ときには新たな世界へ身を任せてみる。
10代での鮮烈なスクリーンデビューから、まもなく40年。女優としても、歌手としても、唯一無二の存在として輝き続けてきた原田知世さん。その道のりにおいて、「歌うこと」とはどのように向き合ってきたのでしょうか。
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
音楽活動は、“今の自分”をそのまま表現できる場所
穏やかに晴れわたった空の下、「最近、ずっと地下でドラマの撮影をしていたので。久しぶりに外に出られた気がして気持ちいいですね」と微笑んだ原田知世さん。
まもなく公開されるのは、2019年放送の人気ドラマから生まれた『あなたの番です 劇場版』。ドラマ版は、原田さんと田中圭さんが演じる新婚夫婦、菜奈と翔太が新居のマンションで住民たちの“交換殺人ゲーム”に巻き込まれていくストーリー。対して映画では、「もし交換殺人が起こらなかったら……?」というもしもの世界を舞台に、新たな連続殺人が始まります。
「私はドラマの中盤でいなくなってしまう役だったので、映画化のお話を聞いたときは、私は出ないものと思っていたんです(笑)。みんないいなあ、と羨ましく思っていたら、“もしも”の世界を描くと聞いて。もう一度、菜奈ちゃんとして別の人生を歩めることが嬉しかったですし、個性豊かなキャストのみなさんのお芝居をまた見られるのも楽しみでした」
ドラマの放送中は、メインキャストが次々に殺されていく衝撃的な展開が話題を呼び、SNSでは真相を探る考察が繰り広げられました。当時はキャスト側でも、その模様を興味深く見守っていたそう。
「鋭い指摘をしている人もいれば、ミスリードに引っかかっている人もいて。私たち出演者も大まかな流れしか知らされていなかったので、みんなで『いつ誰に殺されちゃうのかな?』と話し合っていました(笑)」
生瀬勝久さん、木村多江さん、奈緒さんらが演じる個性豊かな住民たちも、視聴者を引きつけた要因に。映画でもそうした各々のキャラクターは踏襲されています。
「すごく癖の強い住民ばかりでしたよね。でも観ているうちに、自分もマンションの住人になったような親近感が湧いてきて。あの階のあの人ね、みたいな(笑)。すごく怖いシーンもあれば、次の瞬間には笑わされたりして。単に殺人事件を解決していくだけじゃなく、緩急のあるみなさんの演技があったからこそ、その面白さが観る方にも届いていたんでしょうね」
そして2022年は、デビュー40周年という原田さんにとって記念すべき1年。現在、制作中のオリジナルアルバムに先駆けて、2021年12月15日にはindigo la Endやゲスの極み乙女としての活動で知られる川谷絵音さんの作詞・作曲、サウンドプロデュースによるシングル『ヴァイオレット』がリリースされました。
「今までやったことのないことをやりたいな、という気持ちが強くて。川谷さんにお願いしてみたら、とても素敵な曲を書いていただけて。きっとリスナーの方も意外だな、と感じていただけると思います。indigo la Endを聴いたのは、10代の姪っ子からすすめられたのがきっかけ。Apple Musicで音楽を聴いているとおすすめの曲が出てくるので、そこから知らなかったアーティストに触れることも多いんです。今作っているアルバムでは、これまでご縁のあった方から若手の方まで、幅広いミュージシャンの方々とご一緒しているので、楽しんで聴いていただけたら」
今までになかったスタイルの音楽に挑戦できるのも、40年の道のりで、原田さんらしいカラーを作ってきたからこそ。
「音楽を通じて、自分の変化を足跡として残せてきたのは、とても大きいこと。だから、音楽活動をやめようと思ったことはないんですよね。むしろ女優の仕事のほうが、先のことはわからない。音楽は自分のタイミングでできますけど、役はあくまでも出合い。オファーがあって初めてできることですから。でも音楽でもお芝居でも、心の準備や信頼できるメンバー……といろんな条件が揃ったときは、チャレンジを楽しみたい。秋から出演していたドラマ『スナック キズツキ』の主人公・トウコも、今まで演じたことのない独特な空気感を持った役でしたけど、益田ミリさんの原作がとても素敵で、制作チームも素晴らしかったので。時が来たら、思い切って身をゆだねることも大切だと実感しました」
デビュー以来、音楽とお芝居、どちらのフィールドでも、オリジナルの魅力を発揮してきた原田さん。同じようなスタンスで活動している人がほとんどいないことからも、原田さんが唯一無二の存在であることがわかります。
「もちろんミュージシャンにも、俳優の方にも、尊敬できる先輩はたくさんいらっしゃるけど、女性で音楽とお芝居の両方を続けている方はあまりいなくて。今まで誰かを目標にしたり、比べたりすることができなかったんです。だからこそ、自分の道を行くしかなかったのかもしれませんね」
40年の音楽活動を通じて、「今は生活の一部と言えるくらい、自然にそばにあるもの」と感じているという原田さん。
「年を重ねるごとに、音楽がどんどん楽しくなってきたし、リラックスして取り組めるようになっています。それはやっぱり、一緒に積み重ねてきたチームのみなさんがいるからこそ。歌についても、昔は細くて高かったのが、だんだん低く深い声を出せるような感覚があって。できることの幅が広がって、以前よりも自分の声が好きになりました。私にとって音楽は、今の自分をそのまま表現できる場所なんです」
南果歩|役作りは“妄想族”になるところから 女優の原点は意外なところに
天才肌・満島ひかり|憧れは“笑われる人” 「誰かの『声にならない声』でありたい」インタビュー
INFORMATION/ニュー・シングル 原田知世 『ヴァイオレット』
2021年12月15日(水)発売
価格:¥1,320
購入:https://store.universal-music.co.jp/artist/harada-tomoyo/
2022年のデビュー40周年に先がけてリリースした待望のシングル。初タッグとなる川谷絵音が作詞・作曲及びサウンド・プロデュースを担当。カップリングでは、デビュー当時の1983年にカヴァーした松任谷由実の名曲『守ってあげたい』を、伊藤ゴローのアレンジ&プロデュースにより再カヴァー。
[収録曲]
1. ヴァイオレット
作詞・作曲:川谷絵音
Sound Produced & Arranged by 川谷絵音
2. 守ってあげたい
作詞・作曲:松任谷由実
Produced & Arranged by 伊藤ゴロー
3. ヴァイオレット (instrumental)
4. 守ってあげたい (instrumental)
天海祐希、54歳の抱負は「年齢を楽しむこと」! 映画『老後の資金がありません!』撮影で大御所俳優から学んだこととは? インタビュー
吉高由里子 「基本、『へらへら』している」日々を送るためのストレス発散法は? |インタビュー
PROFILE/原田知世(はらだ・ともよ)
1967年生まれ、長崎県出身。1983年、『時をかける少女』で映画初主演。近年の出演作に映画『星の子』、ドラマ「半分、青い。」「スナック キズツキ」など。歌手としてもコンスタントにオリジナルやカヴァーアルバムを発表しており、2021年12月15日にはニューシングル「ヴァイオレット」をリリース。カップリングは松任谷由実の名曲「守ってあげたい」の再カヴァーを収録。
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
「カムカムエヴリバディ」出演中の西田尚美|30代女子が憧れる理由は役柄の幅広さにあり!? [インタビュー]
photograph:Isao Hashinoki(nomadica)
styling & hair & make-up:Tomoko Fujikawa(Figue)
text:Hanae Kudo
(大人のおしゃれ手帖 2022年1月号)
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
web edit:FASHION BOX