フィンランドの祭り“ミッドサマー”は自然を楽しむ! 現地の暮らしをレポート

[フィンランド西海岸での夏至祭の過ごし方]結婚相手の夢が見られる風習とは?

アンナヤリーサのシンプルで幸せな暮らし フィンランド西海岸の12か月

『リンネル』で新しく始まった連載「フィンランド西海岸の12か月」。フィンランドに住むテキスタイルデザイナーたちからの歳時記を、美しい写真とともにお届けします。その暮らしは、華やかでも特別なものでもなく、自然とともに、毎日を丁寧に生きるだけ。今回はミッドサマーの過ごし方について教えてもらいました。

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ミッドサマー(夏至祭)の過ごし方

フィンランドの首都・ヘルシンキから北西約500kmに位置する西海岸地域・オストロボスニア。そこには、自然をこよなく愛するテキスタイルデザイナー集団・アンナヤリーサが住んでいます。彼らにとって、夏は格別な季節です。冬場の墨絵のような光景が春の到来とともに徐々に色づき、日照時間が長くなり、まるで太陽のほうを向いて咲くお花のように、光をいつまでも楽しんでいたい、という気持ちが生まれます。夏は気温もようやく20℃近くになるので、屋外で過ごすのに最適です。

ボスニア湾の対岸はスウェーデン。フィンランドは、フィンランド語とスウェーデン語の両方が公用語ですが、ここは、スウェーデン語を母国語とする人のほうが多いエリアです。飛行機を利用すると、ストックホルム(スウェーデン)に行くのも、ヘルシンキ(フィンランド)に行くのも1時間。ボスニア湾を渡るスウェーデン行きのフェリーもあります。

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ミッドサマーイブの午後、夏のまぶしい光のなかで7種の草花を探しながら、子どもたちはみんなプリンセス気分。
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古い木造住宅が残る街並みは、まるでおとぎの国のようです。

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短い夏の、野外での食事は格別

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まぶしいくらいが嬉しい、戸外の食事。

美しい夏はあっという間に過ぎていくので、欲張って予定をたててしまいがち。シャイなフィンランド人も、夏になると自然と社交的になり、友人や家族を招いて、みんなで戸外でのクッキングや食事を楽しみます。

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「名前の日」のお祝いケーキ。ケーキの装飾も戸外で。

ミッドサマー(今年は6/26)には、自然が楽しめるサマーコテージに出かけるのがフィンランドスタイル。ですが、アンナヤリーサの4人は、日常の自然の中、家族と自宅で過ごします。フィンランドには、「名前の日」という文化があり、自分の名前の日はとても重要。エリーナさんは、家族が集まるちょうどこの時期にある、名前の日をお祝いします。

ミッドサマーは夜更かしOK

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7種類の草花で作った花かんむり。

一晩中太陽の光が浴びられる貴重な日なので、ミッドサマーイブは子どもたちも夜更かしオッケー。ミッドサマーイブに7種類の草花を摘んで枕の下に置いて寝ると、結婚相手の夢が見られるという言い伝えがあり、女の子たちはみんなきゃっきゃと大はしゃぎです。

この地域の最大の魅力は、美しい海がすぐそばにあること。ボスニア湾沿岸に広がる遠浅の海を眺めながら、岩場に座って食事をするのは最高です。人気のビーチ「ファブダ」では、深夜まで海で泳ぐ人の姿が見られます。

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ファブダのビーチ。どこまでも膝下の深さなので、子どもたちにも安全。水はまだ冷たいけれど全然気になりません。

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教えてくれたのは……「アンドフィーカ」代表 今泉幸子さん

【PROFILE】
7年前に初めてこの地を訪れ、自然の美しさと人々の温かさ、そしてデザインのある暮らしに感動。以来、毎年のように現地に通い、デザイナー4人との心の通い合いがアンナヤリーサ誕生のきっかけとなりました。これから1年間、デザイナー4人とともに、アンナヤリーサの12か月の暮らしについてお伝えしていきます。

About……Anna ja Liisa(アンナヤリーサ)

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左より、タニヤ、アンドレアス、エリーナ、ヨハンナ。

アンナヤリーサは、フィンランド西海岸オストロボスニア地域に住む4人のデザイナーたちのこと。そして彼らが発信する地域ブランドでもあります。

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ヘルシンキの北西約500km。起伏がない広大な大地の向こうには、真っすぐな地平線が広がっています。普通の暮らしのなかに、必ず喜びや楽しみがあり、小さな感動からデザインが生まれます。

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photograph:Anna ja Liisa
edit & text:Sachiko Imaizumi
リンネル 2021年8月号

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

web edit:FASHION BOX

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