「瀬戸内国際芸術祭2019」に沸くアートの聖地・香川県。
瀬戸内海の多島美をはじめ、絵画のように美しい景色が広がる香川に「はまじ」こと浜島直子さんと出かけてきました。
【Profile】
浜島直子
1976年生まれ、北海道出身。「はまじ」の愛称で親しまれる人気モデル。母になってもセンスのよいライフスタイルが支持され、女性誌、テレビ、ラジオなどで活躍。インスタグラム「@hamaji_0912」はフォロワー9万人超。
見るものすべてが絵になる瀬戸内・香川の旅
3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2019」秋会期が、まもなくスタートする香川県。羽田空港から約1時間でアクセスできる香川には、瀬戸内海の多島美やスローな島時間など、ここでしか出会えない美しい非日常が広がっています。
まずはまじさんが向かったのはインスタで話題の「父母ヶ浜」。潮が引いた砂浜にはあちこちに潮だまり(=海水が取り残された凹み部分)ができ、その海面には鏡のように天空が映し出されます。干潮時に海辺で撮った写真を見て「海の上を歩いているみたい!」と、子どもに戻ったような笑顔を浮かべるはまじさん。ビーチで食べたかき氷もいい思い出となりました。船で出かけた島巡りでは、ローカルの猫たちのダイナミックなジャンプに歓声をあげ、海カフェでは窓越しの絶景をパチリ。
思わず撮りたくなるアートのような景色との出会いは、感性まで豊かにしてくれそうです。
日本のウユニ塩湖!?
父母ヶ浜(ちちぶがはま)
三豊市の父母ヶ浜は約1kmのロングビーチ。南米ボリビア「ウユニ塩湖」のような写真が撮れるとSNSで話題に。撮影は風が凪(な)いで幻想的な水鏡の写真の撮れる夕方の干潮時がおすすめ。ビーチ沿いにはジューススタンドやビーチハウスなど、素敵なお店もオープンしています。
【data】
住所:香川県三豊市仁尾町仁尾乙203-3 付近
TEL:0875-56-5880(三豊市観光交流局)
《寄り道スポット》
天然こうぼぱん とことこ
地元産果物から酵母をおこす、自家製酵母のパン屋。添加物、卵、バター、牛乳不使用で、素材の味が楽しめます。子どもにも食べさせたい美味しさ。
【data】
住所:香川県三豊市高瀬町新名松下757-2
TEL:0875-72-5056
営業時間:10:00~18:00
休み:日、月
http://tokotokopan.shop
《寄り道スポット》
KAKIGORI CAFE ひむろ
地産地消氷がコンセプトの、三豊産果実シロップを使ったかき氷店。眼前には父母ヶ浜のオーシャンビューが広がります。夏の土日は最大2時間待ちの人気店でテイクアウトOK。
【data】
住所:香川県三豊市仁尾町仁尾乙202
TEL:0875-82-2101
営業時間:11:00~18:00(夏季は異なる場合あり。11月~2月は~17:00)
休み:月、火(祝日の場合は翌日休)
https://www.facebook.com/kakigori.himuro
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驚きの金運スポット
銭形砂絵「寛永通宝」(ぜにがたすなえ かんえいつうほう)
観音寺市にある寛永通宝は、有明浜に描かれた東西122m、南北90m、周囲345mの壮大な銭形砂絵。寛永10年、藩主を迎えるため一夜で作ったという逸話があり、地元では金運パワースポットとしても知られています。
【data】
住所:香川県観音寺市有明町甲4025-1
TEL:0875-24-2150(観音寺市観光協会)
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「猫の島」で知られる
佐柳島(さなぎじま)
「島民より猫のほうが多い」といわれる佐柳島。海沿いの堤防をジャンプする島の猫が写真集やSNSで話題を呼び、猫好きたちの聖地に。佐柳島へのアクセスは、多度津港よりフェリーで小一時間。船旅気分も味わえます。
《寄り道スポット》
ネコノシマホステル+喫茶ネコノシマ
元小学校だった木造廃校舎をリノベーションしてオープンした、佐柳島唯一のゲストハウス&カフェ。カフェは、宿泊客以外も利用できます。
【data】
住所:香川県仲多度郡多度津町佐柳1353
TEL:0877-35-3505
営業時間:ホステルIN17:00〜OUT翌10:00、喫茶9:00〜17:00(ランチは11:30〜)
休み:火
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今週末スタート!
瀬戸内国際芸術祭の秋会期会場
本島(ほんじま)
古くは水軍の本拠地として栄えた本島は、丸亀港からフェリーで約35分。「瀬戸内国際芸術祭2019」秋会期(9/28〜11/4)の会場のひとつで、木造船を作った塩飽(しわく)大工にちなんだ作品などを展示。アートな島旅が楽しめます。
また島内の笠島エリアは、伝統的まち並み保存地区。1本路地を入ると、まるでタイムスリップしたかのような景色が広がります。
Title: 善根湯(ぜんこんゆ)×版築(はんちく)プロジェクト
Author: 齊藤正×続・塩飽大工衆
高さ8mの塔などを備えた建物。かつての塩飽諸島には優秀な船大工が多く、江戸中期以降には宮大工や家大工となりました。船大工の存在を風化させないために、「続・塩飽大工衆」として建設された作品です。
Title: 漆喰・鏝絵(こてえ) かんばんプロジェクト
Author: 村尾かずこ
島の人から聞いた言い伝えや昔話、島に活気があふれていた時代のエピソードを調査し、図案化。絵看板にして、島内の店や民家の軒先に設置した作品群です。
Title: Vertrek「出航」
Author: 石井 章
日本で初めて太平洋を往復した咸臨丸(かんりんまる)には、塩飽諸島出身の船員が多く乗船していました。往年の航海を思わせる、帆を上げて宙に浮く咸臨丸の鋼の彫刻。
《寄り道スポット》
Honjima Stand
北欧インテリアショップ「CONNECT」が手がける、島カフェ&ビアスタンド。以前は定食屋だったところをリノベーションし、島民&観光客の新たな拠点として2018年にオープン。北欧家庭料理や地元のクラフトビールなどが楽しめます。
【data】
住所:香川県丸亀市本島町泊494-16
TEL:070-2301-5862
営業時間:11:30〜16:30(芸術祭期間中は9:30〜17:00)
休み:水、木(芸術祭期間中は木曜のみ休)
https://honjima-stand.com
《COLUMN》
うどん県副知事 要 潤さんが見た
『絵になるけん、うどん県』
香川県の観光プロモーション「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクト。
今年のテーマ、絵になる「自然」について俳優・要潤さんに聞きました。
【Profile】
要 潤(かなめ じゅん)
1981年生まれ、香川県三豊市出身。「仮面ライダーアギト」でデビュー。以来、ドラマ、映画、CMなど多方面で活躍中。近年は連続テレビ小説『まんぷく』や映画『キングダム』に出演。2011年に「うどん県副知事」に就任し、香川県の広報活動に携わっている。
あたりまえの日常の風景が
絵になるのが香川県の魅力
今年で「うどん県副知事」になり9年目の要潤さんは、「絵になるけん、うどん県」PR映像のなかで、スケッチブックを片手に香川の自然豊かな景色を巡っています。今回撮影で初めて訪れたという絶景スポットに心を動かされたそう。
「高屋神社は、長く急な石段を上るのが大変ですが、頂上の本宮の鳥居をくぐり振り返ると、眼下に絶景が広がっているんです。香川は讃岐平野が広がっており高い位置から景色が見える場所が少ないので、『こんないいところがあったのか』と改めて知りました。大自然が作り出した珍しい地質のランプロファイヤは、干潮時にだけ近くから見ることができて、海沿いに現れる幻想的な風景だと感じました」
要さんが子どもの頃、海水浴をしていた三豊市にある父母ヶ浜は今や「インスタ映え」スポットとして人気の観光地になりつつあります。
「自分にとっては日常の風景だったので、まさか若い人がこんなに集まる場所になるとは(笑)。人の手が入っていない自然が多いのも香川の魅力のひとつなのかもしれませんね。全国的に見てもこんな絵になる自然豊かなところはあまりないと思います」
要さんが選ぶ一番絵になるスポットを聞くと、地元三豊市の名所をもうひとつ教えてくれました。
「津嶋神社という、本殿が海の沖にある神社があります。夏のお祭りのときに、250mある桟橋を渡って本殿にお参りしていた思い出がありますが、大人になってから地元に帰ってみると『こういう景色も珍しいな』と気づかされました」
これまでの「うどん県副知事」のPR活動を通じて、自身の故郷の魅力を再発見してきたそう。
「時代とともに注目される場所も変わりますし、『灯台もと暗し』というか地元の人だと気づかない場所が人気になることも。今はSNSの効果も大きいですし、訪れた人にどんどん新しい香川の景色を見つけてもらえたらうれしいです」
高屋神社
標高404mの稲積山の頂上に本宮がある神社。『天空の鳥居』として知られる本宮の鳥居越しに、麓の観音寺の町や瀬戸内海を一望できます。
【data】
住所:香川県観音寺市高屋町2800
ランプロファイヤ
白色の花こう岩にできた割れ目に、黒色のランプロファイアが流れ込み、縞模様ができた珍しい岩脈で、国指定の天然記念物となっています。
【data】
住所:香川県東かがわ市松原1400付近
TEL:0879-26-1276(東かがわ市観光協会)
☆要 潤さん出演「絵になるけん、うどん県」プロモーション動画もCHECK!
【お問い合わせ先】
公益社団法人 香川県観光協会
model: Naoko Hamajima
photograph: Wakana Ono
styling: Kana Sato
hair & make-up: Miyuki Yoshioka
text: Aya Murakami
illustration: Miho Terashita
(リンネル2019年11月号)
(提供:公益社団法人 香川県観光協会)