大人の尿もれ対処法
大人世代にとって他人事ではない尿もれの症状。このくらいなら大丈夫と思っていても、徐々に症状が進み、日常生活に支障をきたすことも。原因を知って正しく対処しましょう。東京女子医科大学東医療センター教授の巴ひかる先生にお話をお聞きしました。
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ふたつの「尿もれ」、区別して対処が必要
40代以上の44%に経験があるという、尿もれ。その原因は、大きく分けてふたつ。ひとつは、咳やくしゃみ、走ったり跳んだりと、ふとしたときにもれる「腹圧性尿失禁」。尿道をしっかり閉じるための骨盤底筋群や尿道括約筋が弱くなって起きるもので、更年期や閉経後に筋肉などの弾力がなくなることも引き金になります。40~50代など活動的な世代で経験する人が多く、日常に不自由を感じることも。もうひとつが、急にトイレに行きたくなり、間に合わなくてもれてしまう「切迫性尿失禁」。膀胱にあまり尿がたまっていないのに、勝手に筋肉が収縮して尿意を感じる「過活動膀胱」が原因かもしれません。夜中に何度もトイレに起きてしまうのもこのタイプで、加齢とともに増えることがわかっています。ただ、頻尿は水分やカフェインのとりすぎが原因のことが多いので、自分の水分摂取量や尿の回数、量を把握することが重要。
「それぞれの尿もれは治療も対処法も違うので、排尿日誌をつけて、自分はどちらか見分けることが大切。両方同時に起きている場合もあります。日々の活動を制限しないためには、自分なりのケアをうまくする必要があるでしょう。困っているなら泌尿器科の受診を。切迫性尿失禁は薬で治療ができます。腹圧性尿失禁は骨盤底筋トレーニングで改善が見込めますが、しない場合は手術が可能です」(巴先生)
女性の尿失禁タイプ別頻度
腹圧性尿失禁……約50%
混合性尿失禁……約30%
切迫性尿失禁……約20%
その他……約3%
尿失禁の経験がある女性のうち、更年期世代から増える腹圧性尿失禁が約半分、切迫性と腹圧性両方の症状がある混合性尿失禁の人も3割。50代女性の大きな悩みです。
腹圧性尿失禁
□咳やくしゃみをしたとき、笑ったときなどに尿がもれる
□重いものを持ったり、持ち上げたりしたときに尿がもれる
□走ったり、跳んだりしたときに尿がもれる
□尿意を感じないのに、ふとした拍子に尿がもれる
□太っている、もしくは急に太った
□出産経験がある (特に2回以上)
□更年期、閉経前後から尿もれが始まった
切迫性尿失禁
□急にトイレに行きたくなり、我慢するのが難しい
□急にトイレに行きたくなり、トイレに行く回数が増加
□急にトイレに行きたくなり、トイレに間に合わず尿がもれる
□夜間にトイレに行きたくなり、1回以上起きてしまう
まずは2日間! 排尿日誌をつけて自分の状態を把握
自分の尿失禁の傾向を知るには、トイレに行った時間と排尿の量、水分を取った時間と量、尿もれがあればその時間と状況、もれた量を記録。48時間つければ傾向がわかり、対処がしやすくなります。尿もれ量はシートの使用前後の重さを比べて。
準備するもの
目盛り付きの容器
尿もれシートとはかり
記入例
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教えてくれたのは……巴ひかる先生
【PROFILE】
東京女子医科大学東医療センター教授。女性尿失禁治療の名手で、腹圧性尿失禁のTOT手術を日本に広める。著書に『悩んでいませんか? 女性の頻尿・尿漏れ』(主婦の友社)。
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illustration:Maiko Matsue
text:Ema Tanaka
(大人のおしゃれ手帖 2021年12月号)
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