いつまでも元気で長生きしたい、とは誰もが願うもの。では毎日の食事を工夫して、体の内側からアンチエイジングを目指してみては?今回は栄養のプロ監修のもと、長生きをする食べ方のコツ5つを教えます!
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栄養や食材の選び方、調理のコツ次第で老化のスピードを遅らせることができます。
1.たんぱく質不足に注意
1食のたんぱく質量の目安は手のひらサイズ
たんぱく質は生きていく上で重要な栄養素で、筋肉や血液、皮膚、爪、臓器、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作っています。ただ最近は加齢による食事量の低下や運動、減量、ストレスによってたんぱく質不足の人が多くなってきています。特に高齢者のたんぱく質不足は深刻で、体の機能の低下、筋力が落ちる、骨が弱くなるなどのリスクが高まっています。リスク軽減のためにも毎日たんぱく質をとり入れましょう。1食分のたんぱく質の食事量は、肉、魚、卵、豆(豆腐・納豆)などを合わせて、手のひらサイズが目安になります。
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2.いい油を選ぶ
α-リノレン酸は認知症を予防・改善
毎日の食事のなかにとり入れてほしい油は、α–リノレン酸を含むオメガ3系脂肪酸の油です。えごま油や亜麻仁油、しそ油は血液サラサラ、脳細胞の活性化にも役立ち、認知症を予防、改善します。一方オリーブオイルは、オレイン酸を含むオメガ9系脂肪酸。がんの抑制や動脈硬化予防によいとされています。このオリーブオイルをベースに、α–リノレン酸の油をとるのがベスト。また、NGな油は、自然界には存在しない人工的に作られたトランス脂肪酸が入った油。マーガリンやショートニングは血管を老化させ、様々な病気を引き起こします。
3.塩分は控えめに
塩分は1日6gキープで味にひと工夫を
塩分を多くとると高血圧や糖尿病や心筋梗塞、腎臓病など様々な病気を引き起こします。問題は、高齢になると味覚が老化して味を判断する機能が低下する場合があること。いつもより味を薄く感じ、普段より塩が多めになってきたら注意ですが、料理にひと工夫すれ
ば大丈夫。旨味成分の昆布やかつお節、干ししいたけ、煮干し、チーズ、トマトなどで味付けをすると、料理にコクやまろやかさがでます。酢などで酸味を加えてもOK。しょうゆやソースの加熱調理は、最後の仕上げにちょっと入れるだけでもおいしさは引き立ちます。
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4.調理法は焼くより蒸す
焼き料理や揚げ料理は糖化産物
糖化は老化を促進させるので、調理法にも注意が必要です。余分な糖に体温の熱が加わり、たんぱく質が反応し、最終生成物(AGE)になります。糖化は砂糖を加熱すると茶色くベタベタになるのと同じで、体の中でも同じことが起きています。糖化イコール、コゲです。実際にコゲてしまっている焼き料理や揚げ料理は、すでに糖化してしまった産物。高温で加熱する調理ほどAGEは多くなるので、調理は蒸し料理か煮込み料理がおすすめです。でも、焼き料理をやめるのはつらいこと。さっと焼くか、回数を減らすなど工夫をしましょう。
5.よく噛んで免疫アップ!
1回1秒30回噛んで活性酸素を消去
昔に比べると、現代人はやわらかい食べ物を好み、咀嚼(そしゃく)回数も格段に減っています。よく噛んで食べなさい、と昔よく言われませんでしたか? 実は、咀嚼にはいいことがたくさんあります。よく嚙み砕いて唾液を絡めて細かくすると消化しやすくなり、ゆっくり時間をかけて咀嚼すれば満腹中枢も刺激され、食べすぎも防止できます。よく嚙むことで唾液の分泌が促進され、発がん物質が作り出す活性酸素を消す作用もあります。1回1秒、合計30回を目安にしましょう。また、嚙むことで副交感神経が刺激されるので、免疫力もアップします。
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【監修】 東京慈恵会医科大学附属第三病院 栄養部
小沼宗大(おぬま むねひろ)
東京慈恵会医科大学附属第三病院栄養部課長。慈恵会グループ全体で使用している統一献立の立ち上げにプロジェクトメンバーとして携わる。「おいしい病院食」を通して患者の栄養状態の改善を図り、生活の質向上に向けた取り組みを実施する。
相木浩子(あいき ひろこ)
東京慈恵会医科大学附属第三病院栄養部リーダー。糖尿病食などの治療食調理をはじめとした給食管理業務から、栄養食事指導など臨床栄養業務まで幅広く対応する。患者中心の栄養管理を実施し早期疾病治癒・治療実績向上に取り組む。
【取材協力】
新谷友里江(にいや ゆりえ)
フードコーディネーター、管理栄養士。大学卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。『オレンジページ』などの料理雑誌、女性ファッション誌でのレシピ開発や調理を中心に活躍中。著書に『まとめて作ってすぐラクごはん♪ つくりおき幼児食 1歳半〜5歳』(西東社)など多数。
(参考)
『長寿ホルモンを増やす!「長寿食材」の選び方と最高の食べ方』
監修 東京慈恵会医科大学附属第三病院 栄養部
編集/荒木雅子、FASHION BOX
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