何気なく使っている言葉にも言葉の由来が存在しています。日常生活でもよく使われている言葉の由来を吉田裕子さんが教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
国語講師。大学受験塾やカルチャースクール、企業研修などで教える。NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」に出演するなど、日本語・言葉遣いにかかわる仕事多数。著書『正しい日本語の使い方』(枻出版社)は12万部を突破。他に『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)、『美しい女性をつくる言葉のお作法』(かんき出版)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。東京大学教養学部卒。
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言葉の由来1:二の舞
雅楽の「安摩」という舞曲で、先に別の人が披露した舞を真似しようとして老爺と老婆がこっけいに舞うという内容から、人の真似をすることや、前の人と同じ失敗をすることを「二の舞」と言うようになった。
言葉の使い方
何の準備もしないで試験に臨んだら、失敗しちゃった彼女の二の舞になるよ!
言葉の由来2:でたらめ
根拠がなく、いいかげんなこと。サイコロを使った博打で何が出るかわからないサイコロの目を「出たら目」と呼び、そこからいい加減なことをでたらめと呼ぶようになった。漢字で「出鱈目」と書くが、これは当て字。
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言葉の使い方
あの人はでたらめなことしか言わないから、信用しちゃダメですよ。
言葉の由来3:とんちんかん
二人の鍛冶屋が金属を交互に槌で打つときに、リズムが揃わずに音が響く様子を「とんちんかん」と表し、物事のつじつまが合わないことや、間の抜けたことをとんちんかんと呼ぶようになった。
言葉の使い方
お酒に酔ったせいで、とんちんかんなことばかり言ってしまったんですよ。
言葉の由来4:ひもじい
空腹という意味の「ひもじい」。古語で空腹の状態を「ひだるい」と言ったが、宮中に仕える女性は隠語として頭文字だけを取って「ひ文字(ひもじ)」と言い、これが「ひもじい」という形容詞になった。
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言葉の使い方
最近の人は空腹と縁がないから、ひもじい思いをしたことがないそうですよ。
言葉の由来5:たらふく
たくさん食べてお腹いっぱいになった様子を表す「たらふく」。漢字では「鱈腹」と書くが、魚のタラが食べられるときに腹がふくれるほど食べておく習慣があることから、この言葉が使われるようになった。
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言葉の使い方
休日は趣味の食べ歩きをして、おいしいラーメンをたらふく食べたんですよ。
(参考)
書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』
https://tkj.jp/book/?cd=TD296221
著者:吉田裕子
編集協力/小芝俊亮、細谷健次朗、山口紗英(株式会社G.B.)
執筆協力/龍田昇
イラスト/イラスト工房
編集/FASHION BOX
(書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』)
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