パートナーと考える生理のこと
今まで公に語られることのなかった「生理」。一方で、自分の体に起きる変化や困りごとを誰にも相談できずに悩んだり、パートナーや身近な人の生理にどう向き合えばいいかわからず困っている人がいるのも事実です。女性の健康を考えるうえで、「生理」を正しく知ることはとても大切なこと。今こそ、女性もパートナーも、一緒に生理について話してみませんか? シオリーヌさんと犬山紙子さんがスペシャル対談で女性の体について語ってくれました。
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シオリーヌさん×犬山紙子さんスペシャル対談!
どうしたら生理のこともっとみんなでわかり合える?
パートナーと生理や性の話を共有しているというシオリーヌさんと犬山紙子さん。恋人同士でもぜひ知っておいてほしい、ふたりが『steady.』世代の女性に伝えたいこととは。
生理について話すきっかけは動画や絵本がおすすめ
シオリーヌ:犬山さんはパートナーと生理について話しますか?
犬山:私はPMSがあって、夫に理不尽に怒ってしまったりすることがあるんです。それで自分にはPMSがあるという話を夫にして、私なりにどう向き合って、どうコントロールしていこうかと考えているということも伝えました。
シオリーヌ:私の動画を見てくださっている視聴者さんにも、パートナーと生理をはじめ、性の話を共有したいと思っている方は増えてきています。また生理に関する動画のコメント欄を見ると、「彼女のことを理解したいから見ました」という男性の方もいらっしゃるので、少しずつ生理の話はタブーという風潮はなくなってきているのかなと感じています。
犬山:これからパートナーと生理について話したいと思っているなら、動画を利用するのもいいですね。一緒に見て、そこから私たちの場合はどうなんだろうっていう話もしやすい。あとは、子ども向けの性教育の絵本もわかりやすいのでおすすめです。
――生理に対してパートナーと取り組んでいることはありますか?
犬山:私は、ミレーナを入れているのですが、入れるときに夫にも報告しました。ただ、ミレーナって子宮まわりにしか黄体ホルモンが放出されないので、PMSはあるんです。でも、ミレーナのせいで自分の周期がわからないので、ちょっとイライラするときは、夫と「もしかしたらPMSかもね」なんて話しています。ただ機嫌が悪いだけかもしれないけれど(笑)。
シオリーヌ:生理に対して治療をするという選択肢があることを知っておくことは大切ですね。「みんな我慢しているんだから」と我慢している人がとても多いからこそ、選択肢は多くあったほうがいい。
犬山:私も妊娠・出産するまでは仕方ないって思っていました。でも産後、仕事に復帰したときに「無理」ってなって。仕事をして家事をして子育てして、その上、生理もあってというのはしんどすぎる。私はお医者さんに「血の量が多いですね」って言われたことがあるのですが、それまで、自分がほかの人よりも血の量が多いなんて知らなかったんです。
シオリーヌ:私も社会人になって2~3年めの頃から7年間低用量ピルを飲んでいました。その副効用で生理が軽くなったときに、生理が軽い人ってこんな日々を送っていたんだって衝撃を受けました。
犬山:私は取材のなかでさまざまなカップルを見てきましたが、子どもをつくるかどうかとか、妊娠出産のこととか育児の分担とか、その前の段階で話し合いをしている夫婦と話し合いをしていない夫婦っていうのは、その後の生活や関係性も大きく違ってくるなと感じています。
シオリーヌ:今、相手が避妊をしたいと思っているかどうかとか、そういうことを明確に言葉で確認している人ってあまりいないですよね。ふたりの関係性のなかで今、子どもをつくるのは違うよね、という状況なのであれば、どんな避妊法を選択するのか、それにかかる費用は誰が負担するのか、誰が用意しておくのかということはとても大切な話なのに、いざそういう場面で「今日、持ってる?」と確認するというのがまだ一般的。だからこそ、言葉で確認するという文化をつくっていけるとよいと思います。
自分の心や体は尊重されるべきものだということを知ってほしい
――生理のときにパートナーにしてもらってよかったことは?
シオリーヌ:妊活中、妊娠するまで低用量ピルをやめていた時期は久しぶりに生理があって、そのあまりの辛さに落ち込んでしまって。なので、生理が重たいときはお湯を直接入れられるタイプの湯たんぽを抱っこして過ごしていました。その湯たんぽに夫がお湯を入れてくれるのがとてもうれしかったですね。
犬山:私はとにかくゴロゴロさせてくれることがうれしい。夫に「今、粘膜が剝がれて血がドバーッと……」と実況中継すると、夫がビビッて「もういいから、寝てて!」と言ってくれました(笑)。
シオリーヌ:そういうコミカルな伝え方っていいですね。
犬山:生理ってみんなが乗り越えているのだから我慢するべきって考えられがち。妊娠中も「病気じゃないから」って軽視されるけれど、辛さを理解して「今日はご飯を頼もうか」でもいいし、ゆっくり過ごさせてくれる気遣いがほしいですね。
シオリーヌ:性の話の根底にあるのって人権。私たちはひとりひとり健康に安全に生きる権利をみんなが持っていて、それは誰も奪ってはいけないもの。お互いの権利を当たり前に尊重し合えるような社会をつくっていくことが、大切だと知っておいてほしいです。
犬山:人権っていうと、ちょっと遠いイメージがあるけれど、それがパートナーと生理や避妊の話をすることとつながってくる。だからこそ読者がこれを読んだときに、自分の体のことは自分自身に決定権があって、自分の心や体は尊重されるべきものなのだと感じてくれるとうれしいなと思います。
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お話ししてくれたのは……
シオリーヌ(大貫詩織)
【PROFILE】
助産師・思春期保健相談士・性教育YouTuber。総合病院産婦人科で助産師としての経験を積んだのち、精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。2017年より性教育に関する発信活動をスタートし、2019年2月より自身のYouTubeチャンネルで動画を投稿。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト·プレス)、『こどもジェンダー』(ワニブックス)がある。
犬山紙子
【PROFILE】
イラストエッセイスト、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。児童虐待防止のための活動「こどものいのちはこどものもの」を立ち上げ、社会的養護を必要とするこどもたちにクラウドファンディングで支援を届けるプログラム「こどもギフト」メンバーとしても活動中。現在は、TVのほか、ラジオ、雑誌、新聞、WEBなどで活躍中。
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撮影/布施鮎美
取材・文/佐藤玲美
(steady. 2022年6月号)
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WEB編集/FASHION BOX