階段の上り下りや、電車でのグラつきが怖くなったり、疲れやすくなったりと、体力のなさを切実に感じるのが中高年世代。関節の痛みやコリで思うように体が動かせなくなるなど、困った悩みも増えてきます。その中でも、特に女性にとっての大きな悩みが「尿もれ」。40歳以上の女性の40%以上が経験するといわれており、くしゃみや咳をした時、笑った時など予期せぬ場面でよく起こります。でも、これらの悩みは、内ももの弱っている部分の筋肉を鍛えることで改善できるのです。
そこで今回は、中高年に特化したパーソナルトレーナーの枝光聖人先生に、「尿もれ」の原因とその解消方法を具体的に教えていただきました。
内ももを鍛えて尿もれの悩みを解消
私たちの体を支える「骨盤」には、膀胱などのさまざまな臓器が収められています。さらに、その骨盤の下にはハンモック状に広がって臓器を支えている筋肉があります。その筋肉が「骨盤底筋群」です。
この筋肉が加齢とともに衰えると、尿道を締めておく力も弱まり、くしゃみなどで、おなかに力が入っただけで尿もれすることも……。特に経産婦は、出産の際に骨盤底筋群にダメージを受けているため、悩んでいる人は少なくありません。
ただ、この骨盤底筋群は意識して動かすことが難しく、鍛えづらい部分。そこで、骨盤底筋を支える内ももの「内転筋」を動かすことにより、間接的に鍛えていくことができます。
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尿もれが気になる人の「脚振りエクササイズ」
イスに座り、脚を上げ、内ももを締めるように動かすことで、弱りがちな内転筋を強化。具体的なトレーニング方法を習得して、左右各10回ずつ、毎日続けてみましょう! 続けるうちに尿もれしにくくなります。
1: ひざを軽く開きイスに座る
ひざの間をこぶし1個分ほど開け、イスに座りましょう。手は座面に置いておきます。
2:手を内ももと骨盤近くに添え、内ももを意識する
手を内ももと骨盤近くに添え「内もも、骨盤……」と言い、鍛える筋肉やその周辺を意識します。
3: 左脚を浮かせて外側に開く
左脚を床から10cmほど浮かせ、股関節から脚を動かし、できるところまででいいので、ひざを外側に開きます。内ももが使われていることを意識しましょう。
4: 開いていたひざを内側に移動
外に開いた脚を、今度は内側へ動かします。右脚のひざ上あたりまで左脚を移動させ、クロス。内ももの筋肉を刺激します。3と4を10回繰り返し、反対側も同様に行います。
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教えてくれたのは……
中高年専門パーソナルトレーニングジム 心身健康倶楽部 枝光 聖人(えだみつ・まさと)
【Profile】
日本初・中高年専門パーソナルトレーニングジム心身健康倶楽部代表取締役。心身健康トレーナー養成スクール最高責任者。全日本心身健康協会代表理事。高齢化社会の到来により高齢者の健康寿命に注目し、20年前より中高年に特化したパーソナルトレーナーとして活動を始める。実践だけでなく理論面の知識を深めるために、大学院にて心身健康科学の専門知識を学び修士号を取得。中高年に最適なメソッドを体系化し、2013年にパーソナルトレーニングジム「心身健康倶楽部」を設立。そのメソッドは厚い支持を得ている。テレビにも多数出演し、「人生は筋肉だ!」をモットーに、中高年や高齢者の心身健康のための啓蒙活動を広く行っている。近著に『コロバヌエクササイズ』(自由国民社)。
(抜粋)
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撮影:徳永 徹
ヘアメイク:榊 美奈子
モデル:小林千鶴
構成・文:平川 恵、山西裕美(ヒストリアル)
執筆協力:中村綾子
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