どう付き合っていくのが正解? 「働く私と生理痛」

どう付き合っていくのが正解? 「働く私と生理痛」

生理痛で仕事のパフォーマンスが低下するという女性は少なくなく、生理休暇が必要となるケースも。「痛みさえなければ……」。そんなアラサーのための脱・生理痛術をご紹介します。

 

教えてくれたのは……予防医療栄養コンサルタント 細川モモさん

【PROFILE】

女性のヘルスリテラシー向上を理念に、大規模調査などにより女性の健康を支える社会環境づくりに取り組む。近著に『疲れと不調にサヨナラ!体と心がラクになる鉄分貯金』(KADOKAWA)。

 

ベストな食&生活習慣を見つければカラダがどんどん楽になる!

生理とは切っても切り離せない生理痛とPMS(月経前症候群)。細川さんによると「女性の約72%が生理痛を感じ、このうちの31%は痛み止めの服用が欠かせないほどの痛みを抱えている」そう。PMSに至っては女性の約96%が感じているとか。そして生理痛もPMSもどちらも感じないという女性はわずか2.5%だと言います。

「多くの女性が生理痛やPMSに悩まされていますが、これらが起こる原因は様々です。生理痛の場合、出産すると子宮頚管が拡がるので出産未経験のほうが生理痛は起こりやすかったり、そもそもの経血の量が多く子宮に圧力がかかって痛みがでやすかったり、子宮の構造的な問題や遺伝的要因などもあります。アラサー世代の働く女性では、ストレス、偏った食事、不規則な生活などで痛みの原因となる物質が増えてしまう生活習慣が原因の生理痛も目立ちます。またPMSは女性ホルモンのアンバランスがあると考えられていますが、それにも生活習慣や食事が影響します」(細川モモさん、以下同)

毎日忙しく働く女性は自ら生理痛を悪化させているのかも。次頁からの食事や生活習慣を参考に見直せば、自分で生理痛を和らげることができそう。

 

“生理痛”の痛みのしくみはこうなっていた!

【生理前】妊娠に備えて受精卵が着床する場所である子宮内膜が1cmほどに厚くなる

そもそも生理とは不要になった子宮内膜を排出すること。子宮内膜は言わば、卵子を育てるためのベッドで、生理後から徐々に厚くなり、排卵日直前には1㎝ほどになる。

【生理中】受精しなかった場合、準備した子宮内膜はいらなくなりはがれ落ちて排出される

はがれ落ちた子宮内膜はドロッとした血液の塊で、子宮と膣をつなぐ子宮頚管に押し出されるが子宮頚管は細いため子宮を強く収縮して排出。この収縮で起こる痛みが生理痛。

痛みの原因は……悪玉プロスタグランジン

子宮頚管に血液を押し出すために子宮を収縮させる指令を出すのが「悪玉プロスタグランジン」という物質。これ自体が痛み物質でもあるため多く分泌されると痛みが増幅。ドロドロ血液で子宮頚管を通りにくくても痛みが。

生理痛を軽くするには……

・必要以上に悪玉プロスタグランジンを分泌させない

・血液をサラサラにして巡りをよくする

 

次回は生理がラクになるヒントをご紹介!

Illustration_HIROKO ZAMA

text_AYAKO SHIRAKURA

(SPRiNG2023年5月号)

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