もっと語ろう! 大人のフェムテック
大人世代の「エイジドフェムテック」5大テーマ
最近耳にする「フェムテック」や「フェムケア」という言葉。これらは、女性特有のヘルス&メンタルケアについての情報を交換して知識を蓄え、自分らしい選択を可能にするための一大ムーブメントです。まずは大人世代が知っておきたい5大テーマについて、医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀先生にお聞きしました。
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乳がんや子宮がん、そしてフェムゾーンの悩みにも向き合って
フェムテックに関わる下の9項目から、更年期・子宮がん・乳がん・尿漏れ・大人の性を5大不安要素として掲げ、『大人のおしゃれ手帖』で定期的に特集していきます。
「乳がん、子宮がんだけでなく、更年期女性特有のフェムゾーンの悩み(GSM=閉経関連尿路生殖器症候群)にも、フェムテックは役立ちます。GSMの主な症状は、膣と外陰の乾燥やかゆみなどの不快感、尿のトラブル、セックス時の痛みや出血などの3つ。これらの悩みについて話し、情報共有して対応する手段を知ることは、大人女性の生活の質を上げることにつながります」
・月経
・不妊
・妊活
・更年期
・女性特有疾患(ウェルネス)
・セクシャルウェルネス
・妊娠中
・産後
・メンタルヘルス
大人世代の「エイジドフェムテック」5大テーマをひもとく
広義の「フェムテック」から、大人世代に関わる5テーマをピックアップ。関口由紀先生にうかがいました。
更年期以降の女性たちに寄り添う製品やサービスを賢く活用
“フェムテック”とは、女性(フェム)という意味の接頭語と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語。女性が抱える健康問題をテクノロジーで解決できる製品やサービスのことを指しています。一方、テクノロジーを使わない製品は、“フェムケア”と呼ばれていて、ともにこれまでタブー視されてきた女性の「性」の問題に真っ向から取り組み、女性が声を上げやすい社会への変革を印象付ける言葉と言えるでしょう。更年期を迎えた50代からの“フェムテック”について、女性医療の専門家である関口由紀医師に、お話をうかがいました。
「フェムテックというと、月経関連の商品など若い世代に向けたものをイメージする方も多いでしょうが、GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)をはじめとする更年期の不調や加齢に伴う性の悩みなど、大人世代に役立つものもたくさんあります。フェムテックの広がりで今まで他人とは共有しづらかった女性特有の悩みがオープンに話せる世の中になりつつあり、とてもいいことだと思います」
関口先生は、大人世代に向けたフェムテックを「エイジドフェムテック」と名付け、特に注視すべき5大テーマについて提言してくださいました。
提言! 大人女性が深く考えたいエイジドフェムテックにまつわる5大テーマ
特に『大人のおしゃれ手帖』世代が深く関わりのあるテーマを5つご紹介します。すべて自分事として捉えて考えたいもの。“話しにくい”とされる話題だからこそ情報に触れて自分なりの考えを持って。
子宮がん:50代からは「子宮体がん」のリスクが格段にアップ
子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類あり、通常、集団検診における子宮がん検診は「子宮頸がん」検診のことを指します。そのため、「子宮体がん」の検査を受けていないことに気づいていない人も多いはず。「子宮体がん」の多くが閉経後の50歳以上で発症しているといわれ、「子宮頸がん」と合わせて定期的な検査を心がけましょう。
更年期:不調を我慢せず、サプリなどを取り入れて賢く付き合って
女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していく閉経前後の10年間。この間のホルモンバランスの乱れによっておこる症状を更年期症状、日常生活に支障をきたすレベルを更年期障害と言います。更年期障害の緩和にはエストロゲンを補充する「ホルモン補充療法」などがありますが、軽症の場合は、生活習慣の改善やサプリメントの活用が有効です。
乳がん:更年期女性の罹患率が高くこまめな検査で早期発見を
がんのなかでも、日本女性がかかる割合(罹患率)がトップで、日本人女性の9~10人に1人が乳がんを発症しています。さらに、乳がんは更年期女性に多く、定期的な検診が必須。乳がんは表面に近いところに発生するため比較的見つけやすく、治しやすいがんでもあるので、セルフチェックを習慣に。少量の血液で乳がんのリスクを調べられる検査キットも出ています。
尿漏れ:症状や不快感を軽減するアイテムを上手に取り入れましょう
咳・くしゃみなどお腹に力が入ったときや、急な尿意による漏れは、妊娠や出産、加齢などによる骨盤底筋群のゆるみによるもの。骨盤底筋トレーニングで改善が期待できます。骨盤底筋全体を体のなかに引き込むイメージで、おならをガマンするように肛門と膣をギュッと締める・ゆるめる、数回を繰り返します。骨盤底筋のトレーニング機器を活用するのも手です。
大人の性:乾燥しがちなフェムゾーンをスキンケア感覚でお手入れを
フェムゾーン(膣と外陰)は本来とても丈夫な部分ですが、女性ホルモンが低下する閉経後は、かゆみなどさまざまな不具合(GSM=閉経関連尿路生殖器症候群)が起こります。粘膜が乾燥しやすくなるので、専用の保湿剤でケアを。清潔な指でフェムゾーンにやさしく塗りこみ、膣の入り口やまわりをなでるようにマッサージ。顔のスキンケア同様に毎日ケアを心がけて。
関口先生からADVICE! バスタイムでセルフフェムケア&乳がんの自己検診を!
毎日、入浴時には腕をあげて渦巻きを描くようにして乳房表面を触り、脇の下のリンパ節も触ってしこりや腫れがないかをチェック。いつもの感触を覚えておくと、些細な変化も感じ取れるようになります。あわせて、フェムゾーンを優しく洗い、入浴後の保湿やマッサージも習慣にしましょう。
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教えてくれたのは……医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニックLUNAグループ 理事長 関口由紀先生
【PROFILE】
女性泌尿器科専門医。東洋医学の指導医資格も有する。2005年に横浜元町に女性泌尿器科・婦人科・乳腺外科・女性内科・美容皮膚科を併せた「女性医療クリニックLUNA」を開設。『女性のからだの不調の治し方』(徳間書店)をはじめ著書多数。
www.luna-clinic.jp
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illustration:Yukari Hayashi
text:Mizuki Sakaguchi
(大人のおしゃれ手帖 2022年2月号)
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