「夫のお小遣い」を減らすのはおやめなさい!? その理由とは?

「“夫のお小遣い”を減らすのはおやめなさい」経済ジャーナリスト・荻原博子が全国の妻へ助言する理由

家計のための節約に落とし穴が!?

家計の支出を減らすために役立つのが節約です。「これ以上の節約は無理」という家庭でも、以外と無駄が隠れています。しかし、だからといって真っ先に夫の小遣いを減らすのは得策ではないと語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さんです。宝島社新書『買ったら一生バカを見る金融商品』から、その理由をひもときましょう。

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一向に上がらない夫のお小遣い

新生銀行の「2021年サラリーマンのお小遣い調査」が発表されました。この調査は40年以上続く歴史ある調査で、私は毎年、発表を楽しみにしており、今回、新型コロナウイルスの影響で支出がどう変わったのか、興味深いデータが出ましたので紹介します。

男性会社員のお小遣いは2020年の3万9419円から709円減少して3万8710円となり、東日本大震災のあった2011年と同水準になりました。年代別に見ると、20代が最も高く4万5581円、次いで30代で4万710円となり、ともに4万円を超えていますが、40代と50代は3万円台前半〜半ばと世代間で差が出る結果となりました。子育てや教育費の家計への負担が重い40〜50代のお父さんのお小遣い額は、年々、泣く泣くカットされているのでしょう。

一方、女性会社員のお小遣い額は、2020年より544円上昇し、3万4398円となりました。
男性会社員の昼食代は649円(前年比64円増加)、女性会社員は590円(前年比7円増加)です。ランチもワンコインでは難しい様子がうかがえます。コロナ禍で夜の外食ができない状況なので、せめてランチは外食したいという気持ちはわかります。飲食店を助けるためにも、コロナに配慮しながら、外食でのランチをお願いしたいところです。

コロナ禍による支出変化として、支出が増えたものは「水道光熱費」が男女ともトップ、支出が減ったものは男女共に「旅行代」「飲み代」「ファッション費用」です。ステイホームやテレワークの浸透や外出自粛による影響が特定の支出項目に影響した形です。飲み会に行かないライフスタイルに慣れてしまい、コロナが落ち着いても外食産業の復活は遠いことが懸念されます。

一方、知り合いの編集者は会社の方針で完全テレワークとなり、腰痛防止のためデスクとグレードの高い椅子を奮発して購入したそうなので、コロナで新しい需要も生まれています。実感はありませんが、ニュースによると、2021年3月決算で、業績修正をした上場企業のうち、75.3%が上方修正をしました。2021年は思っていたより儲かったという企業が多い様子がうかがえます。

これらのデータとあなたのお小遣いを見比べて、どのような感想を持ったでしょうか。

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夫のお小遣いを減らすより先にやることがある

それにしても、サラリーマンのお小遣いの額は、デフレに比例し、数十年一向に上昇に転じません。「デフレで給料が上がらないし、物価も下がっているからといって、小遣いまで下げるなよ」という夫の嘆きが聞こえてくるようです。

家計が赤字だと節約にも力が入るところでしょうが、いきなり夫のお小遣いカットはやめましょう。
「家計が赤字だから、あなたの小遣いを減らします」と言われとたん、家計に協力しようという気が失せる夫も少なくありません。
むしろ「家計は赤字だけれど、あなたの小遣いは削りたくない」と言う。家族に対して責任感が強い夫は少なくなく、赤字と聞いたらなんとかしなくてはならないと思う人が多い。そして、「あなたの小遣いは削りたくない」という言葉に妻の愛情を感じれば、「よし、なんとかしよう」と思ってくれるかもしれません。
こうして、夫に奮起してもらう。

なぜなら家計を健全に保つためには、夫婦の協力が不可欠だからです。結婚当初はぴたりと合っていたお金に対する価値観が徐々にズレてくると、夫婦間に亀裂が生じ、そのうちお互いのお金の使い方や行動を非難し合うようになって、円満な家庭を築くことができず、やがては離婚!? ――これは大げさな話ではありません。

無駄な保険の見直しやスマホを格安キャリアに乗り換えるだけで、夫のお小遣いを減らさなくても済みます。お互いの趣味の出費は、相談して納得すれば少しは減らせるかもしれません。

また、ご縁を大切にするための交際費カットもやめたほうがよいでしょう。「遠くの親戚より近くの他人」とはよくいったもので、困ったときに助け合える人間関係を作っておくことが大切なのは、これまでの人生経験からもわかるはずです。

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教えてくれたのは……

「“夫のお小遣い”を減らすのはおやめなさい」経済ジャーナリスト・荻原博子が全国の妻へ助言する理由

PROFILE/荻原博子さん(おぎわら ひろこ)

1954年、長野県生まれ。経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経てフリーの経済ジャーナリストとして独立。テレビ、新聞、雑誌でレギュラーや連載を多数持ち、生活者の視点から、難しい経済と複雑なお金の仕組みをわかりやすく解説。デフレ経済の長期化を予測し、借金返済の必要性を説き続ける。近著に『私たちはなぜこんなに貧しくなったのか』(文藝春秋)、『50代で決める! 最強の「お金」戦略』(NHK出版新書)、『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』(毎日新聞出版)、『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)など、著書多数。

(抜粋)

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著者:荻原博子

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写真:伊藤 幹
編集:坂本君子、生島典子

 

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Web 編集:FASHION BOX

 

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