安全運転のために必要な4つの運転脳力

安全運転のために必要な4つの運転脳力

高齢ドライバーであるなしにかかわらず、安全運転をするのに必要な脳力があります。その脳力が衰えると、運転に支障をきたし、事故につながってしまいます。その脳力とはおもに、1. 複雑性注意、2. 実行機能、3. 学習と記憶、4. 知覚と運動の連動関係の4つに加え、社会的認知だそうです。高齢者になると、これらのすべてが衰えてきます。本記事ではこの4つの運転脳力について解説します。足りない部分を強化することから始めましょう!

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このコンテンツの監修者は……

篠原菊紀 (しのはら きくのり)
【Profile】
長野県茅野市生まれ。公立諏訪東京理科大学地域連携研究開発機構医療介護・健康工学研究部門長、学生相談室長、茅野市縄文ふるさと大使。専門は脳神経科学、応用健康科学。日常的な行動や変わったシチュエーションにおける脳活動を調査・分析し、社会に生かす試みを続けている。著書に『NHK カルチャーラジオ 科学と人間 中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)、『脳は、あなたにウソをつく』(KAWADE夢新書)、『子どもが勉強好きになる子育て』(フォレスト2545新書)などがある。

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1「複雑性注意」

安全運転のために必要な4つの運転脳力
出典: FASHION BOX

複雑性注意とは、いわゆる注意力です。この注意力には下位概念がいくつかあり、その一つに、“持続性注意”があります。これは注意力が一定時間続いて、途切れない、というものです。次に、“分配性注意”があります。たとえば、正面ばかりを見ていて、左右が見えなくなってしまうというのでは困りますよね。つまり、注意をうまく配分する脳力のことです。 一方で、注意を分配したままではなく、ときには瞬間的に選択して正面なり左右なりを見なければならなくなります。これが“選択性注意”です。そして、これらをすばやく行わなければならないので、処理速度も大事になります。これら3つの注意力のなかでどの注意力が足りないか、どの注意力を鍛える必要があるかを考える必要があります。

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2「実行機能」

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次に実行機能についてご説明します。実行機能のなかには、“計画立てられる脳力”、“意思決定”、“ワーキングメモリ”、“フィードバックエラー(切り替え力)”、“抑制力”、“心理的柔軟性”という下位概念があります。
“計画立てられる脳力”とは、たとえば、目的地までどのようなルートで行くかを考えて、それを実行できる力です。
“意思決定”は、必要なときにすべきことを決断できる能力のことです。
そして、“ワーキングメモリ”は、記憶や情報を一時的に保持して組み合わせて処理していく能力です。
“フィードバックエラー”は、何かまちがいが起こったときにそのエラーを修正する能力です。
“抑制力”とは、実行してしまう手前のところで、今までの考え方を1回抑制する脳力です。たとえば、ずっとアクセルを踏んでいて、ブレーキを踏まなければいけないシーンに直面したとき、アクセルを踏もうとする行動を抑制しなければいけないということなどです。
そうした行動が柔軟にできる脳力は、“心理的柔軟性”といういい方をします。たとえば、同じことをずっとやり続けたときに、急にパターンを変えられてもそれに対応できる力のことです。

”心理的柔軟性”と、ついやりそうになるのを抑える“抑制力”の2つは運転時に重要になります。

3「学習と記憶」

運転免許更新時の認知機能検査は、加齢によって記憶力が衰えることから実施されています。その場で瞬間的に記憶して、それを処理できるかどうかが問われます。“ワーキングメモリ”に近い短期記憶の力も要求されます。また、昔のことをちゃんと覚えているとか、道筋を覚えているとか、今やらなければいけないことを覚えているとか、そういうさまざまな種類の記憶力も必要となります。

4「知覚と運動の連動関係」

目で判断して、手を動かしたり、足を動かしたりすることです。目の前に障害物があるときに、とっさに正しい方向にハンドルが切れ、ブレーキを踏むことができる脳力です。

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安全運転のために必要な4つの運転脳力
出典: FASHION BOX

4つの運転脳力の他に、もう1点、「社会的認知」も大事になります。車に乗ると、すぐにブチ切れやすくなるなど、心理的な変化も起こります。軽度の認知症の前段階として軽度行動障害が起こることが知られていますが、それはやたら怒りっぽくなるなどです。

自分に足りない部分を、トレーニングで強化するといいでしょう。

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(抜粋)

安全運転のために必要な4つの運転脳力
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TJ MOOK『運転脳力を鍛える! 脳活ドリル』
監修:篠原菊紀

編集・構成:株式会社クリエイティブ・スイート
取材・執筆:和田典子
イラスト:池田悠高、イマイフミ、岡野キャロ、広野りお
表紙イラスト:Dot Color / PIXTA
WEB編集:FASHION BOX
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