研究ステージは細胞から分析疫学(コホート)へ 美白研究の新たな扉を開いた「シャネルの美白」
『& ROSY』で連載中の「開発者に会いたい」。今回は10周年を迎え、さらなる進化を遂げてリニューアルしたシャネルの美白美容液、「ル ブラン」をクローズアップ。京都大学との共同プロジェクトによる知見から、新たな美白アプローチを導入。その研究成果が美白美容液に生かされています。美容ジャーナリストの加藤智一さんが、京都大学大学院医学研究科附属 ゲノム医学センター センター長の松田文彦教授、シャネルR&I 化粧品技術研究所長の安藤信裕さん、シャネルR&I スキンケア マネージャーの宮本雅義さんに詳しくうかがいました。
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アミノ酸代謝にはたらきかけることで、白さも美しさも高めていく
ミクロの皮膚研究とは異なる角度から開発がスタートし、最新のコホート研究の成果を生かすことになったル ブラン セラム HLCS。コホートとは対象集団の意味。京都大学が、滋賀県長浜市や市民と取り組んでいるプロジェクト、「ながはま0次予防コホート」に化粧品会社としてシャネルが初めて参画。被験者の全遺伝子データを分析した結果、その肌の持ち主はアミノ酸代謝が高いことが判明。その活性を促すべく、ガーデニア由来の新規保湿成分を配合した。
肌自らアミノ酸代謝を高めることで、日本人が理想としている、ヘルシー ロージー グロウな肌を叶える美白美容液。スッと伸びる使い心地のいいテクスチャーも魅力。
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美容ジャーナリスト・加藤智一がシャネルの美白美容液「ル ブラン」の開発者にインタビュー!
■“生命のビッグデータ”を美白コスメに応用
美容ジャーナリスト 加藤智一(以下、加):リニューアルする今作には、細胞についての研究とは異なるアプローチが搭載されているそうですね。
シャネルR&I 化粧品技術研究所長 安藤信裕さん(以下、安):そうですね。ル ブランで美白有効成分であるTXCを発表したあと、細胞を中心とした研究を続けていますが、それだけでいいのだろうかという疑問がありました。そこで、次の課題として、年齢が変化していく過程で、シミができていくという変化を追跡する研究はどうだろうかと。もともと、シミができやすい人、できにくい人がいますが、結果からではなく、その過程からシミの程度を測定できないかと思いまして。それで、以前から京都大学の松田先生が続けられているコホート研究に参画させていただくことになりました。
加:コホート研究とは、端的にいうと、(1)大規模な被験者を、(2)ゲノム研究や継続的身体検査などを通じて、(3)長期観察することで、人が病気に至る過程を追跡する調査、とのこと。松田教授は、滋賀県長浜市と市民の協力を得て、2005年から、このコホート研究を実施されてるとのことですが、シャネルとの出会いを教えていただけますか?
京都大学大学院医学研究科附属 ゲノム医学センター センター長 松田文彦教授(以下、松):2010年前後のことでしょうか。私がフランスで仕事をしていた当時、シャネル本社のチームからコンタクトがあり、のちに、安藤さんから詳しい話がありました。コホート研究は、“生命のビッグデータ”を収集して分析する研究です。数十年単位で人の健康を追跡していきますが、その途中で明らかになった知見が、今回のシャネルの美白美容液に搭載されています。
加:それが、アミノ酸代謝の大切さですね。アミノ酸代謝を促すことで、シャネルが目指す美白肌である、ヘルシー ロージー グロウ肌が手に入るということ。
シャネルR&I スキンケア マネージャー 宮本雅義さん:はい。これまで、紫外線に配慮した生活習慣をもち、バランスのとれた食生活を送っている人は肌がキレイといわれてきましたが、その科学的なエビデンスは明確ではありませんでした。それがコホート研究から、遺伝子データを解析したことで、そのような健康的な生活を送る女性はシミが少ないこと。加えて、その人達は細胞に “健康な栄養補給”をするためのアミノ酸の代謝が優れていることが明らかになったのです。
加:なるほど。そこで、今回はそのアミノ酸代謝を高めるために、新成分であるガーデニア フルーツ エキスを配合したのですね。こちらは屋久島で栽培されたガーデニアですが、ここにもこだわりが?
安:厳しい自然環境を生き抜いた植物からは、優れた有効成分が採れるといわれています。なおかつ、シャネルは外資系ではありますが、ル ブランでは日本の研究を紹介したいという考えがあり、その両方を満たした素材として、屋久島のガーデニアを採用しました。
加:国産の植物が採用されるのは嬉しいですね。アミノ酸代謝に着目することで、どんな美肌効果が得られるのですか?
安:アミノ酸代謝は細胞内のはたらきの全てを支えています。このバランスが崩れると、健康的な肌状態がゆらぎ、加齢により肌に悪影響を与えることに。今回、ガーデニア フルーツ エキスを新規配合したことで、従来の美白効果に加え、より健康的な肌へと導くことができるのです。
松:これまでの経験から、健康な人は肌ツヤがいいといえます。高齢者でも肌ツヤがいい人はからだ全体が健康。逆に言えば、肌からツヤが失われていたり、ぱさっと乾いた、か弱い感じになったら要注意。つまり、肌の状態は健康状態の指標にもなり得ます。その点から考えると、シャネルとの共同研究は肌だけではなく、人のからだの研究に繋がる可能性があるといえます。
加:力強いお言葉ですね。
安:松田先生も日ごろからおっしゃっていますが、顔の変化はシミだけに限りません。たるみやシワ、毛の変化もあります。コホート研究は、ひとまずル ブランの美白美容液に応用しましたが、今後も自然老化やストレス、生活習慣や性差など、様々な観点から明らかになった知見を化粧品に生かしていきたいと考えています。
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インタビューしたのは……
美容ジャーナリスト
加藤智一
【PROFILE】
『& ROSY』でもおなじみ、美容業界歴20年超のジャーナリスト。アンチエイジングから最新メイクアップ、美容医療まで幅広い知識をもつ。
教えてくれたのは……
京都大学大学院医学研究科附属 ゲノム医学センター センター長
松田文彦教授
シャネルR&I 化粧品技術研究所長
安藤信裕さん
シャネルR&I スキンケア マネージャー
宮本雅義さん
2014年より、シャネルと京都大学が産学連携の共同研究をスタート。“美しく健康に老いることで人の幸福に繋がる研究”を共通の目標とし、皮膚をバイオマーカーとしたヒトの老化知見を深めることを目指して提携。
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photo:TETSUYA NIIKURA [SIGNO]
composition & text:TOMOICHI KATO
(& ROSY 2021年5月号)
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