うつの原因は冬だから!? 光療法や食事での改善法を医師が解説

うつの原因は冬だから!? 光療法や食事での改善法を医師が解説

冬はやる気が出ない、たくさん寝たはずなのに日中でも眠いという方は、“冬季うつ病”の可能性があるとパークサイド日比谷クリニック院長の立川秀樹先生は言います。今回はそんな症状の原因や対処法をうかがいました。

≪目次≫

 

「やる気が出ないし、眠気がひどいです」

冬は仕事も家事もやる気が出ないし、たくさん寝たはずなのに日中でも眠いです。更年期と関係があるのでしょうか?

解決案

・冬季うつ病かな?と思ったら、医療機器を使った光療法を試してみる
・糖・炭水化物の食べすぎに注意! 低GI食にするとだるくなりにくい

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冬季うつ病の可能性が! 春になればよくなります

11月頃からうつ状態を感じ始めたのなら冬季うつ病の可能性があります。冬季うつ病は10〜11月に始まるのが特徴です。うつの程度は比較的軽く、ゆううつ、悲哀感、意欲の低下、日中や夕方の眠気、睡眠時間の延長、過食の傾向があります。食べものでは糖質・炭水化物を食べたくなるため体重増加を伴うことも多いですね。

冬季うつの原因はまだ完全には解明されていませんが、原因のひとつとして体内時計の働きを担っているメラトニンというホルモンの特性によって起こると考えられています。メラトニンは増えると眠くなり、減ると眠気が覚めることで生体リズムを保っています。ところがメラトニンの分泌周期は25時間。朝に日光を浴びることで1時間分の誤差が修正されているのです。しかし、日照時間が短くなる冬場には誤差修正がうまくいかず、冬季うつ病を引き起こします。冬の天気が悪い地域では冬季うつの人が多いというデータもあります。

そこで対処法としておすすめしたいのが光療法です。医療用の高照度光器具を使って朝に5千〜1万ルクスの光を30分〜1時間浴びるものです。一般にも売られているので症状の改善にうってつけです。LEDタイプもありますが、冬季うつ対策なら白熱灯など暖かい光を発するものがよいでしょう。時計機能がついていて時間管理がしっかりできるものがよいと思います。

朝にメラトニンレベルが高い状態で無理矢理起きると非常にだるいはずです。光を浴びるとメラトニンレベルが下がるので目覚めがすっきりしますよ。冬に限らず体内時計が乱れがちな人や、時差ボケを早く直したい時にも役立ちます。副作用もありません。

光療法を試しても効果を感じられず困った症状が続く場合は精神科を受診してください。冬季うつの特効薬はありませんが、症状を改善する処方薬があります。

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出典: FASHION BOX

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低GIの食事にするとだるさを感じにくくなる

さて、更年期との関係を心配されているようですが、冬季うつ病が更年期うつ病に移行することはありません。冬季うつ病は生まれ持った人が多いので、これまでにも冬が来るたびに不調を感じてきたのではないでしょうか? すでに話したとおり、冬季うつ病には日照時間が大きく影響しており、更年期とは別のものです。更年期の睡眠障害では自律神経のバランスがくずれることで寝付けない、夜中に目覚める、早朝に起きることが多いのです。可能性があるとしたら、もともと冬季うつ病の傾向がある人が、更年期によって心身の許容度が低下することで、これまではあまり大したことがなかった冬季うつの症状が強く出たり、気になったりすることがあるかもしれません。

また、冬季うつかなと感じてから体重が増えた人は要注意。糖質は癒やしの食べものなので無意識に欲してしまうのですが、摂りすぎると機能性低血糖症になることがあります。糖をたくさん摂って血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に出て血糖値を下げようとします。このような状態では倦怠感やうつ状態が出やすくなります。

機能性低血糖症を防ぐには血糖値を急上昇させない低GIの食事をするといいでしょう。穀類なら雑穀やそばなどが低GI食品です。血糖値が安定すると倦怠感が出にくくなるだけでなく、体重コントロールにも役立ちます。

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教えてくれたのは……

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パークサイド日比谷クリニック院長
立川秀樹(たつかわ・ひでき)先生

【Profile】
心の調子が悪い状態を診る精神科専門医。特に職域でのストレス障害の予防、早期治療、休職からの復帰などに力を入れている。

イラスト=MAIKO SEMBOKUYA
取材・文=黒川ともこ
GLOW 2020年3月号
WEB編集=FASHION BOX
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