立ち振る舞いや言葉づかいで印象が大きく変わるビジネスマナー。正しい言葉を使っているつもりでも、実はその言葉が間違っている場合もあります。ビジネスマナーの基本を学びましょう。
《目次》
言葉づかいはビジネスマナーの基本
※本記事は2019年3月12日に初掲載されました
使う言葉を変えるだけで、仕事も対人関係もうまくいくと感じる人は多いもの。大人女子ならば正しい敬語や言葉づかいを身につけて、周りの人たちに素敵な印象を与えましょう。
教えてくださったのはこの方……
マナーコンサルタント
西出ひろ子さん
国内外の大手企業のコーチングやマナー指導を行う。女優やタレントのマナーも指導、人生を好転させる生き方を指南。『運命を味方につけるプリンセスマナー』(河出書房新社)ほか、著書は累計100万部を超える。
間違いやすい言葉を正しく使いましょう
(1) × いただいてください→ ◎ 召し上がってください
「いただく」は自分がへりくだる謙譲語なので相手には使わない。「召し上がる」に“お”をつけるのも二重敬語で×。
(2) × 了解です→ ◎ 承知しました
「了解」は目下の人に使う言葉のため、上司など目上の人には使わないように。「かしこまりました」でもよい。
(3) × 役不足→ ◎ 力不足
役不足は、力量に対して与えられた役割が不足なことを表す表現。つまり「私には簡単です」という真逆の意味になってしまう。
(4) × 大丈夫です→ ◎ 問題ありません
色々な意味を持つ「大丈夫」は、ビジネスシーンでは避けるべき。返事もあいまいになり、返答がどちらかわかりづらい。
(5) × お名前頂戴できますか?→ ◎ お名前をお伺いできますか?
直訳すると「名前をもらう」という意味になり正しい使い方ではない。正解は「お名前を教えていただけますか?」など。
(6) × なるほど→ ◎ おっしゃる通りです
間違いではないが、上から目線の口調と受け取られる恐れがあるためビジネスシーンで使わない方が賢明。
☆続きは「印象が変わる! プロ解説の今すぐ使える美しい言葉づかい」でチェック
取材・文=前川亜紀
イラスト=平松昭子
(InRed 2019年3月号)
【オススメ記事】
ビジネス以外でも使える! 丁寧な断り方の言い回し
ちゃんと知ってる? 大人ならおさえておくべき日常のマナー解説
上司に相談する時のビジネスマナー
※本記事は2018年5月20日に初掲載されました
いまや携帯電話やLINEなどで気軽にメッセージを送れる時代ですが、ビジネスシーンにおいては、改まった言い回しや敬語が求められます。
(1)上司に相談をしたいとき
×「相談したいことがあります」
○「ご相談したいことがあります」
実はどちらとも間違っていないのですが、「ご」をつけた言い回しの方が望ましいです。
ビジネスシーンでは上司への相談がつきもの。そんなとき、メールでは挨拶を述べ、相談があることを伝え、いつ相談したいかお願いしましょう。
☆続きは「社会人なら知らなきゃ恥ずかしい! 目上に使うべき『メールの言い回し』3選」でチェック
監修/出口汪
(書籍『ていねいで「短いメール」のお手本』)
■ビジネスマナーに沿ったお詫び言葉
※本記事は2019年1月24日に初掲載されました
誰にでも失敗はあります。しかし、そのあとの対応が肝心。申し訳ないという気持ちを品格ある言葉で伝えることができるかどうかで、その人の評価が違ってきます。例えば、謝罪のときに使う「ごめんなさい」という言い方は、ビジネスシーンにおいては不適切。その場にあった言葉を使い、しっかりと大人の対応ができるようにしましょう。
相手に嫌な思いをさせない「謝罪・お断りの言葉」
1.「許してください」
⇒「ご容赦ください」
相手に許しを請いたいときは、できるだけ丁寧な表現で気持ちを伝えたいもの。「何卒(なにとぞ)」「どうか」を冒頭に加えてもOKです。
2.「もろもろの事情がありまして……」
⇒「今回はよんどころない事情がございまして……」
断るときは「何かの理由がある」ことを暗に示すこと。「諸事情」よりも「よんどころない事情」のほうが状況の重さが伝わります。
3.「お酒は飲めないのです」
⇒「申し訳ございません。あいにく不調法でございまして」
お酒を断るとき、ストレートに言っては相手に不快感を与えることも。「不調法」という遠回しの言い方でやんわりと断ります。
☆続きは「正しい断り方を知れば生きるのがラクに! 職場で使える謝罪・お断りワード集」でチェック
(TJ MOOK『大人の品格を身につける 語彙力練習帳』)
依頼時の言葉の使い方
※本記事は2019年1月22日に初掲載されました
ビジネスシーンにおいて、品格ある言葉づかいは最低限のマナー。しかし、自分がきちんと敬語を使えているのかというと不安になりますよね。さっそく自身の言葉づかいを振り返って、適切な日本語が使えているかチェックしてみましょう。
相手を不快にさせない! お願いフレーズ
仕事をするなかで、誰かに物を頼んだり、お願いをすることって多々ありますよね。そんなとき、適切な敬語を使えずに相手に不快な思いをさせてしまってはお願いを聞き入れてもらうどころか、今後の仕事にも影響が……。そうならないためにも、きちんとした言葉を使えるようにしましょう。
1.「難しいとは思いますがお願いします」
⇒「お願いするのが忍びないのですが、どうかご協力いただけないでしょうか」
「忍ぶ」とは「耐える」「我慢する」の意味。「お願いするのが忍びない」とすることで、無理を言う心苦しさや切羽詰まったようすを伝えます。
2.「もう少しだけ待っていただけませんか」
⇒「今少しご猶予いただきたく」
「お待ちいただく」よりも「今少しご猶予(を)いただく」がベター。「今少しお時間をいただく」でも構いません。
3.「お願いして申し訳ございません」
⇒「お使い立てして申し訳ございません」
お願いすることを「お使い立てして」に直すと丁寧です。ただし目上の人には使わず、その場合は「お手を煩わせて~」が適切。
☆続きは「[「お含みおき」ほか] 知れば世渡り上手になれる!? 職場で便利なお願いワード7選」でチェック
(TJ MOOK『大人の品格を身につける 語彙力練習帳』)
職場のお土産にまつわるビジネスマナー
※本記事は2019年4月27日に初掲載されました
いつもより少し長めに休める、今年のゴールデンウィーク。この機会に、実家に帰省する人も多いのでは? 帰省をすると浮上するのが、職場へのお土産問題。何を買えばいいのか、そもそも毎回買うべきなのか……。
そこで、地方出身者にとっては切実なお土産にまつわる悩みを、最新ビジネスマナーに基づいて解決します!
お土産で雰囲気がやわらぐ?
お土産を買っている人の中にも「これは本当に必要なのか?」と疑問を持っていたり、「何を買っていったらよいのかわからない」と頭を悩ませていたりする人も多いはず。
職場にお土産を買っていった時のよいことの一つは、職場のコミュニケーションに役立つということ。普段あまり話をしない人とも、お土産や地元の話をネタに盛り上がることができます。
またお土産を買ってくることで、休暇を取って周りにフォローを頼んだことに対する心理的な負担を減らすことができる、という面もあります。
職場の人たちも、「お土産を買ってきてくれた」ということで、休みを取る人に対する反感や抵抗感がやわらぐことになります。
とはいえ、帰省した時にお土産を買ってくる習慣がない職場や、帰省することを話していなかったり、仕事とプライベートをきっちりと分けたいという場合には、無理に買ってくる必要はありません。
《職場へのお土産 NG例》
もらって困るお土産
手間がかかる
カットしなければならないフルーツや、調理の必要があるものなどは、もらったほうが困惑してしまう
独特すぎる
人によって好き嫌いがわかれそうなものは避け、その地域で定番のお土産を買うようにしよう
大きい
お金がかかっているようには見えるが、持ち帰るのが大変なものは迷惑になってしまうので避けよう
☆続きは「連休に帰省したら職場へお土産を買うべき? 最新ビジネスマナー解説!」でチェック
編集:木村伸二、土屋萌美、森 未央
イラスト:イラスト工房
執筆協力:山下大樹、村沢 譲
(TJ MOOK『電話連絡はかえって迷惑!? 大人のビジネスマナー 最新版』)
※本記事は『InRed』書籍『ていねいで「短いメール」のお手本』TJ MOOK『大人の品格を身につける 語彙力練習帳』TJ MOOK『電話連絡はかえって迷惑!? 大人のビジネスマナー 最新版』に掲載された過去の記事を再編集したものです
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編/FASHION BOX