新川帆立|『倒産続きの彼女』でも「変わったミステリーが書きたかった」格差社会 etc. 現代の重要テーマ取り入れも

このミス大賞受賞作は「“王道”からずらしたミステリー」!? 作者・新川帆立の狙い|インタビュー

主人公は「弁護士」!! 秋のミステリ小説ガイド

夜時間が長くなる冬、なにをしていますか? 動画もSNSも楽しいですが、たまには読書をしませんか? 今回はミステリ作家・新川帆立さんの新刊『倒産続きの彼女』発売を記念して、作品についてのお話をうかがいました。

書籍『倒産続きの彼女』

著者:新川帆立

≪『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作&累計40万部突破、『元彼の遺言状』続編!≫

彼女が転職するたび、その企業は必ず倒産する―― 婚活に励むぶりっ子弁護士・美馬玉子と、高飛車な弁護士・剣持麗子がタッグを組み、謎の連続殺「法人」事件に挑む!

書籍『元彼の遺言状』

著者:新川帆立

≪2021年 第19回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作≫

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
奇妙な遺言状をめぐって、おカネ好きの凄腕女性弁護士が活躍!
前代未聞の遺産相続ミステリー

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『倒産続きの彼女』発売記念 作家 新川帆立さん スペシャルインタビュー

前作で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した新川さん。今回の作品のことを中心に、お話をうかがいました。

新川帆立|『倒産続きの彼女』でも「変わったミステリーが書きたかった」格差社会 etc. 現代の重要テーマ取り入れも

“王道”からずらしたミステリーで読む人の五感を刺激したい

犯人を捕まえるのではなく、“犯人になるために”主人公が謎解きをするデビュー作『元彼の遺言状』。そして、殺人ならぬ殺“法人”から連続事件が起こる、『倒産続きの彼女』。いずれも「正統派のミステリーからずらした、変わったミステリーを書きたかった」と、作者の新川帆立さんは話します。

元弁護士のキャリアを持つ新川さんは今年1月、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作で作家デビューを果たしたばかり。
「新人として名だたる先輩と闘うためには、発想力で勝負する必要がある。一般的なミステリーをあえて反転させ、アイデアを生みだしています」

新作『倒産続きの彼女』の主人公は、大手法律事務所に勤める女性弁護士の美馬玉子。彼女が、前作の主人公・剣持麗子とともに、ある倒産案件の調査を始めるところから、物語は展開していきます。『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラをイメージしたという、強くてワガママだけど憎めない麗子、彼女とは対照的に自分に自信がなく、常に周りの空気を読んでいる玉子。ふたりのキャラクターの魅力はもちろん、事件の背景として描かれる格差社会や労働問題も物語に深みを与えています。
「一昨年11月から構想を立てていましたが、ちょうど日本では、コロナ禍の影響で、女性や非正規雇用労働者の失業が深刻化していた時期。現代における重要なテーマだと考えて、今作に取り入れました」

作中で描かれる女性弁護士としての生きづらさは、かつて自身が弁護士として働いていたときにも感じていたこと。
「女性弁護士は利益にならない案件を任されやすく、年収も男性弁護士の6割。女性だけ身だしなみを求められたり、お酌をさせられたり……といった不利益もあり、これは大なり小なり働く女性が感じていること。そうした人達を慰めたり、背中を押せればと思っています」

今回の企画にちなみ、最近刺激を受けたミステリーについて尋ねると、新川さんから挙げられたのは、『弁護側の証人』で知られるミステリー作家、小泉喜美子さんの一連の作品。
「ミステリーとしてのプロットが美しいのはもちろん、世界観や文章、人物造形も素晴らしい。小泉さんは、作者の意図しないところで作中のキャラクターと自身の私生活を重ねて読まれることが多かったそう。元弁護士という肩書きで語られがちな私自身とも通じる部分を感じ、個人的にも勇気づけられました」

これから書きたいのは、「理屈抜きで面白いもの」。既に本シリーズの続編も、来年には刊行すべく構想を練っているとか。
「読んでいてドキドキしたり、汗をかいたり、涙が出たり……。本格ミステリーやSFのエッセンスも取り入れつつ、五感に働きかける面白い作品を愚直に追求したいと思っています」


『元彼の遺言状』新川帆立の麻雀愛 「いつか『麻雀放浪記』に次ぐヒット小説を」

弁護士→作家へ! 新川帆立の転機は“血尿&めまい” 「このまま死んだら一生後悔する」

PROFILE/新川帆立(しんかわ・ほたて)

1991年生まれ。アメリカ・テキサス州出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業。元弁護士で、プロ雀士としての活動経験も。2021年、『元彼の遺言状』で作家デビュー。現在はアメリカ・シカゴ在住

【新刊】『倒産続きの彼女』

書籍『倒産続きの彼女』

著者:新川帆立

≪『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作&累計40万部突破、『元彼の遺言状』続編!≫

彼女が転職するたび、その企業は必ず倒産する―― 婚活に励むぶりっ子弁護士・美馬玉子と、高飛車な弁護士・剣持麗子がタッグを組み、謎の連続殺「法人」事件に挑む!

倒産危機に瀕した会社を救うため、ある女性の身辺調査を命じられた女性弁護士・美馬玉子。高飛車だが敏腕の先輩弁護士・剣持麗子とコンビを組んで真相に迫ろうとするが、調査を進めるなかで関係者の死体が発見される。

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『元彼の遺言状』

書籍『元彼の遺言状』

著者:新川帆立

≪2021年 第19回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作≫

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
奇妙な遺言状をめぐって、おカネ好きの凄腕女性弁護士が活躍!
前代未聞の遺産相続ミステリー

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残し、かつて弁護士・剣持麗子と交際していた製薬会社の御曹司が亡くなった。麗子は犯人候補の代理人として、「犯人選考会」に参加することになり……。

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取材・文/工藤花衣

素敵なあの人 2022年1月号

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

WEB編集/FASHION BOX

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