40代、そろそろやって来る更年期。急な体調不良やイライラに襲われて、体も心も思い通りにならなくなると聞いたら、途方もなく不安になってしまいますよね。
そんな更年期を迎えることに漠然と不安を感じている女性たちに、ぜひ読んでほしい一冊が『私の生理のしまい方』です。
『私の生理のしまい方』(KADOKAWA/原 あいみ・関口由紀)¥1,540
イラストレーターの原 あいみさんが、40~60代の女性を取材し、それぞれの「40代からの心身の変化」や「生理の終わり」を漫画でレポート。さらに、女性医療クリニックの関口由紀先生監修のもと、医学的な観点から閉経や女性ホルモンによる不調、エイジングケアなどについてわかりやすく解説されたコラムも掲載しています。
本書に掲載されている漫画では、40代からの女性の不調や生活への影響をリアルに描いているだけに、更年期世代の著者・原さんも執筆中に不安が大きくなってしまったこともあったそう。しかし、「更年期が終わったら、その後はハッピーしかない」という関口先生の言葉に、希望を見出しています。
更年期を乗り越えて、自分らしさを取り戻すヒントがたくさん
漫画に登場する女性たちも、それぞれの方法で更年期を乗り越えて、自分らしさを取り戻していきます。
PR会社に勤める55歳のともこさんは、49歳の時に不調を感じ始めました。
閉経後に起きやすい骨粗しょう症による「変形性膝関節症」を発症し、脚がゾウのようにパンパンにむくんで歩くのもやっとな生活に。体力勝負のPR業界で自分にしかできない仕事をすることにやりがいを感じていたのに、療養のために仕事を後輩に譲ることになり、自信を失ってしまいます。
あっけらかんとした明るい性格だったはずが、どうしても切り替えられず、ふさぎ込んでいたともこさん。そんなともこさんを、友人がスマホを使った「街歩きゲーム」イベントに連れ出してくれます。
ゲームに没頭する間は、ほかのことを考えなくてよいと気づき、それがストレス発散になっていきます。そのことをきっかけに、ホテルを予約してとことん読書をする日をつくるなど、「自分の機嫌を自分で取る方法」を身につけていったのです。
ともこさんのエピソードだけでなく、掲載されている漫画の心理描写はどれもリアルで、共感できるものばかり。
感情がジェットコースターのようになり夫に八つ当たりしてしまった51歳のしょうこさんや、セックスレスになった53歳のマナミさんがトキメキを取り戻す話など、9人の「先輩たち」が葛藤を経て乗り越えていく様子の中には、読者のあなた自身の更年期を、自分を更新するための時期として前向きに過ごす力になるヒントがあるはずです。
やさしい言葉で綴られた医療コラムが、自分の体を知るきっかけに
不安や不調はどうやって起こるのか、どのような対策をすればよいかについて、医師が解説しているのも本書の特徴。関口先生に原さんが質問する会話形式で進み、関口先生が素朴な疑問にもやさしく、わかりやすく答えてくれます。
本書を読み終わるころには、きっと40代以降の自分との付き合い方をイメージできるようになるはず。これからの人生をご機嫌に、楽しんで過ごすためにも、漠然とした不安は本書で解消しておくのはいかがでしょうか?
文=リンネル編集部