鮭の赤色が糖尿病を予防
鮭などの赤い食材に含まれているアスタキサンチンには、さまざまな健康効果があることがわかってきているそうです。具体的にどんな効果があるのか、医学博士の板倉弘重先生が解説してくれました。鮭以外にもアスタキサンチンが含まれている食材も教えてくれたので、積極的に摂取して健康な体を目指しましょう。
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スーパー抗酸化成分アスタキサンチン
・血管の老化防止
・悪玉コレステロールの減少
・紫外線のダメージを防ぐ
・自律神経の安定
・疲労回復
アスタキサンチンは、カロテノイド系色素と呼ばれる天然色素の一種です。ビタミンEの数百から数千倍とされる強力な抗酸化作用を持っているのが特徴で、動脈硬化の予防や免疫機能を高める働きもあることがわかっています。
最新の研究では、アスタキサンチンが血糖値を下げるために有効なインスリンの作用を高めることや、同時にインスリンがかかわる細胞増殖の働きを抑えることで血糖上昇に伴って起こりやすくなる動脈硬化などを防ぐことがわかってきました。
また、アスタキサンチンは体内のエネルギー代謝にもかかわっています。酵素からエネルギー代謝を行う細胞内のミトコンドリアに対して働きかけ、その代謝の副産物として生み出されてしまう活性酸素に対抗し、エネルギー代謝を助けてもくれます。鮭のほかには、えびやかになどにもアスタキサンチンが多く含まれているので、積極的に食べましょう。
アスタキサンチンの効果
1:インスリンの効果を高める
2:糖尿病との合併症になりやすい動脈硬化を防ぐ
3:ミトコンドリア機能を改善する
鮭は白身魚に分類されますが、アスタキサンチンを含むエサを食べることで、赤みを帯びてきます。鮭が長い回遊の末、産卵のために生まれ故郷に戻ってこられるパワーはアスタキサンチンの抗酸化作用や疲労回復効果によるものです。
<油・レモンと一緒に食べる>
アスタキサンチンは脂溶性なので、吸収率を高めるためには油と一緒に食べると効果的。塩焼きよりもホイル焼きやムニエル、サラダにしてドレッシングをかける食べ方が◎。ビタミンCも一緒に摂るとさらに吸収率が上がるので、野菜とあわせてレモンを搾るのがベストです。
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アスタキサンチンが含まれる魚介類
かに
甲羅の部分にアスタキサンチンを多く含むかにですが、身の赤い部分ももちろんアスタキサンチン。ゆでると赤くなるのはそのためです。
えび
生では青緑がかった灰色をしているえびですが、ゆでるとたんぱく質と分離して赤くなるので、アスタキサンチンを含むことがわかります。
いくら
鮭から受け継がれたアスタキサンチンは、卵を包んでいる皮膜や上皮細胞を強くし、紫外線や外部の刺激から卵であるいくらを守ります。
金目鯛
皮の鮮やかな赤い色がアスタキサンチンなので、煮つけなどで皮ごと食べるのがおすすめ。金目鯛は良質なたんぱく質も豊富です。
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赤いけどこれは違う!
赤貝
赤貝の赤い色は、ヘモグロビンによるもので、アスタキサンチンではありません。ビタミンB1・B2、鉄分の多い健康食材です。
まぐろ
赤身魚の代表といえるまぐろですが、火を入れると赤から茶色に変化することからわかるように、アスタキサンチンは含みません。
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このコンテンツの監修者は……板倉弘重(いたくら・ひろしげ)先生
【PROFILE】
医学博士。芝浦スリーワンクリニック名誉院長。東京大学医学部卒業。同大学第三内科講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養研究部長を経て、現職。赤ワインなどに含まれるポリフェノールの抗酸化作用を世界で最初に発見。著書、監修書は『日常生活のちょっとした工夫で血圧、血糖値は下がる!』(アントレックス)、『大丈夫! 何とかなります 血糖値は下げられる』(主婦の友社)、『医者もやっている血圧の下げ方』(宝島社)など多数。
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(抜粋)
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監修/板倉弘重
編集・ライティング/藤田都美子
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※ 2019年9月14日発行の『血糖値・血圧・高コレステロールを下げる食事術100』を、2021年2月に新規取材し、再編したものです
WEB編集/FASHION BOX