認知症の原因になる“脳のゴミ”をおそうじする5つの生活習慣|睡眠は7時間 etc. 脳神経専門医が伝授

認知症の原因・“脳のゴミ”をおそうじする5つの生活習慣|睡眠は7時間 etc. 脳神経専門医が伝授

今すぐ始めたい 頭をクリアに! 脳デトックス

「最近、物忘れがひどい」「頭の回転が遅くなった」と感じませんか? 『大人のおしゃれ手帖』世代が気になり始める脳の衰えは、加齢とともにたまる“脳のゴミ”が原因。脳をスッキリきれいにする方法を脳神経専門医の内野勝行先生に伺いました。

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記憶力や集中力の低下は脳にたまるゴミが原因!?

『大人のおしゃれ手帖』世代になると、体だけでなく、頭も「若いころとは違う」と感じることが増えてきます。集中力が落ちたと感じたり、人の名前が思い出せなかったり。

それはもしかすると、脳の“ゴミ”がたまってきているのかもしれません。脳のゴミとは、脳内でつくられる「アミロイドβ」というタンパク質のこと。
「アミロイドβは脳の神経細胞を死滅させる、毒性の高いタンパク質です。通常は発生しても短時間で分解されて排出されますが、40代くらいになると、脳にたまってきます。加齢とともに代謝や免疫力が低下し、アミロイドβの排出が追いつかなくなるからです」

実はがん細胞も1日に数千個発生していますが、若いうちは免疫力が働いて排除されます。しかし、加齢とともに免疫力が低下。やがて排除しきれなかったがん細胞がかたまりを形成し、「がん」を発症するといいます。

アミロイドβの場合は、15年20年という長い年月をかけて脳に蓄積し、脳の神経細胞を変性させます。その結果、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症を引き起こすと考えられています。

ただし、物忘れや記憶力の低下は、更年期障害や甲状腺機能低下症、がんなどの病気でも起こることがあります。誰かに指摘されるほど、物忘れが急に現れたり、増えてきたりした場合は、医療機関を受診して原因を確かめておいたほうがよいでしょう。

必要なのは脳トレより脳の“おそうじ習慣”

“脳のゴミ”による衰えを防ぐには、やはり脳トレをしたほうがいいのでしょうか?
「好きでもない脳トレをわざわざ時間をかけてやるよりも、ふだんの生活のなかで“脳のおそうじ習慣”を取り入れていくのがいいと思いますね」

脳のゴミを増やす最大の要因は加齢ですが、それに加えて間違った生活習慣を続けていると、体にもともと備わっているアミロイドβの分解や排出の機能を妨げ、脳にたまりやすくなるそう。
「そこで生活習慣を改善して、アミロイドβを分解・排出しやすくし、ためにくくする。そういうふうに体の中を整えてあげることが大切になります」

具体的な“脳のおそうじ習慣”を紹介します!

これですっきり! 脳のゴミを出す&ためない日常生活

日常生活の中に“脳のおそうじ習慣”はたくさんあります。脳の健康にはもちろん、全身の健康にもよいことばかり。無理せず、できるものから少しずつ取り入れてみてください。

良質の睡眠は“脳のゴミ”を洗い流す

脳のおそうじは、深くぐっすり眠っている「ノンレム睡眠」のときに行われます。良質な睡眠のためには、「体内時計」のリズムを整えることが基本。まずはいつも同じ時刻に寝起きするように心がけてください。朝起きたときには日光を浴びて、夕方以降は強い光を避けるようにすると、睡眠と覚醒のリズムが整ってきます。

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週末の寝だめでは、脳のおそうじはできません。毎日7時間ほどの睡眠時間を確保することを目安にして。

有酸素運動が◎。ゴミを掃除する「酵素」が増える

有酸素運動をするとドーパミンが分泌。ドーパミンは、脳を活性化し、アミロイドβを分解する酵素を増やす効果があります。なかでも内野さんのおすすめは、室内でできる「8の字スロージョギング」。背筋を伸ばして、8の字を描くように早歩きをします。脚を高く上げ、腕も大きく振るように意識すると、大きい筋肉の血流がアップして、より効果が期待できます。

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8の字スロージョギングは家の中でも十分な運動に。好きな音楽をかけながらやるのも楽しい。

好きなことをしていれば脳は活性化する

料理でも手芸でもガーデニングでも、友人と一緒に楽しんだり、作品をSNSに投稿したりすると、適度な緊張感が生じて、脳の活性化につながります。おしゃれでもメイクでもよし。自分が好きなこと、ワクワクするようなことが脳を活性化させます。誰かにほめられると快楽ホルモンが出るので、さらにやる気もアップします。

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第三者に「自分をよりよく見せたい」という気持ちも、脳の活性化につながります。

歯周病に要注意! 歯茎の炎症でアミロイドβが増加

近年注目されているのが、歯周病と認知症の関係です。歯周病の原因菌をマウスに与えると、脳内のアミロイドβが約10倍に増え、記憶力も低下したという研究結果が報告されています。歯茎の炎症で生じたアミロイドβが血流に乗って脳まで達し、脳に蓄積されるそう。よくかんでおいしく食べるためにも、早めのオーラルケアを。

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毎食後の歯磨きに加えて、歯科医での定期的なメンテナンスも忘れずに受けましょう。

よい香りは記憶力をつかさどる「海馬」を刺激

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嗅覚は、視覚や聴覚よりも古くから発達した感覚。「どんなにおいか」を判断するのは嗅覚野ですが、その情報は海馬が存在する大脳辺縁系にもダイレクトに伝わります。そのため、よい香りや好きな香りをかぐことで、海馬が活性化し、気持ちも高揚します。好きなアロマや料理のにおい、草花の香りなど、意識して味わってみて。

物忘れは脳が行う「断捨離」

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脳は記憶の貯蔵庫のようなもので、40~50代になると、記憶がたまりすぎてパンパンに。そこで、重要度の低い記憶を手放すようになるのです。これが物忘れ。つまり物忘れとは「脳の断捨離」のようなもので、病的なものでなければ、過度な心配はいりません。「問題解決能力や危機管理能力など、年を重ねてから伸びる力もあるので、悲観しないでください」

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教えてくれたのは……内野勝行先生

認知症の原因になる“脳のゴミ”をおそうじする5つの生活習慣|睡眠は7時間 etc. 脳神経専門医が伝授
内野勝行先生

【PROFILE】
金町駅前脳神経内科院長。脳神経の専門医として認知症の予防に注目し、多数の診療経験をもとに「脳のおそうじスープ」を開発。執筆活動やテレビ出演など多方面で活躍。

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illustration:Naoko Ueji
text:Aya Teramoto
大人のおしゃれ手帖 2022年7月号

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web edit:FASHION BOX

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