しにくいテーマ。そんな世間のタブーを乗り越え、植物療法士の森田敦子さん、メイクアップアーティストの早坂香須子さん、モデルのクリス-ウェブ佳子さんが率直に語ります。
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膣のケアは女性としての自信につながる
クリスーウェブ:グウィネス・パルトロウが「セックスと愛とグープ」とか「グープ・ラボ」っていう番組をやっているんですが、すごく赤裸々に性や女性の体のことを番組にしているんですよ。それを見ていると、「私たちは自分の体に対してなんて無知なんだろう」 って思う半面、性の話題って日本ではタブー視されがちだなと。実はとてもポジティブな話題なのに。
早坂:日本って、江戸時代までは性に対しておおらかで、みんなで春画を見て笑うような文化だったのに、いつの間にか隠す文化になってしまって。本当は、官能を感じられるってすごいパワーを持っていること。それを隠しちゃったから、自分たちも教えてもらえず、知らないまま大人になってしまったようなところはありますね。
クリスーウェブ:うちの娘たちは性の話を前向きに聞くし、グウィネスの番組も一緒に見るんですよ。身近でいちばん話ができるのが母親であるべきと思っているので、私は機会があればちゃんと話すようにしています。
森田:すごくいいことですね。セクシャル・ウェルネスっていやらしいとか卑猥な話とかじゃなく、老後の健康とか、総合的な健康の話につながっているんですよ。最近では、日本でも性科学の勉強をちゃんと教えないといけないねって言い始めているくらい。
早坂:私が(森田)敦子さんに植物療法を学んだのは、女性のホルモンバランスが変わるといわれている42歳の時だったんですよ。その時って、すごく忙しくて、いつもイライラしてて、目も乾いてて、人とも目を合わせられない、誰とも会いたくない、自分ってこんなんだったっけ?という感じで。自分の体の変化にも気づけなくて。
クリスーウェブ:ただ忙しいんだ、疲れてるだけなんだみたいな。
早坂:そうそう。ある時、男性とそういう機会があった時に全然濡れなくて、そこで「私、女として終わってる」と。目が乾いてることと自分の膣が乾いてることがつながってないわけ。その時に敦子さんだけが教える特別クラスがあって、這うように通ったんだけど、植物療法を学んでいるのに、授業の半分くらいが性科学の話なの。それが生きる上でいかに大事かということなんだけど。
森田:(早坂)香須ちゃんは、すぐそれを習得して、自分の中で置き換えて、自分の生き方にポジティブに持っていける人。そんな人はなかなかいませんよ。
早坂:いやいや。でも、やっぱり性科学を学び、膣のケアで心まで救われたので、これは他の女性たちにももっと伝えなきゃと思っています。それまではデリケートゾーンは専用のもので洗うとか、脱毛はやってはいたけど、膣の中にオイルを入れるケアまではなかなか時間がかかりました。でも、3ヶ月続けたら肌まで潤ってて。瞳にも力が入って人と目を合わせられるようになったし、膣も自分の力で潤っている。いちばん感動したのは、それが女性としての自信につながったこと。私は死ぬまで女だし、女の看板を下ろすことなんてないんだなって、心の底から思ったんです。
デリケートゾーンの脱毛は1日でも早いほうがいい
クリスーウェブ:デリケートゾーンのケアといえば、最近、男性もVIOの脱毛をしている人が多いと聞きました。女性も脱毛したほうがいいですよね。
森田:絶対にしたほうがいいです。今、人生百年時代というけど、多くの人が、そのうちの13年間は寝たきりですよ。そうなったらオムツでしょう? 陰部洗浄はすごく大変なんです。女性の場合、膣から子宮や内臓が出てしまう「骨盤臓器脱」が起こることもある。介護士さんが同性とは限らないし、不甲斐なさと情けなさで、自己防衛本能で認知症になる。自分ごとではなく、親の介護をする場合だって、デリケートゾーンは脱毛してあったほうが介護は少し楽になります。
早坂:30代で脱毛しましたが、時間が経ってまた生えてくることもあるので、私は定期的にサロンでシュガーリング脱毛(シュガーペーストを使用する脱毛)をしています。白髪でなければ光脱毛もおすすめです。光脱毛は痛みがあまりなく、皮膚の再生効果もあるのでお肌がプリッとします。それと、脱毛した後のスキンケアがとってもおすすめで! デリケートゾーン専用のクリームやオイルをつけた時の染み込み具合が「きてる、きてる」って保湿力を実感できるんです。毛がないと肌の反応がダイレクトにわかり、ケアを続ける原動力にもなりますよ。
森田:デリケートゾーンの脱毛をして、保湿をしているだけで、70代、80代、90代でも膣まわりはプリプリで、子宮脱や内臓脱も起こりにくくなります。最高のエイジングケアということを多くの女性に知ってほしいですね。
セルフプレジャーは粘液を出すトレーニング
森田:デリケートゾーンのケアをすることもそうなんだけど、セルフプレジャーも膣を潤すのにとても大切なことなんですよ。ちょうどGLOW世代は更年期、プレ更年期世代と重なると思うけど、女性ホルモンの影響で、ちょっとしたストレスで精神的にズドーンと落ちる時期でもあるでしょう? そういう時に、クリトリスで快感を得ることが実はすごく大事で。パートナーがいなければ、自分の手でも大丈夫。手が難しかったらセルフプレジャーグッズがあるということを知っておいたほうが絶対にいいじゃない?
クリスーウェブ:自分でオーガズムを感じることで、さらにパートナーともいいセックスができますよね?
森田:そのとおり。女の子は3歳くらいから自分でクリトリスを触り始めるけど、それも大事なことなんですよ。子どものおしゃぶりもそうなんですけど、穴を埋めるのは実は大事。触れることで、ものすごく落ち着いてお昼寝ができる。そういう風にしてトレーニングをしているのね。それを信頼する人に怒られた瞬間に、いやらしくて卑猥なものだと思ってしまう。
クリスーウェブ:私はまさに母に手を叩かれ、背徳行為と思っていました。だから、自分の娘がそういうことをした時に、どう対応すべきだろうと考えながら子育てをしてきたんですよ。結果的に性に関することをオープンに話せる親子関係が築けているんですけど。私は触っちゃいけない、やっちゃいけないって止められてたから、セックスに対して汚いもの、いかがわしいものだと思っていました。
森田:そうなりますよね。叱られた経験のある女性は、それが自己否定につながるし、触れたら罪悪感、男の子と何かあったら罪悪感。でも、本来、女性の体は生理痛や出産、痛みをずっと受けていくじゃないですか。だから、快感を得ることがいかに大事かということなんです。その快感のための臓器がクリトリス。
クリスーウェブ:性器じゃなく、臓器なんですか?
森田:そう、臓器なの。快感はすべてクリトリスから起こるんですよ。オーガズムを感じると、アナンダミドとかβエンドルフィンという脳内麻薬が出て、「いやだな」と思うことがあったとしても、そのストレスはパーンと解消。いやらしいことではないし、認知症の予防にもなる。
早坂:たとえば仕事をして得られる快感、欲しいバッグを買った時の快感、そういう時にバッと得られる快感はアドレナリンで、アナンダミドは性の快感でしか得られないんですよね。すごい仕組み。男性にも女性の体のことを知ってもらって、男性の意識を変えるのも大事だけど、まずは女性たちが性科学や生理学、解剖学などを通して自分の体の仕組みや奇跡に気がつけば、主体性を持ち、簡単に他人に軸を明け渡さないようになるんじゃないかな。自分をより大事に扱いたくなる。それが私にとってのフェムテックでした。
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対談したのは……
森田敦子さん
【PROFILE】
植物療法士。「ルボア フィトテラピースクール」主宰。フランス国立パリ13大学で植物薬理学を学び、帰国後は植物療法に基づいた商品開発を行う。著書に『枯れないからだ』(河出書房新社)など。
早坂香須子さん
【PROFILE】
メイクアップアーティスト。元看護師ならではの医学的知識のほか、植物療法やアロマにも深い知識を持つ。著書に『100%BEAUTY NOTE 早坂香須子の美容A to Z』(KADOKAWA)など。
クリス-ウェブ佳子さん
【PROFILE】
モデル、コラムニスト。2011年から約10年間「VERY」専属モデルとして活動。4年半に渡るニューヨークでの生活や国際結婚により広い視点を持つ。著書に『TRIP with KIDS-こありっぷ-』(講談社)など。
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撮影=目黒智子
ヘア=中井正人
メイク=早坂香須子
取材・文=大橋美貴子
(GLOW 2022年2月号)
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WEB編集=FASHION BOX