辛酸なめ子がアート展示会場で目撃した女子の会話に驚愕! 人類が神様に見放される日も近い……!?

辛酸なめ子が神様に突っ込みまくる女子に慄然! 人類が滅亡する日も近い……!?

辛酸なめ子の覗き見 OL妄想劇場

『steady.』で連載中の「辛酸なめ子の覗き見 OL妄想劇場」。なめ子さんが訪れたアート展示会場で見かけたという、ふたりの女性。その会話の流れになめ子さんは驚愕したそうです。

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2023年の予言には不吉な徴候が……?

2023年はどのような年になるのでしょう……。先日、人気の占い師さんに話を伺ったら、3月頃に冥王星が山羊座から水瓶座に移る流れに要注意とのことでした。冥王星は破壊や再生を表す星。水瓶座はネットワークや情報を司るので、ネットワークを使った破壊的なできごとが起こるのではないか、という話でした。

現代のノストラダムスと称されるイギリスの予言者、クレイグ・ハミルトン・パーカー氏の予言では、2023年は困難な年になる、といわれています。世界的に食糧の値段が高騰し、農業や漁業も不作・不漁で、食糧危機が訪れるそうです。巨大な太陽フレアが発生する、というのも電子機器に支障が出そうです。

同じくイギリスで有名な、アスパラを投げて占うジェミマ・パキントンさんという占い師によると、食糧不足で家庭菜園が増加、新型コロナでアジアが混乱、気候変動、といった鑑定結果が出ているそうです。去年、エリザベス女王の逝去をアスパラで当てた方なので、説得力が。

コロナに気候変動、食糧不足、太陽磁気、と地球が人類を滅亡させにかかっているような気もしています。最近、知人のアメリカ人サイキックの男性が、人類に破滅の可能性があることを宇宙人から教えられたとか。たくさんの宇宙人が地球を救うために来ていますが、人類を救うためではないとか。今後、いろいろ起こるそうです。

予言を調べていたら「2023年はクロスオーバー・スーパーカーが来る」という車雑誌の予言を目にしました。見た中で一番平和だったこの予言を推したいところです。

アートの展示で見かけた神をも怖れぬ女子たちの会話

人類は滅亡してもしかたないのかもしれない……。先日、人間の罪深さを実感するシーンを目撃しました。池袋の古代オリエント博物館で開催された、「ヒンドゥーの神々の物語」展。インドの神様や神話をモチーフにしたアートが多数展示されて、会場は賑わっていました。神々の絵を静かに鑑賞する人々のなか、若い女性ふたりの会話の声が耳に入ってきました。
「新しいキャラクター覚えらんない」

えっキャラ……? 耳を疑いましたがもしかして神様のことでしょうか。たしかにインドの神様は、キャラも濃いし、大勢いらっしゃいますが……。
「このふたり、ラブラブじゃない!?」

シヴァ神とその奥さんパールヴァティーが仲良さそうな姿を描いた絵を見て世俗的なコメントを述べる女子。そこまではいいのですが、その子どもたちに話が及ぶと……。
「ガネーシャの弟、ムルガンだって」
「弟ついに来た」
「あまり特徴ないね」「弟メンタリティないね」と、神様について言いたい放題。ガネーシャの弟は、若い美青年の姿をした軍神で、仏教に伝わって「韋駄天」という神様になりました。ふたりは、ムルガンのキャラが薄いと軽視発言を連発。

ヴィシュヌとシヴァという重要な神様が、象や馬に乗って向き合う絵を見て「こうやって出会ったんだね」と素朴なコメント。それはいいとして、「ヴィシュヌとシヴァとなんだっけ」と、三大神様について敬意が感じられない発言が。あとひとりはブラフマーですよ、と老婆心ながら申し上げたくなりました。

「トラのパンツはいてます、シヴァさん」「目がこわ」と、神様に突っ込みを入れながら見て回る女性たち。さらには「ヴィシュヌってなんだっけ」「こいつ」と、神様を「こいつ」呼ばわりしていました。神をも怖れぬ会話に戦慄。

もしかしたらゲームの影響もありそうです。インドの神様の名前で検索するとまず出てくるのが「モンスト」「真・女神転生」などのゲーム。「光属性のヴィシュヌは魔族相手へのクロスレーザーの威力が高い」「ヴィシュヌ進化のアビリティは、魔族キラーL」など、ゲームの表現も罰当たり度が高いです。神様をキャラ化して、ゲームの中で道具として使役する……そんな人類の行状を見ていると、神様に見放される日も近そうです。

「クリシュナは何人でも増える。出てきすぎ」女性ふたりは、ゲーム好きでインドの神様の展示に興味を持ったのかもしれません。神話もゲームと同列にコンテンツとして捉えているのが現代人っぽいです。

ちなみにインドの神話では、今の、人類が不道徳で悪徳に染まっている時代を「カリ・ユガの時代」と呼びます。「カリ・ユガ」で検索したら一番上に、『遊戯王』のカリ・ユガターンというゲームの技が出てきました。やっぱり人類は一度GAME OVERになった方がいいかもしれません……。

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PROFILE/辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

辛酸なめ子がアート展示会場で目撃した女子の会話に驚愕! 人類が神様に見放される日も近い……!?
辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

漫画家、コラムニスト。皇室、セレブリティ、スピリチュアルなどの分野に精通。著書は『女子校育ち』(筑摩書房)、『セレブマニア』(ぶんか社)、『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』(宝島社)など。『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)は、日本のカルチャー要素をキーワードに、漫画タッチで構成されています。ツイッターのシュールボイスもお見逃しなく。@godblessnameko

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(steady. 2023年3月号)

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WEB編集/FASHION BOX

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