職場で飛び交うカタカナの外来語。聞き慣れれば理解できても、最初は意味がわからず困った経験をした方もいるのでは。ビジネスでも使われる、意味を理解しておきたい用語をご紹介します。
教えてくれたのはこの方
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
国語講師。大学受験塾やカルチャースクール、企業研修などで教える。NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」に出演するなど、日本語・言葉遣いにかかわる仕事多数。著書『正しい日本語の使い方』(枻出版社)は12万部を突破。他に『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)、『美しい女性をつくる言葉のお作法』(かんき出版)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。東京大学教養学部卒。
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覚えておくべき外来語1:フィジビリティ(feasibility)
直訳すると「実現可能性」。だが、ビジネスでは新規事業やプロジェクトの実現可能性を探るための事前調査「フィジビリティスタディ(feasibility study)」の略として用いられることが多い。「フィジビリ」とも。
ビジネスシーンでの使い方
フィジビリティ、つまり事前調査をしたうえで、実行するかどうか検討しましょう。
覚えておくべき外来語2:ハレーション(halation)
他に影響を及ぼすこと。もともとは写真を撮ったときに強い光の当たった周囲がぼやける現象を指す言葉だったが、そこから派生して、「あるおこないが周囲に悪影響を及ぼす」といった場合に使われるようになった。
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ビジネスシーンでの使い方
先日の急遽変更の告知で、業務にハレーション、つまり悪影響が出ています。
覚えておくべき外来語3:スキーム(scheme)
「計画、体系」という英語だが、ビジネスでは一般的に「枠組み、仕組みを伴う計画」と解される。「これをやる」ではなく、具体的に「こういう枠組みを作って、これをやる」と組織立った継続の仕組みが示されている。
ビジネスシーンでの使い方
今度の新事業のビジネススキーム、つまり事業計画の資料を早急にまとめます。
覚えておくべき外来語4:コンセンサス(consensus)
複数人による合意。何らかの案件について合意を得る場合に使う。「関係者のコンセンサスを得る」と言えば、「関係者の合意を取る」という意味。ただし、日本の企業内ではしばしば、「根回し」の意味になる。
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ビジネスシーンでの使い方
今度の案件について、事前に開発部のコンセンサス、つまり合意を取りつけております。
覚えておくべき外来語5:エビデンス(evidence)
「証拠、確証」を意味する英語。例えば、IT業界では開発したシステムの動作検証が問題なく完了したことを示す画面コピーやデータファイルなど。医療では、根拠となる論文や実験データなど。
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ビジネスシーンでの使い方
今回のシステム開発に関するエビデンス、すなわち証拠書類を提出してください。
(参考)
書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』
https://tkj.jp/book/?cd=TD296221
著者:吉田裕子
編集協力/小芝俊亮、細谷健次朗、山口紗英(株式会社G.B.)
執筆協力/龍田昇
イラスト/イラスト工房
編集/FASHION BOX
(書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』)
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