みなさんは「アジェンダ」という言葉をご存じですか? ビジネスシーンでもよく使われる「アジェンダ」ですが、「ちゃんと説明ができない」という方も少なくないはず。また、「レジュメ」もアジェンダ同様に使われていますが、その違いがわからない方もいるでしょう。そこでこの記事では、アジェンダとレジュメ、それぞれの意味や違いなどを徹底的に解説。さらに、アジェンダの使われ方や作り方、アジェンダのメリットもご紹介していきます。
≪目次≫●アジェンダとは?
●レジュメとは?
●アジェンダとレジュメの違い
●アジェンダの使われ方のご紹介
○会議の予定表として
○検討課題の資料として
○プレゼンテーションのときにも
○議事録のベースにも有用
●アジェンダの作り方
○目的を明確にする
○議題を整理する
○各議題の順番や時間配分を決める
○わかりやすくまとめる
○事前に参加者と会議内容を共有しておく
●アジェンダを作るメリット
○参加者が余裕を持って会議に臨むことができる
○会議のシミュレーションができる
○参加者の意思疎通が図れる
○効率よく会議を進められる
○議事録が作りやすくなる
●アジェンダの質が、会議の質になる!
アジェンダとは?
まずは、アジェンダの意味を解説していきましょう。三省堂 大辞林 第三版(weblio辞書)によれば、以下のように説明されています。
①実施すべき計画。行動計画。特に、国際的な取り組みについての行動計画。
②議事日程。議題。
アジェンダ(agenda)とは「予定表」「議題」「議事日程」などを指す言葉です。他にも「行動すべき計画」「取り組むべき検討課題」を意味します。その用途や状況によって、さまざまな意味を持つようです。
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レジュメとは?
次にレジュメです。三省堂 大辞林 第三版(weblio辞書)によると、以下のように説明されています。
〔要約の意。レジメとも〕
①論文の内容などを簡潔にまとめたもの。
②講義やゼミナールで、発表者が参加者に配布する、発表内容を簡潔に記したもの。
語源がフランス語のレジュメ(résumé)は、レジメともいわれます。「要約」「概略」を意味し、論文の内容や講演会・ゼミなどの発表内容を簡単にまとめた資料のことです。またアメリカ英語でレジュメ(resume)というと、履歴書のことを指します。
アジェンダとレジュメの違い
アジェンダとレジュメの違いとは、どのようなものなのでしょうか?
アジェンダとは、会議やミーティングの参加者に配られる予定表のようなものです。この場で話し合うべき議題や解決すべき問題などが記されており、参加者全員がそれらを共有し、会議やミーティングが有意義なものとなるよう、アジェンダに沿って進行していきます。
それに対し、レジュメは、講演会や発表会などの視聴者に配られる資料のようなものです。登壇者がこれから話す・発表する内容がまとめられており、視聴者はレジュメでその概要を事前にインプットしておくことで、登壇者の話をより深く理解する準備を整えることができます。この違いを正確に把握し、きちんと使いわけるようにしましょう。
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アジェンダの使われ方のご紹介
会議やミーティングなどに欠かせないアジェンダは、どのようにして使われているのでしょうか? ここでは、ビジネスシーンで活用されるアジェンダの使われ方をご紹介します。
会議の予定表として
アジェンダが最も使われる場面といえば、会議やミーティングではないでしょうか。それらのタイムスケジュールや議題などを記載した予定表、または進行表のようなものとして使われています。
検討課題の資料として
社内の検討すべき課題の資料を指して、アジェンダという言葉が使われることもあります。参加者同士で議論が必要とされる課題をより詳細に記したものであり、予定表や進行表よりも、より具体的な内容が盛り込まれています。
プレゼンテーションのときにも
アジェンダは、プレゼンテーション時の配布資料としても有用です。プレゼンの際のアジェンダには、プレゼン資料の目次が記載されていることが多いでしょう。参加者にアジェンダを配布して、プレゼンの流れを理解してもらうことで、その内容をよりわかりやすく伝えることができます。
議事録のベースにも有用
会議やミーティングの進行ツールとして役に立つアジェンダですが、その議事録のベースとしても重宝されています。会議やミーティングでの決定事項や、再検討が必要な課題、新たに見つかった問題などをまとめた議事録は、会議後すぐに提出しなければ意味がありません。時間との勝負になる議事録作成において、進行表や議題内容などが記載されているアジェンダは、時短につながる有用なアイテムなのです。
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アジェンダの作り方
ビジネスシーンにおいて、会議の進行を左右するともいわれる重要なアジェンダ。会議を実りあるものにするためにも、良質なアジェンダを作成する必要があるでしょう。ここでは、アジェンダの作り方をレクチャーします。
目的を明確にする
アジェンダでは、会議やミーティングの目的を明確にしておきましょう。進行の指針となるアジェンダに目的が記されていなければ、会議がまとまりのない内容になってしまうこともあります。まずは、会議の目的をきちんと理解・把握してから、アジェンダの作成に取りかかってください。
議題を整理する
アジェンダを作るときに、会議の議題を整理しておくことも大切なポイントになってきます。「どれだけの議題があるのか?」「あの議題はこの会議で話し合うべきなのか?」など、会議で検討すべき課題をある程度精査して、参加者の顔ぶれも考慮しながらまとめるようにしてください。
各議題の順番や時間配分を決める
「どの議題が最優先事項なのか?」「どれくらいの時間をかけるべきなのか?」といったように、議題の順番や時間配分も会議を成功させるための重要なカギです。会議を予定時間内で終わらせるように、議題に優先順位とメリハリをつけてアジェンダを構成してください。
わかりやすくまとめる
目を通しやすい内容であることも、アジェンダ作成のポイントに挙げられます。参加者の誰が見てもわかりやすくまとめられていれば、会議を中断することなくスムーズに議論を進行できるでしょう。
事前に参加者と会議内容を共有しておく
アジェンダが完成したら、参加者と会議の内容を事前に共有しておきましょう。各参加者に、それぞれの役割や話し合うべき議題、時間配分などの詳細を確認してもらうことが大切です。
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アジェンダを作るメリット
ここでは、アジェンダを作るメリットをご紹介します。アジェンダは、会議中はもちろんのこと、会議前や会議後にもさまざま利点をもたらす、とても有用なアイテムなのです。
参加者が余裕を持って会議に臨むことができる
会議の数日前に配布されることの多いアジェンダ。事前にアジェンダを確認することにより、参加者は余裕を持って会議用の資料を準備することができます。また、アジェンダが会議の直前に配られることもありますが、少なくとも2~3日前までには参加者に共有しておいたほうがいいでしょう。
会議のシミュレーションができる
事前に共有されたアジェンダをもとに、司会進行役が会議のシミュレーションを行うこともできます。議題内容や時間配分、何かしらの見落としがないかなど、会議の前に内容の細かいチェックが可能です。
参加者の意思疎通が図れる
参加者の意思疎通が図れることもアジェンダを作るメリットのひとつです。会議の目的や検討すべき議題など、アジェンダが明確であれば、参加者の目線をひとつに合わせ、建設的な議論がはじめられます。
効率よく会議を進められる
アジェンダを作る最大のメリットは、効率よく会議を進められることでしょう。話し合うべき議題やその時間配分が決まっているため、議論の方向性を見失うことがありません。有意義な判断や指針を導くという会議のゴールを目指し、無駄のない議論を交わすことができるでしょう。
議事録が作りやすくなる
会議終了後に作成する議事録は、鮮度が命。まさに時間との戦いです。しかし、アジェンダがあれば、そこに議論内容や決議事項などを書き込むことができます。ワードやエクセルなどで作成したアジェンダの元データがあれば、会議中に議事録を作成することも可能です。
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アジェンダの質が、会議の質になる!
アジェンダは会議やミーティングの予定表・進行表、レジュメは講演会などの発表内容をまとめた資料。この違いを理解していれば、大事な場面で恥ずかしい思いをすることもなくなりそうです。また、アジェンダは、さまざまな場面で活用され、その意味合いも多岐にわたるため、上司からアジェンダの準備を指示された場合、その用途を正確に理解・把握しておく必要があります。せっかく作ったアジェンダが、会議で活かされないようでは意味がありません。大事な会議を成功させるためにも、明確で良質なアジェンダを作るように取り組んでいきましょう。
編集/FASHION BOX
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