毎日を穏やかに過ごすには、悩みやストレスに振り回されないよう、上手にリセットすることが大切。いつもご機嫌な自分でいるためのヒントを、マインドフルネスの専門家に教わりました。
マインドフルネスは心と体をリセットし、健やかに保つための方法として、いま注目を集めています。日常生活の中で気軽に始められる“小さなリセット方法”を紹介します。
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教えてくれたのは……
荻野淳也さん
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事。著書に『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すきま時間で始めるマインドフルネス』(文響社)。
呼吸に集中することで雑念が消えて心がクリアに
仕事のこと、人間関係のこと……私たちの心は、絶えずさまざまな考えで占められています。そうした雑念を手放し、心をリセットするために効果的なのが、“今、この瞬間”に意識を向けた状態を指す「マインドフルネス」です。マインドフルネスの実践法や効果を伝えている荻野淳也さんによると、呼吸や体の感覚に意識を集中させることで雑念が減り、ネガティブな感情も消えていくのだそう。
「マインドフルネスというと、瞑想を連想する人も多いのですが、日常生活の中でもマインドフルネスな状態をめざすことは可能。毎日続けていけば、ひと呼吸で心をリセットできるようになります」
そうした日々のリセットに加えて、「根本的な心のあり方もリセットすることが大切」と荻野さん。
「心が苦しくなる原因は『ねばならない』『こうすべき』といった考えで、無意識に自分を縛っていること。それらを手放し、あるがままの自分を受け入れることで、不安や焦りから心が解放されますよ」
出典:『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すきま時間で始めるマインドフルネス』(文響社)
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マインドフルネスって何?
自己評価や判断を手放すことが大切
マインドフルネスをめざすうえで大切なのは、「自己評価や判断をしない」こと。「私はダメだなあ」「もっとがんばらなきゃ」といった感情を手放し、あるがままの状態を受け入れることで、心をリセットでき、落ち着きを取り戻せます。
マインドフルネス=瞑想ではない
マインドフルネスとは、「今この瞬間」に注意を向けた状態を指す言葉。瞑想と混同している人も多いのですが、瞑想はあくまでもマインドフルネスに至る手段。歩いたり、食べたりしながらマインドフルネスをめざす方法もあります。
継続することで意識が変わっていく
マインドフルネスを始めても、最初のうちはなかなか集中できなかったり、変化を感じられないかもしれません。まずは30秒、それができたら1分、次は5分……と継続していくことで、自分の意識が変わっていくのを感じられるはず。
今ここに集中する「注意力の筋トレ」
私たちの脳は絶えず情報にさらされていて、つい意識が散漫になりがち。マインドフルネスは、散漫な意識を集中させる「注意力の筋トレ」でもあります。「今」に集中できるようになれば、雑念が消え、心がクリアになるはず。
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まず、基本の姿勢と呼吸をやってみる
【基本の姿勢】
[STEP 1] 椅子に腰掛けて骨盤を立て、地面に足裏が着いていることを意識する。
[STEP 2] 背骨がまっすぐに伸びるイメージで背筋を伸ばし、肩を3~4回まわす。
[STEP 3] 両手を膝の上にのせる。
[STEP 4] 目を閉じるか半眼になって、ゆったり構える。
【基本の呼吸】
基本は腹式呼吸!リラックスしながら行って
基本的に、呼吸は鼻から吸って鼻から吐き出す。吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにお腹がへこむ腹式呼吸でゆったり行うこと。ただし厳密な決まりはないので、自分がリラックスできる呼吸をくり返すこと。座ったときに背中が痛くなる人はクッションなどを背中に当てて、落ち着いて呼吸に集中できる体勢を見つけて。
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illustration_Miho Terashita
text_Hanae Kudo
edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
(リンネル 2019年9月号)
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