手の指の関節が変形する疾患、ヘバーデン結節・ブシャール結節。眠れないほどの痛みを訴える方もいるとか。そんな怖い病気の発症や悪化の原因になるのが、私たちの身の回りにあふれている「安価な油」だと形成外科医・栄養療法医の高橋嗣明(つぐはる)先生は言います。どんな食べ物が原因となりうるかを知って、ヘバーデン結節・ブシャール結節の発症や悪化を防ぎましょう。
私たちの身の回りにあふれている「安価な油」
近ごろ、よく耳にするトランス脂肪酸という言葉。体に悪いものという認識はあるものの、どんなもので、なぜ体に悪いのか知っている人は少ないでしょう。
「アラキドン酸よりも何よりも、もっとも悪いのがトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は、植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際などに発生。また、液体の油脂を固めるために、水素を加えることでもできます」
加工された油は、体内でさまざまな悪さをするそう。
「人体は細胞の集まりで、ひとつひとつの細胞は膜に覆われています。細胞膜は壊れないように柔らかくしなやかであることが大切。例えば赤血球は、多彩に変形することではじめて毛細血管の中に入ることができます。こうした細胞のしなやかさを阻害(そがい)するのが、トランス脂肪酸のやっかいなところです。もちろん炎症性サイトカインも増やすので、ヘバーデン結節やブシャール結節はてきめんに悪化します」
トランス脂肪酸は、アメリカでは多く使われていたものの、現在では製造も販売も禁止に。
「けれども、日本ではまだ普通に使われています。原材料に『ショートニング』と記載があれば、トランス脂肪酸が入っていると思ってください。まれに『植物油脂』と書いてあることもあります。とても安価な油なので、スナック菓子やファストフードに使われていることが多いようです」
ケーキやアイスのクリーム、クッキー、ドーナツ、菓子パンなどにも多く使われているので、必ず成分を確認してから食べましょう。
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トランス脂肪酸とは?
脂肪酸とは、炭素の原子が鎖状につながった分子のこと。体の細胞を作るほかエネルギー源にもなる、人体の維持に欠かせない成分です。
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トランス脂肪酸はどんなものに多く含まれている?
パン類
・チョコパンなどの菓子パン
・クロワッサン
・コロッケパン
など
ケーキ類
・ショートケーキ
・ドーナツ
・ホットケーキなどのミックス粉
など
菓子類
・アイスクリーム
・ビスケット
・スナック菓子
・チョコレート
など
ファストフード
・フライドポテト
・ナゲット類
・ハンバーガー
など
加工食品
・インスタントラーメン
・冷凍食品
・レトルト食品
など
その他
・市販のカレールウ
・マーガリン
・ショートニング
など
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このコンテンツの監修者は……
高橋 嗣明(たかはし・つぐはる)先生
たかはしクリニック院長
形成外科医・栄養療法医
【Profile】
1963年、東京都生まれ。北里大学医学部卒業。北里大学大学院医療系研究科修了。北里大学病院に入局し、形成外科、美容外科などを歴任。2005年より長野県の北信総合病院にて医長を務め、2013年、長野県中野市にて「たかはしクリニック」を開院。専門である形成外科を中心に、整形外科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科など幅広い見地からさまざまな診療・治療を行う。また、オーソモレキュラー療法と解毒治療にも精通しており、慢性の難治疾患の治療にもあたっている。著書に『学校に行けない子供 仕事に行けない大人』(ファインピクサー)がある。
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(抜粋)
TJ MOOK『ヘバーデン結節がよくわかる本 「指の変形」「ズキズキ痛い」の進行を食い止める!』
監修:高橋 嗣明
構成・編集・原稿:萩原はるな
イラスト:小野寺美恵
WEB編集:FASHION BOX
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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