南果歩が2020年を振り返る|日常に潜んでいた喜びを再確認した日々

南果歩が50代で筋トレにチャレンジ! 見事な180度の開脚姿も披露

 

南 果歩さん 『大人のおしゃれ手帖』連載「I am Here!」

『大人のおしゃれ手帖』で連載中の南果歩さんの「I am Here!」。今回は2020年、筋トレや自宅菜園など新しいことに挑戦したという南果歩さんが、その中から気づいたことを綴ってくれました。

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「一日、生きることは、一歩、進むことでありたい」

2020年はコロナをはじめ予期せぬ出来事の連続で、京都の清水寺が年末に発表する「今年の漢字」だけでは表せないくらいです。辛いこと、悲しいことが多過ぎて、まだまだ自分の中でも消化できないことだらけです。
でもね、時間は誰にでも平等に流れていく。過ぎ去っていく2020年のよい記憶も残したいし、この際、この1年で起こったよいことだけを数えて新しい年を迎えたいと思います。こんななかでも新しい発見や前向きになるきっかけはありましたからね。

2020年は私なりに新しいことに色々チャレンジしました。
先ずは、筋トレです!
それまでは自分の腹筋がどこにあるのかもわからないくらい、筋力も自意識もない身体でした。しかし50代。このまま自分の腹筋を知らずに筋力がズルズルと落ちていくのは嫌だと思ったのです。
節分を迎えた頃から、あるトレーナーさんがやっているパーソナルジムに通い始めました。
最初は何をやっても新鮮で、楽しくメニューを組んでもらっていました。そのお陰もあり、今まで意識もしなかった“筋肉”に目覚めてしまったのです。

それまで経験したエクササイズは、エアロビクス、ジャズダンス、アクアビクス、パワーヨガ、Barre3などなど。どれもクラスレッスンで、パーソナルでみっちりマンツーマンで教えてもらう機会はありませんでした。
音楽も鳴らさず、数をカウントするだけのトレーニングは退屈だと思い込んでいたのですが、たった10カウント、30秒、1分の中でどれだけベストを出せるかという自分との戦いが楽しくなってきたのです。
トレーナーさんの指導についてやってみると少しずつ筋力が付き、冷え性も緩和されてきて、うっすら腹筋も付いてきたのです。信じられない! 私に腹筋が見えてくるなんて!
今や、ダンベルプレスで、左右8キロずつのダンベルを持ち上げられるまでになりました。たった1時間のトレーニングを週に数回、自分の身体に向き合う時間を持ち続けたことで、辛い状況にも耐えることができたのかもしれません。

もうひとつ、コロナの外出自粛中に、仕事も延期になり落ち込んでいたとき、何か見える目標を持とうと思い、開脚ができるように日々トライしてきました。その結果、なんと1か月後に開脚をしてペタンと前に倒れるようになりました。
ウツウツとするときこそ、身体を健やかに保つことでメンタルも救われるんだと実感しました。

また、自粛中に自宅にいる時間が増えたので、色んなものを花壇に植えました。色んなものとはすぐに食べられるもの!
紫蘇、ミント、イタリアンパセリ、レモンバーム、パセリ、山椒の木、バジルなどなど。
自宅で3食とるときに、これがあればなぁというものばかり。ちょっとしたものを花壇から摘んで食卓に彩りを添える楽しさと植物を育てる喜びを知りました。

そして、Zoomの活用です。テレビ番組の出演から始まり、お料理教室に参加したり、飲み会など、外出自粛中もZoomのお陰で色んな人と繋がれた気がします。Zoomオーディションを受けたりして、思わぬ仕事の広がりもありました。

それでも一番の喜びは、外出自粛後の撮影再開です。コロナ対策をしながらの撮影は大変ではありましたが、それでも現場には撮影できる喜びが溢れていました。
私自身も仕事ができるありがたさを本当に感じましたし、自分の役割を全うしたいと意欲も強まりました。
2020年は今まで日常に潜んでいた喜びを、再確認する機会でもあったのだと思います。
自分でそれを見つけ、育てる。
私の大好きな、ノーベル賞受賞の湯川秀樹さんの言葉。「一日生きることは、一歩進むことでありたい」
まさにそんな年でした。2021年も自分の一歩を大切に。一歩二歩果歩と!

南果歩が2020年を振り返る|日常に潜んでいた喜びを再確認した日々
カーディガン¥56,000、ブラウス¥42,000、デニムパンツ¥54,000/すべてサポートサーフェス、イヤリング¥20,000、イヤリングチャーム¥14,000、リング各¥29,000/すべてアガット

 

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こんなに体がやわらかくなったんです!

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PROFILE/南 果歩(みなみ・かほ)

兵庫県出身。短大在学中に映画『伽倻子のために』(小栗康平監督、1984年)のヒロインオーディションに応募、主役に抜擢されてデビュー。主演映画『脳天パラダイス』が新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ他公開中。

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photograph:Takashi Noguchi(San Drago)
styling:Kuniko Sakamoto
hair & make-up:Keizo Kuroda(K Three)
大人のおしゃれ手帖 2021年1月号

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web edit:FASHION BOX

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