その肩コリ、病気の初期症状かも? 思い当たる人は早めに病院へ【医師監修】

その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

 

要注意! 肩コリ・首コリをともなう病気とその症状、受診先

特に女性に多いと言われている肩コリ・首コリ。疲れと思ってそのままにしておくのは、少々危険かもしれません。肩コリ・首コリをともなう病気とその症状を知って、もし当てはまる症状があるのなら、先延ばしにしないで医療機関を受診することをおすすめします。しかし、どの診療科を受診してよいかわからない場合も。そこで今回は、肩コリ・腰痛のスペシャリスト松平浩先生に詳しく教えていただきました。

 

思い当たる人は、「脳神経内科」へ

片頭痛
・こめかみにズキズキと拍動性がある
・光や音、気圧や気温に敏感
・めまい
・吐き気
その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

緊張型頭痛
・両側・頭全体が締めつけられ、圧迫感がある
・めまい
・吐き気はない
その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

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思い当たる人は、「循環器内科」へ

低血圧
・立ちくらみ/めまい
・朝(午前)が弱く、夜が元気
・動悸・息切れ
その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

高血圧
・自覚症状はあまりない(サイレントキラー)
・濃い味つけが好き
その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

思い当たる人は、「婦人科」へ

更年期障害
・ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)
・節々の痛み/腰痛/冷え
・動悸・息切れ
・頭痛/めまい/吐き気
・イライラ感
その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

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思い当たる人は、「内分泌内科」へ

甲状腺機能低下症
・疲労感やだるさ
・汗をかかない
・無気力や眠気

甲状腺機能亢進(こうしん)症
・動悸・息切れ
・多汗
・手指の震え

その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

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心配な肩コリもある! 病気が原因で起こる肩コリとは?

体操やマッサージをしてもまったく改善されず、日を追うごとに悪化するような場合、また寝ているときなどの安静時でも痛むような場合は、病気の兆候、もしくは初期症状のコリや痛みかもしれません。ここでは、どのような病気の可能性があるのか、またその症状や事例をご紹介します。思い当たる人はすぐに医療機関を受診してください。どこを受診するか迷ったら、総合診療科へ行きましょう。

安静にしてもコリや痛みが出る「病気」

がんの転移
がんの既往歴がある

パンコースト腫瘍(しゅよう)
喫煙やアスベスト暴露(ばくろ)など

感染性脊椎(せきつい)炎
糖尿病の人は注意が必要

心筋梗塞や大動脈瘤(りゅう)
中高年に多い

自然気胸(ききょう)
やせている若い男性に多い

帯状疱疹(たいじょうほうしん)
中高年に多い

とくに見逃されやすい「病気」

翼状(よくじょう)肩甲骨
長胸神経麻痺(ちょうきょうしんけいまひ)、副神経麻痺によって生じる

腕や手のしびれ、痛みやだるさをともなう心配な肩コリ

頚椎症性神経根症(けいついしょうせい しんけいこんしょう)
頚椎の変性やヘルニアなどによって神経根が刺激される症状で、初期には肩甲骨周辺から痛みが生じることが多い(*)。その後は、腕や手に痛みやしびれが出やすく、多くは左右の片側だけに症状が出る。頭部を後ろから横に曲げると、肩甲骨周辺や腕、手先に痛みやしびれが誘発される。
*出典:「Tanaka Y, et al. Spine31:E568-73, 2006」

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
鎖骨周辺で腕や手指に延びる末梢神経の束がある胸郭の出口で、神経が圧迫されたり引っ張られたりすることによって、主に腕の痛みやしびれ、だるさといった症状が出る。吊り革を持つような腕を上げる動作や、重い荷物を持つなど腕が下方に引っ張られる動作によって症状が誘発される。なで肩の女性は要注意。

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教えてくれたのは……

その肩コリ、病気の初期症状かも? 注意したい症状と受診先を整形外科医がアドバイス

東京大学医学部附属病院特任教授 松平 浩(まつだいら・こう)

【Profile】
東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授。福島県立医科大学医学部疼痛医学講座特任教授(兼務)。医学博士。1998年、東京大学医学部附属病院整形外科、腰椎・腰痛グループチーフに就任。同大学院で博士号を取得。腰痛のメカニズムを科学的に解明し、「腰痛は動いて治す」という新常識を提唱する“腰痛対策のスペシャリスト”として、独自のメソッドによる運動療法の提案・普及に取り組んでいる。著書に『腰痛はもう怖くない 3秒から始める腰痛体操(NHKまる得マガジン)』(NHK出版)、『一回3秒 これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい(講談社+α新書)』(講談社)、『腰痛は脳で治す! 3秒これだけ体操』(世界文化社)、共著に『そうだったのか! 腰痛診療 エキスパートの診かた・考えかた・治しかた』(南江堂)、『腰痛借金 痛みは消える!』(辰巳出版)、『10秒でつらい痛みが消えた! 腰痛これだけ体操』(宝島社)などがある。

(抜粋)

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構成・編集・執筆:西田貴史(manic)
イラスト:MICANO

 

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