50代は曲がり角! もう一度見直したい「お口」の手入れ/基本のケア
50代になるとお口の状態も変化して、歯周病などのリスクが高まります。でも、基本的なケアを50代にふさわしい内容にシフトすることで、トラブルは十分予防・改善できます。歯学博士の照山裕子先生に正しいケア方法を教えてもらいました。
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
Step 01:歯磨き
歯ブラシを“グー”で持っていない? 鉛筆持ちでやさしく磨いて
「歯を念入りに磨こうと歯ブラシをグーで握って持っている人は、力を入れ過ぎて歯や歯茎を削ってしまうことも。鉛筆持ちに替えると傷つけない圧で磨くことができます」と、照山先生。最近では力加減をチェックできる優秀な歯ブラシもいろいろ出ているので上手に取り入れて。
また、歯磨きは毎食後にできなくても大丈夫だそう。「1日1回、唾液の分泌が減る就寝前に、ていねいに歯磨きをすれば十分です。ふつうの歯ブラシでも正しい方法なら隅々まで磨けますが、音波歯ブラシなら効率よく磨け、時短になります」
【基本のおさらい】歯磨きの仕方
歯の根元と歯肉の境目に歯ブラシを45度の角度で当て1本ずつ歯ブラシを細かく動かします。歯周ポケットの中の汚れを出すイメージで。
奥歯の上表面の細かな溝に食べ物のカスなどがたまると虫歯になりやすいもの。奥歯は1本ずつ、溝の汚れをかきだすように磨きましょう。
歯の裏側は歯石がたまりやすい部分。歯ブラシを縦に当てて、横に細かく動かしましょう。歯の根元と歯肉の境目も忘れずに磨いて。
Step 02:歯間ケア
50代以降は歯間ケアをメインに。歯と歯の間に汚れをためない!
50代以降は歯と歯のすき間が広がってくるので、そこにたまった食べかすや歯垢、細菌をかき出すための歯間ケアが欠かせません。食後は、フロスや糸ヨウジ、歯間ブラシなどを使って、歯と歯の間や歯周ポケットの中をしっかり掃除しましょう。
「フロスが引っかかるときは、歯石がたまっていたり、歯のかぶせものが浮いてきているサインなので、早めに歯科医でみてもらいましょう。日常的に歯間ケアをすることで、こうした歯のトラブルにも気づきやすくなります」
【基本のおさらい】フロスの使い方
1:1回につき約40cm分のフロスを使います。目安として、指先からひじまでの長さ、と覚えておくと便利。
2:両手の中指にフロスを巻きつけます。両手の間隔を10~15cmくらいとるとちょうどよい長さに。
3:親指と人さし指でフロスをつまみ、ピンと張ります。その状態で、歯と歯の間に入れます。
4:片方の歯の側面に沿わせてフロスを上下に動かし、歯垢をからめとります。反対側の歯の側面も同様に。フロスは指に巻く位置を変え、常に新しい面を使いましょう。
Step 03:うがい
7秒間しっかりクチュクチュ、強めのうがいトレーニング
汚れをしっかり流すためには、照山先生考案の「7秒うがい」がおすすめ。やり方は簡単で、少量の水を口に入れ、歯に水流をぶつけるようにして、1か所につき7秒間で10回、クチュクチュと音がするくらい勢いよく動かします。慣れないうちは口の周りが疲れると思いますが、それは筋肉が衰えているから。続けるうちにフェイスラインが引き締まり、アンチエイジングにも役立ちます。歯の着色汚れや虫歯、口臭の予防、ウイルスの体内への侵入を減らす効果も。歯磨き後だけでなく、起床後、食後、帰宅後などにぜひ習慣にして。
「7秒うがい」のやり方
1:おちょこ1杯程度の水(30mL程度)を口に入れ、鼻の下をふくらませるように口を動かし、上の歯に水流を強く速く10回当て、水を吐き出します。
2:1と同様に水を口に含み、唇の下をふくらませるように口を動かし、下の歯に水流を強く速く10回当てて吐き出します。
3:右の頬をふくらませるように口を動かし、右の歯に向けて水流を強く速く10回当てて吐き出します。左も同様に。
4:最後は上を向いてごろごろうがいを。むせない程度にのどの奥まで水を入れて。
緑茶を使ったうがいで口臭対策
緑茶の渋み成分であるカテキンには抗菌・消臭といった作用があるので、緑茶でのうがいもエチケットに取り入れてみましょう。ペットボトルの緑茶よりも急須で入れた緑茶の方がカテキン量が多いという報告があるので、余裕があれば試してみて。ただし、茶渋が歯に付着するので、1日1回が目安です。洗口液は刺激が強いものもあり、「7秒うがい」を頻繁に行うことはおすすめしませんが、ウイルスや風邪予防になる薬用成分が含まれているものも多いので上手に利用して。
歯のフロスを使うと死亡率30%ダウン! 歯周病菌や歯垢を防ぐ理想の歯磨き方法を歯科医院長が指南
歯周病は認知症や子宮内膜症のリスクを高める! 老化を止める口腔内ケアを歯科医院長が解説
教えてくれたのは……歯学博士 照山裕子先生
【PROFILE】
日本大学歯学部卒業。同大学院歯学研究科にて博士号取得。世界でも専門医が少ない「顎顔面補綴」を専攻。著書に、『「噛む力」が病気の9割を遠ざける』(宝島社)、『7秒うがい〜歯科医が考案した新習慣! 免疫力を高めてウイルスを遠ざける』(きずな出版)などがある。
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
歯磨きの基本|歯ブラシの持ち方や磨き方など 歯茎から血が出てもOK?[歯科医 監修]
“口の渇き”は免疫低下の原因に! 今すぐできる唾液量の増やし方 [歯科医直伝]歯周病のリスクは50代になると高まる!? 今すぐ見直したいお口のお手入れ方法などを歯学博士が解説
illustration:Noriko Okamoto
text:Keiko Nakayama
(大人のおしゃれ手帖 2021年12月号)
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
web edit:FASHION BOX