基礎代謝の促進や抗酸化作用など、体に多くのメリットをもたらすと言われるコーヒー。その効果についてはさまざまな研究がなされ、基本的には健康によいものとされています。しかし、飲む時間によっては体に不調をもたらす場合もあるのだとか。実は、ねこ背の改善にも大きくかかわってきます。
今回はパーソナルトレーナー・姿勢改善のスペシャリストである鈴木孝佳さんに、体によいコーヒーの飲み方を教えてもらいました。
≪目次≫●コーヒーは副腎のストレスを増やす?
●睡眠を阻害するカフェイン
●コーヒーは午前中に飲むのが大事!
●コーヒー以外の水分もしっかりと
●教えてくれたのは……
コーヒーは副腎のストレスを増やす?
人の体には朝の4時、5時くらいから副腎という臓器からコルチゾールというホルモンが分泌されます。このホルモンによって体が覚醒モードに切り替わっていくのですが、多くの人の場合、朝の8時から9時くらいにホルモン分泌のピークを迎え、そのあとは少しずつ下がっていくといわれています。
このコルチゾールが出ている時間帯にコーヒーを飲むと副腎のストレスが増えてしまうので、その時間帯は避けましょうという研究報告があるのです。さほど気にしなくてもいいという意見もあるのですが、この副腎疲労は、栄養学的な観点から現代人の姿勢や体調不良などにかかわっているので、副腎に不要なストレスはかけないほうがいいでしょう。
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睡眠を阻害するカフェイン
睡眠は自律神経のリズムを保ち、人の健康を維持するのにたいへん重要な要素ですが、コーヒーに含まれているカフェインには、睡眠を阻害する効果があります。このカフェインの効果が半減するまでには、個人差はあるものの、5時間から10時間を要するといわれています。ですから午後3時あたりにコーヒーを飲むと、人によっては午後11時頃に寝ようとしてもカフェインの効果が残っており、なかなか寝つけなくなることもあります。
睡眠の質が低下し、リズムが狂ったまま翌朝を迎えると体の疲労が抜けきらないものです。体の疲労は脳の働きも低下させてしまいますし、ひいてはねこ背にも大きくかかわってきます。ほかにも、やる気が起きないようになり、体を動かさなくなるのでセンサーが刺激されず、脳に情報が送られなくなります。そうすると脳が活性化されず体にも悪影響が出てくるなど、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
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コーヒーは午前中に飲むのが大事!
とはいえ、コーヒーにはさまざまな効能もあります。ですから、コーヒーを飲む場合は、コルチゾールを出すピークを迎えたあと、だいたい朝の9時半から12時前ぐらいまでに1、2杯がいいでしょう。ただ、12時を過ぎたらまた注意が必要です。12時から午後1時は再びコルチゾールが分泌される時間帯ですので、この時間帯にコーヒーを飲むとやはり副腎にストレスを与えてしまいます。
以上の理由から、コーヒーを飲むなら午前中にして、お昼を食べたあとは基本的にノンカフェインのものを飲むようにしましょう。ノンカフェインのお茶でも、もちろんかまいませんが、おすすめはミネラルウォーターです。
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コーヒー以外の水分もしっかりと
水分をとる量としては、男性と女性で多少の差はありますが、おおよそ1日に1.5Lを食事以外で飲んだほうがいいといわれています。
私たちの皮膚の下は、皮下脂肪や筋膜、筋肉がミルフィーユのような層状の構造になっているのですが、層の間の滑りが悪くなると、体に張りを感じたり肩がこったりする要因の一つとなってしまいます。水分をきちんととることで、層の滑りをよくすることができ、体がスムーズに動くようになるでしょう。
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教えてくれたのは……
鈴木孝佳(すずき たかよし)さん
【Profile】
パーソナルトレーニングスタジオ「b{stoic(ビーストイック)」代表トレーナー
スポーツトレーナー養成の専門学校を卒業後、米国アリゾナ州に渡り約50時間の人体解剖研修を受講。脳神経学/機能解剖学/運動生理学/栄養学に基づき、アスリートやアーティストをはじめ8000人以上の身体を改善してきた、姿勢・不調改善のスペシャリスト。Twitterでのねこ背に効く10秒ほどのエクササイズ動画が2日で40万いいねと大反響を呼んだ。
(抜粋)
書籍『ねこ背を10秒で治して人生を変える!』
著者/鈴木孝佳
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編集・構成/佐藤裕二、林賢吾、斉藤健太、今井智司、山下孝子(株式会社ファミリーマガジン)
形部雅彦、大竹崇文
WEB編集/FASHION BOX
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