『オトナミューズ』2021年4月号のカバーミューズは、長澤まさみさん
今回初めてオトナミューズの表紙を飾ってくれた女優・長澤まさみさん。カバーストーリーで着こなすのは、ザ・ロウやジル サンダーといった、シンプルで上質、かつ今の気分が見事に落とし込まれたITブランドの新作。「風の時代」を軽やかに生きる私たちに必要なのは、きっとこんな服なんだと思う。インタビューでは、今年34歳を迎える長澤さんの「オトナ論」をお届けします。
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「ずっと“オトナ”というものに憧れ続けています」
──オトナが大好きだ、という。
「人間関係に恵まれているなとつくづく感じています。周りには面白くて、おちゃめで楽しい大人の方がたくさんいて。感性だとか時間の流れ方が独特で、マイペースに輝いているのが魅力的。私も大人と呼ばれる年齢ではあるんですけど、年上の人が大好きだし、ずっと“オトナ”というものに憧れ続けていますね。ひとくくりに年を重ねること、老いることがいやなものという捉え方はしたくない。面白みの奥行きは、重ねた歳月だと思うから。それに私がいる業界は、大人を面白がることに対しても寛容ですし、懐の深い人がとても多い。それも大人が好きだと思う理由かもしれません」
「小さな幸せを感じられる人間でいたい」
──現在、33歳の長澤さん。一人のオトナとして理想のあり方とは?
「理想像は年齢によって変わるけど、その中で変わらずにあるのは、小さな幸せを感じられる人間でいたいということ。大人になると、小さな努力がいつか大きな実になっていくということが経験上分かってくるのと同時に、日々積み重ねることの難しさも味わいますよね。いつも努力と見返りが比例するとは限らない。人間って欲深いものだから、求めていた期待とか結果が知らず知らずのうちに大きくなり過ぎてしまうこともあるし、見返りが小さいとガッカリしちゃいがちだけど、本当は小さくても身についたものや喜びは何かしらあるはず。そこに気づけなかったり、喜べない自分にならないように、と心がけています」
「見返りは大きさが重要ではなくて、たとえ小さくても、ちゃんと喜びとして自分の心がキャッチできることのほうが大切だと思います。人生にもバイオリズムがあるから、何をやってもうまくいかないときもあれば、逆にスムーズ過ぎるときもあって、でもそれはそれで怖がらずラッキーと思っていい。ただ、だからといって楽で無難な道ばかりを歩いてしまうと、自分の想像を超えるような出来事なんて起きない」
「壁にぶつかっていく覚悟を持っていたい」
「私が憧れるすごい大人たちは、それぞれがさまざまな道をかいくぐって、今の地位を手にしているわけだから、楽はしちゃだめだなって痛感します。壁があるならば、ちゃんと自分で壁にぶつかっていく覚悟を持っていたいですね。ぶつからずに回避してしまうと、掴みたいものを正面から掴めない気がするから」
プロフィール/長澤まさみ
長澤まさみ(ながさわまさみ)。女優。1987年6月3日生まれ。静岡県出身。直近の出演作に、映画『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』、ミュージカル『フリムンシスターズ』など。現在、映画『すばらしき世界』が公開中。今後、映画『シン・ウルトラマン』の公開を控える。
starring_MASAMI NAGASAWA
photograph_TISCH[UM]
styling_MIYUKI UESUGI[3rd]
hair_KENICHI for SENSE OF HUMOUR[eight peace]
make-up_RIKA MATSUI[A.K.A.]
interview_HAZUKI NAGAMINE
(otona MUSE 2021年4月号)
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