運動不足を解消したいと思っているけど、ハードな運動は嫌だな……。そんなことを考えている方も多いのではないでしょうか。渡辺淳也先生が“ながら”でもできる簡単な屈伸運動を教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
渡辺 淳也(わたなべ あつや)
医学博士。東千葉メディカルセンターリハビリテーション科部長。千葉大学大学院医学研究院総合医科学講座特任教授。専門は膝関節外科学、スポーツ医学、画像診断学、リハビリテーション医学。日本整形外科学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本体育協会認定スポーツ医。著書に『渡辺式ソフト屈伸でひざ痛が消える!』(宝島社)など。
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ひざに痛みを感じ始めたとき、ひざをかばってなるべく曲げ伸ばしを行わないように動いていませんか。実は、曲げ伸ばしをまったく行わないのもひざにとってよくないのです。
ひざを動かさない生活が続くと、ひざまわりの血流が低下します。すると、ひざの軟骨成分である「プロテオグリカン」の栄養源が減少するため、プロテオグリカン自体も減少してしまうのです。しかし、プロテオグリカンは減りっぱなしというわけではありません。適度な運動によって増やすことができるのです。
渡辺式ぶらぶら屈伸で筋力アップ
ひざに痛みがあっても、プロテオグリカンを減少させないようにできる運動が「渡辺式ソフト屈伸」です。ソフト屈伸は言葉の通り、ひざを軽く曲げ伸ばしする動作で、歩き出しや立ち上がりのタイミングで痛みを感じる軽症のひざ痛の人に特におすすめの体操です。
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1:右足を軽く上げぶらぶらさせる
椅子にひざを少し広げて座り、足裏をしっかりつけます。その後右足を少し上げてひざから下をぶらぶらさせるように曲げ伸ばしをします。計10回ほど揺らしましょう。立った状態でのひざの曲げ伸ばしができない人でも気軽に行えます。
2:左足を軽く上げぶらぶらさせる
左足も同様に、ひざから下をぶらぶらと揺らして曲げ伸ばしを行います。こちらも10回ほど行います。不安定な人は椅子を持って支えにしましょう。
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NG例:足を高く上げすぎてはダメ
足を高く上げすぎると、ひざへの負担が大きくなり、かえって痛みを引き起こす可能性があります。足はあくまでぶらぶらと揺らせる程度まで上げましょう。
ひざが痛いほうの足だけでもOK
片足10回ずつ、1日に何度やっても大丈夫ですが、片足しかひざ痛がない場合は、痛むほうだけ行えばOKです。ソフト屈伸を行ってさらに痛みが増した場合は、すぐに休むことが大切です。痛みが改善された場合は、立った状態でのソフト屈伸に切り替えましょう。
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渡辺式ぶらぶら屈伸でいいことずくめ
プロテオグリカンは軽い刺激によって減少スピードを遅らせることができ、ひざを軽く曲げ伸ばしするだけでも十分な効果が得られます。大きな動きでもないので、仕事や家事などのちょっとした時間に行えます。
ひざ痛がひどくない、または予防のためにソフト屈伸を行う場合は、ソフト屈伸のしくみを取り入れた「小分け歩き」もおすすめです。1回10分、ひざではなく太ももを高く上げるよう意識しながら、大股で歩くようにしましょう。1日3回行えば、ひざ痛の予防になるだけでなく筋力アップトレーニングにもなります。
(抜粋)
TJ MOOK『ズボラでも運動不足を解消できる本』
https://tkj.jp/book/?cd=TD296146
監修:飯田 潔、板倉弘重、工藤孝文、木野村朱美、渡辺淳也
編集・ライティング/矢作美和、古里文香、茂木理佳、川上 萌、千葉琴莉、相澤美沙音(バブーン)
イラスト/藤井昌子
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『ズボラでも運動不足を解消できる本』)
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