睡眠不足の人は要注意! 良質な睡眠で肩コリを解消するコツとは【医師監修】

睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

毎日の睡眠時間、しっかりととれていますか? 睡眠不足によって引き起こされる肩コリもあり、睡眠時間を増やすことで解消できる場合もあります。肩コリの原因は、猫背・ストレス・運動不足などさまざまですが、睡眠不足も肩コリを悪化させてしまうのです。ここでは、睡眠不足が引き起こす影響やその解消法を、肩コリ・腰痛のスペシャリスト松平浩先生に教えていただきました。

睡眠不足が痛みを増加させる直接的・間接的な影響

睡眠不足は、直接的にも間接的にも、脳に悪い影響を与えてしまい、肩コリによる痛みを増加させてしまいます。特に1日の睡眠時間が5時間未満の人(*)は、要注意です。睡眠時間を7~9時間に増やし、睡眠の質を改善することで、痛みが改善されるケースも多いといわれています。

睡眠不足がひきおこす「直接的な影響」とは?

【概日(がいじつ)リズム障害】
若年層に多い。睡眠が遅い時間にずれてしまっていたり、夜型生活になっていると、体内時計が正常にはたらかず、睡眠のリズムが崩れてしまうため睡眠障害がおこります。睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

【睡眠時無呼吸症候群】
睡眠中に無呼吸やいびきを繰り返すため、十分な睡眠をとることができません。睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

【むずむず脚症候群】
高齢者に多く、脚が「むずむず」する症状。夜寝る前などに現れることが多く、快適に眠りにつけないため睡眠障害をひきおこしてしまいます。睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

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睡眠不足がひきおこす「間接的な影響」とは?

■ネガティブな気分になる

睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]■抑うつ/不安が生じる

睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]■その他の睡眠不足による間接的な症状例
・痛みに注意を向け過ぎる
・ストレス
・疲労

睡眠時間が5時間未満の人は要注意!

睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]
1日の睡眠が5時間未満の人は、肩コリになるリスクが約2.8倍(*)になるというデータも!
睡眠の質を上げる方法を知れば、肩コリ解消の糸口になるかもしれません。まずは、睡眠の質を上げる6つのコツをご紹介します。

「Whibley D,et al.Clin J Pain 35,2019」を参考に作成
*出典:「Sawada T, Matsudaira K, et al. Ind Health 54, 2016」

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肩コリ解消法!【睡眠の質】を上げる6つのコツ

同じ時刻に起きて朝日を浴びる

毎日同じ時刻に起きて、朝日をしっかり浴びることで体内時計が整い、睡眠の質が向上します。
睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

朝食をきちんと食べる

朝食でたんぱく質と炭水化物を摂ることが大切です。最初に野菜を食べると糖の吸収もゆるやかに。
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昼間に活動的に過ごす、もしくは運動する

昼間にしっかり体を動かすことで、適度に体を疲労させると、就寝時に入眠しやすくなります。
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仮眠は午後3時より前に、20分程度にする

午後3時以降に仮眠をとったりウトウトすると、夜に眠りにつくのが難しくなります。午後3時前までの20分ほどの仮眠が効果的といわれているので、眠りすぎにも注意しましょう。また、仮眠の前にカフェインを摂ると、目覚める頃には覚醒効果が表れ、そのあとの仕事の効率が高まります。
睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

ぬるま湯で入浴する

入浴によって体の中心部の体温を上げると、就寝時にその体温が下がって入眠しやすくなります。
睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

夜のブルーライトは控える

蛍光灯やスマートフォンなどが放つブルーライトは、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を阻害するので、睡眠前にはできるだけ控えましょう。
睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

【睡眠不足が原因だった肩コリ】ズバッと解決

睡眠不足は、脳における痛みに対する感度を過敏にしてしまうほか、抑うつや疲労感を促進し、痛みへの注意も強めてしまうため、症状の悪化につながります。上記の6つのコツのほか、就寝前のストレッチとラベンダーのアロマオイルもおすすめです。また、夕方以降の飲みものはノンカフェインにしましょう!

睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

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教えてくれたのは……

睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]

東京大学医学部附属病院特任教授 松平 浩(まつだいら・こう)

【Profile】
東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授。福島県立医科大学医学部疼痛医学講座特任教授(兼務)。医学博士。1998年、東京大学医学部附属病院整形外科、腰椎・腰痛グループチーフに就任。同大学院で博士号を取得。腰痛のメカニズムを科学的に解明し、「腰痛は動いて治す」という新常識を提唱する“腰痛対策のスペシャリスト”として、独自のメソッドによる運動療法の提案・普及に取り組んでいる。著書に『腰痛はもう怖くない 3秒から始める腰痛体操(NHKまる得マガジン)』(NHK出版)、『一回3秒 これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい(講談社+α新書)』(講談社)、『腰痛は脳で治す! 3秒これだけ体操』(世界文化社)、共著に『そうだったのか! 腰痛診療 エキスパートの診かた・考えかた・治しかた』(南江堂)、『腰痛借金 痛みは消える!』(辰巳出版)、『10秒でつらい痛みが消えた! 腰痛これだけ体操』(宝島社)などがある。

(抜粋)睡眠時間が5時間未満だと肩コリのリスクが約3倍に! 睡眠の質を上げるコツ[医師 監修]
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構成・編集・執筆:西田貴史(manic)
撮影:中島聡美
モデル:高岡ちなみ(AQUARIUS Inc.)
ヘアメイク:細谷知代
イラスト:MICANO

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