ごま油は、料理にふくよかなおいしさをまとわせる、魔法の調味料。旨みを凝縮させた生搾りごま油や、香りを引き出した焙煎ごま油など、好みに合わせて使えば、日々のごはんが、よりコク深く。
教えてくれたのは……
料理研究家 大庭英子さん
食材のおいしさを引き出す手順で、作りやすいのに格別においしい料理が完成。いつもの料理がアップデートされる味わいと、作り手にやさしい計算されたレシピにファン多数。料理本も多数出版。
からだにうれしいごま油
ごま油の主成分は、リノール酸とオレイン酸という不飽和脂肪酸。血中コレステロールや中性脂肪を減らす作用があり、生活習慣病を予防する効果が期待できます。特にリノール酸は、体内で合成することができない必須脂肪酸で、ごま油など食品から意識して摂取する必要があります。
また、強い抗酸化作用がある「ビタミンE」はもちろん、セサミンやセサミノールなどを含めた「ゴマリグナン」という植物成分が約1%程度含まれています。微量ながらもからだに有害な活性酸素を除去する働きがあり、アンチエイジング効果も期待できます。
高温加熱調理でも油が劣化しにくい
ごま油は、揚げ油や炒め油として使っても、抗酸化作用によって油が劣化しにくく、風味も立っておいしさキープ。そのため、高温加熱調理に最適。家庭ではサラダ油の一部にごま油を入れると、揚げ油が酸化しにくく傷みづらくなるうえ、独特の香ばしさが食欲をそそるのでおすすめ。
ほかにも、葉野菜をゆでる際に加えると、香りよく、色も綺麗に仕上がります。 もちろん、最後の香りづけ用の隠し味としても。ごま油をひとふりしただけで、風味とコクがプラスされ、味がふくよかに仕上がります。大庭先生も、「ごま油は調味料」と多用しています。
好みに合わせて使えるバリエーション
ごま油は大きく分けて、ごま油を煎らずに生のまま搾る「生搾りごま油」と、煎って搾る「焙煎ごま油」の2種類があります。
生搾りは太白ごま油といわれ、香りや色がなく、ごまの旨みが凝縮されているサラサラな無色透明の油です。素材の持ち味を引き出すため、どんな料理にも利用しやすいのが特徴で、マリネやサラダ、お菓子作りにも使われます。
一方、焙煎ごま油は深く煎るほど、“色合いは濃く、香りは強く”なります。その度合いによって数種類に分けられているので、お好みの用途によって使い分けると料理の幅が広がります。
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photograph_Akiko Arai
styling_Masami Kishi
食材特徴アドバイザー_髙木祐香(管理栄養士・国際薬膳師)
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
(大人のおしゃれ手帖 2019年10月号)
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