「投資」と「コツコツ積み立て」はマッチしない!
月々少額の投資で、子どもの教育資金や老後資金を貯められると謳う「積み立て投資」。「投資」と「コツコツ積み立て」はマッチしない関係にあると注意喚起する、宝島社新書『買ったら一生バカを見る金融商品』の著者で経済ジャーナリストの荻原博子さんに、その理由について教えていただきました。
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「ドル・コスト平均法」に騙されるな
老後のための資産形成に国が用意したiDeCoとつみたてNISAの中身は、運用商品の積み立てです。ほかにも「るいとう」(株式累積投資)や「投信積立」「純金積立」など、コツコツ型が好きな日本人向けに、投資の積み立てがもてはやされていますが、そんなによいものでしょうか。
投資商品の積み立てには、2つの大きなリスクがあります。
(1)値上がりしていても、買わざるをえない
(2)続ける限り手数料を払わなくてはならない
投資商品の積み立ては、例えば毎月同日に月1万円支払うと、その日の価格が高くても安くても投資商品を1万円分機械的に買い付けていきます。高いときに買うのはリスクです。このリスクを減らすためには1万円より下がったら買うけれど、1万円より上がったら買わなければいいのです。
けれども、積み立て投資はこのような融通は利きません。このやり方を「ドル・コスト平均法」で説明されるかもしれませんが、そんな売り文句に騙されてはいけません。ドル・コスト平均法についてときどき質問を受けるので、少しだけ説明をします。
これは投資商品を購入する手法の一つで、「常に一定の金額で、定期的に買い続ける」というものです。商品の価格が値上がりしていたら買える量が少なくなり、値下がりしていたら多く買えるため、「長期間で均せば平均的な価格で買い続けられる」というのが理屈です。
一見、理に適っているように感じますが、逆をいえば、安いときにたくさん買いたいと思っても買えないし、高いときは買いたくないと思っても買わなければなりません。スーパーの売り出しを駆け巡っている人はわかると思うのですが、商品が安いときには買いだめしたほうがおトクでしょう。
コツコツ積み立てているだけでお金が増えるというのは幻想で、投資は「安いときに買って、高くなったら売る」ことを繰り返さなければ、儲からないのです。
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コツコツ投資には手数料がかかる
投資商品の積み立てのもう1つのリスクは手数料です。銀行の預金に手数料はかかりませんが、投資商品は手数料をもらって運用しているので、投資家は必ず手数料を払わなくてはなりません。手数料の大小は商品によって異なりますが、1万円を積み立ててもそこから手数料が引かれるので、1万円スタートではありません。手数料分を回収したところから増えることになるので、手数料より高い運用利回りでないと意味がありません。
投資信託の運用手数料である信託報酬が2%という投資信託もあり、よほどのいい成績の運用商品でないとお金は増えません。
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コツコツ投資が貯蓄を目減りさせていく
このように「投資」と「コツコツ積み立て」はマッチしない、相反する概念です。切った張ったの、生き馬の目を抜くような投資の世界で、「コツコツ積み立てましょう」という概念は、プロから見れば赤子の手をひねるようなもので、バカバカしいやり方です。
今、儲けている投資家は「コツコツ」でも「時間をかけて」でもなく、稼げるときにドンとお金を注入し、稼げるだけ稼いでサッと勝ち逃げしています。そのために多くの情報を集めて、タイミングを計り、勝つための投資をするための努力を惜しみません。投資をするということは、このような投資家と同じ土俵で戦うということです。
チビチビやって損失を抑える手法なんて、軍資金が目減りするだけです。
今、世の中の動きはとても早く、コロナのような予測不可能なことも起こります。
こんなときは何にでも使えることができる現金を持つことがいちばんです。
教えてくれたのは……荻原博子さん(おぎわら ひろこ)
(PROFILE)
1954年、長野県生まれ。経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経てフリーの経済ジャーナリストとして独立。テレビ、新聞、雑誌でレギュラーや連載を多数持ち、生活者の視点から、難しい経済と複雑なお金の仕組みをわかりやすく解説。デフレ経済の長期化を予測し、借金返済の必要性を説き続ける。近著に『私たちはなぜこんなに貧しくなったのか』(文藝春秋)、『50代で決める! 最強の「お金」戦略』(NHK出版新書)、『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』(毎日新聞出版)、『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)など、著書多数。
(抜粋)
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写真:伊藤 幹
編集:坂本君子、生島典子
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Web 編集:FASHION BOX
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